2017/03/02 のログ
ティエンファ > 「いんや、見えないな! ゴブリンってとアレだろ? 目がぎょろっとしてて、チビで、
 意外とすばしっこいアイツら!山越える時に群れに出くわして追い掛け回されたぜー…
 …って、え、マジで!? えー、俺よか年上? ウソー…あ、でもそっか、エルフって見た目より…」

無遠慮にまじまじと眺める。 キラキラした子供のような目から、悪気は欠片も見られない。
その耳って動くんだな、とか感心したように言ってから、近づいてきたエルティに、頭を掻いて苦笑した。

「田舎者丸出しで悪いんだけど、実際田舎者なんでさ、大目に見てくれると嬉しいよ、姐さん
 俺はティエンファ、北の国から旅して来た風来坊でね、もう判ってると思うけど、この辺りには疎いんだ」

そっちはー、と言葉を切ってエルティの服装を眺め、街の人かな、と尋ねる。

エルティ > 「それならいいわ。もし見えるなんて言っていたら蹴り飛ばしてたわよ。
そうそれよ。小さくて目が大きくて群れてるアレね。
追いかけられて逃げ切れたのならあなたは幸運ね。
エルフを人と同じに見ると大変な目に合うわよ……見た目より老けているって言いたい?」

こうまじまじと見られるとやはり恥ずかしくなってしまい僅かに頬に赤みが差し、悪気がないのはなんとなくわかるので脛をける訳にもいかず。
少年の言葉に慌てて耳を抑え、近づけば頭を掻く姿を見上げる。

「別にそんな事で怒ったりはしないわよ。お祖母ちゃんとか言ったら別だけどね。
ティエンファ?北の方の出身なのね。それならこの辺りは大変よね。
私はエルティよ。一応はこの辺りに住んではいるわね」

服装に見た目、そして名前にこの辺りでないとはっきりと認識する。
服装を眺められれば軽装ながら皮鎧を身に着けている事から冒険者と判るはずで。

ティエンファ > 「まさか! 似ても似つかねえや、そんな綺麗な髪のゴブリンが居たら、天地がひっくり返っちまう」

呵々と明るく笑って、それから肩をすくめる。

「どうにかこうにか少数撃破を重ねて、なんとかかんとか壊滅させたよ、しばらくゴブリンは御免だぜ
 って、年齢重ねただけで更けてるなんて言えないや、うちの親父殿はしあわくちゃの爺さんだけど、
 100を超えたのに俺より気も動きも若いぐらいだからなあ」

お祖母ちゃん、という言葉に思わず吹き出す。 全然見えないし、そう呼ぶ気もない、と明るく笑った。
動きやすそうだが、戦う事を見越した軽装だ、ああ、と納得したようにうなづいて。

「冒険者、って奴かい? 旅の間にちょいちょい会ったけど…なるほど、なんか格好いいな!
 そうなんだよ、北から遥々旅してきたんだけど、考えてみたら帝国と王国って喧嘩してんじゃん?
 ふらっと帝国の顔した旅人が王都に入れるのかな、門番に追い返されないかなって考えてたら、
 どうにもこうにも、最後の踏ん切りがつかなくなってさ、岩の上で悩んでたんだ」

情けない表情を浮かべ、肩を落とす少年。 表情がころころ変わる。

エルティ > 「そんなに褒めても何も出ないわよ?もし区分けが付かないなんて言ってたら頭を射抜いていたところね」

軽く弓を打つようなしぐさをして見せて。

「壊滅させたなら大したものよ。もし被害が出ているなら感謝されるわね。
そう?そんな風に言う人間もいるのね……100を超えても元気って…人間?」

吹き出した姿に眉を吊り上げて怒りかけるが、続いた言葉に目を丸くしてそれならいいと怒りを納め。
100を超えて元気という少年の親父が本当に人間なのかと悩んでしまい。

「そう、それであっているわ。今は仕事帰りって訳。カッコいいと思うなら王都でギルドに行けばなれるわよ。
戦争を喧嘩って言うのなら確かにそうね、でも旅人相手にそこまで目くじらも立てないはずよ。
男ならそんな所で悩んでないで普通に行けばいいのに」

肩を落とす少年、表情がよく変わると面白そうに眺め……

「門を通らずに入れる場所もあるけど…知りたい?」

このまま放っておいてもいいのだがなぜかそうもできず、抜け道を教えてあげてもいいかなと考えて。

ティエンファ > 「エルフの弓は針の穴を通すっていうぜ、逃げられなそうだから見る目は養っとく事にするよ」

怖い怖い、と大げさに首をすくめてから、きゅっと跳ね上がる眉に少し驚きつつ、怒りがすぐ溶けた様子にほっとした。
初めて見るエルフのきれいな顔なのだが、『美人は怒ると怖いから、怒らせないようにしよう』なんて内心で自戒した。

「あー、どうなんだろうな でもまあ、通りやすくはなったろうな
 …人間、のはずなんだけど、うーん、なんか、うん、人間だと思う…思うよ…?」

本気で挑みかかった自分を片手でひねる飄然とした老人を思い出し、断言できないまま言葉を濁した。
それはそうと、と話を切り替える。 エルティの言葉に気になる情報。

「え、冒険者ってそんな簡単になれるの?! マジで、俺が冒険者!? うわ、それってかなり嬉しいぜ!
 実は、ガキの頃冒険者ってのにもあこがれててさー…って、あー、いや、うん、そうなんだけどさ、
 …憧れの町で、鼻っ柱叩かれるような出だしってのもこう、嬉しくないじゃん?」

