2017/03/07 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にペインテイルさんが現れました。
ペインテイル > 馬車が幾度も往復する事で大地は踏まれ道となり、その道を更に行き来しやすく均された街道のひとつメグメール(喜びヶ原)街道。その街道の中間地点に近い、丁度深い森を貫くように作られた道に今夜は魔物がうろついていた。

山賊やゴブリンやオークやオーガなど人型の魔物であれば珍しくないが、今宵出没したのは頭部から垂れる長く大きな耳が特徴の何処か愛嬌のある魔獣が姿を見せていた。その姿はまるで狼の如く狩猟する獣としては均等の取れた体つきではあるが、巨漢とも言い難く、何も知らぬ者がその姿を見れば愛玩動物と錯覚しても決しておかしいとは言えない魔獣ではあるが、危険度はゴブリンやオーガよりも単独であればそれを上回る戦闘力を持ち合わせている。それより何より彼の獣は影に潜伏する能力があり、もし発見されでもしたら冒険者ギルドには退治の依頼の張り紙が張られる事間違いない、と言う危険な魔物が街道の道にあわせてのんびりとした足取りで歩いている。

つるりと丸い宝珠のような瞳は何も語らず、柔らかな体毛は時折吹く夜風にさらさらと揺れている。しかし、その穏やかな風体とは裏腹に内に潜めた欲望は強く、その宿した欲望を発散すべく獲物を求めて街道を歩いているのである。その証拠に普段なら聞こえる筈の鳥の声も虫の声すらも無い、更に言えば狼や野犬の遠吠えすらもなく、森自体が怯えたように静まり返っているのだった……。

ペインテイル、柔らかな体毛に似た触手が無数に生えた異形の尾を揺らし、すらりとした四肢は地面を強く踏みながらも足音はそれとは想像つかぬほど静かで、魔物は何時でも獲物を見つければ即不意をつけるように全身に力をみなぎらせていた。

ペインテイル > のんびりと、だが確かに地面を踏み抜く強さを持つ歩みで街道をある程度の範囲を歩き終えると今宵は街道を通る獲物が居ないと考える。ならば夜も深く出歩くには眠気を堪えられない時間帯になったと、きびすを返し魔物は来た方向とは逆の方向へと今度は大地を蹴るように走って何処かへと去っていくのだった、。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からペインテイルさんが去りました。