普通に行けば良いのに、という言葉に眉を下げて笑った。
口調は雑だし、無作法だが、無法者ではないようだ。
そして、普通に行ってみるかあ、とエルティの勧めに従おうかと首をかしげたところで。

「え、門を通らず? あ、うん、知りたい!」

こくこくと素直に頷いて、目を輝かせる。

エルティ > 「私は弓だけでなく銃も使う変わり者よ。それでも逃がさないで撃ち抜く位は余裕で出来るわよ」

首をすくめる姿に少しだけ脅かすように言えば笑みを見せて。

「ゴブリンがいなくなればそれだけで安全は増すのよ。
時々に限界を超えた人間がいるから穴乗れないわよね…」

恐らくはある意味の超絶者の類なのだろうと考え。
本当い時折に人に混じっている凄い人間なのだろうと。

「なれるわよ。成功するかどうかはその人次第だけど……そんなに嬉しいの?
小僧はやはりそういう物に憧れるのね。
それに止められてもお金を出せば通してもらえるわよ」

この国の兵や役人のひどい腐敗、お金さえあれば異国人、それこそスパイでも簡単に通れるかもしれず。
口調こそあれだがいたって普通な旅人に見えてついおせっかいを口にすれば食いつく姿に苦笑して。

「ただ狭いのは文句は聞かないわよ。それでもいいならね」

そういえば少年を先導するように…王都へと道を僅かにずれた脇へと進んでいく

ティエンファ > 「銃かー…あれは苦手だ、流石に避けにくい 勘弁してくれよ、風通しの良い身体に憧れはないんだ
 ふぅん、じゃあ、まあ、危ない目にはあったが、一善って事で悪くはなかったかもな、ゴブリン退治、へへへ
 …あー、限界は超えてそうだなあ、親父殿 仙人じゃあなかった筈なんだけど…」

養父を思い出しつつ、鍛えても鍛えても越えられる気がしないんだ、とか肩を竦め。
それから、嬉しいさ!と力強く頷く。聞けば、田舎の山の育ちで、本はよく読んでいて、憧れが募っていたのだとか。

「自慢じゃないけど、金はないんだよなあ!
 文句なんて言わないよ、こんな風に気を回してもらえるなんて思わなかったし、
 礼以外の言葉は出てこないさ、ありがとう、エルティ姉さん!」

まったく言葉の通り自慢にならないことを明るく言ってのけてから、
まっすぐに喜びを伝え、歯をのぞかせて子供のように笑った。
そして、素直に後についていけば、案内される場所へと…。

エルティ > 「あれは使う側には悪くない武器よ。音がうるさいのと重い以外はね。風通しのいい体になれば空を飛べるかもしれないわよ?
結果オーライってことでいいのかしら……退治されたからいいのよね。
そんな親父殿を持ったのならティエンファも超えれるはずよ」

きっと何かで憧れが強かったのだろうとその姿で感じ・

「それなら止められたら諦めるしかないわね。
ほんの気紛れね、神に感謝しておくといいわ。
お礼を言えるだけ偉いわよ、姉さんは少しくすぐったいね」

自慢にならない事を明るく告げる少年に大丈夫なのかと見てしまい。
子供のように笑い喜びを見せる姿を見れば放っておくこともできずに。

そして少年を連れてたどり着いたのは揉んから少し離れた場所。
そこにある不自然な木箱を退ければ、そこには這えば通れそうな穴があり。

「ここを潜れば街の中。送れずについてきてね」

そういえば先に穴にと四つん這いになり入っていく。
ちゃん穴に入った後に木箱を戻すように告げて。

ティエンファ > 「便利だとは聞くんだけどなあ…どうにも、俺は手元で使える方が慣れてるからってのもあるかな
 良かったら今度使って見せてよ、夜に五月蠅くするってのもあれだから、今日は我慢するけど!
 はは、そうだな、親父殿を超えるってのも、旅の目的の一つでさ 武者修行ってやつさ」

エルティの後ろをついていきながらそんな事を話す。
神に感謝、と言われれば、両手を合わせてエルティを拝んでおいた少年だ。
そして、門から離れたその穴をのぞき込めば、子供っぽい好奇心が刺激されて。

「はいよ!…なんかこういうの、良いね…!」

こそこそと声を落とす。 子供の頃に悪戯を仕掛けた時の高揚感を思い出す。
言われたとおりに木箱を戻してから、エルティについて穴を抜け…。

「入国完了、ってわけか!
 へへ、なんか、初めて会ったのにここまでしてもらっちゃって悪いな!
 神にも感謝はするけど、この恩は必ず返すよ、エルティ姉さん!」

自分の右拳を左掌で包み、深く礼をする。 異国の敬意を表す仕草なのだと伝わるだろう。
顔をあげれば、に、とうれしそうに笑った。

エルティ > 「武器も向き不向きがあるのよ、無理に使わなくてもいいわね。
自分に合うのを使うのが強くなるコツよ。
そうね…機会があれば見せてあげるわ。その目標を先ず追いかければいいわね」

後ろについてくる少年を時折に振り返って答え。
なぜ自分が拝まれているのかと不思議そうに見返す。

「言っとくけど後ろからわざと突っ込んできたら置いていくわよ?」

過去にそんな事をされた事があるのか、そう告げて。
そうして少年を連れて穴を潜って通り抜けて。

「ようこそ王国へ、問題さえ起こさなけれなまず大丈夫よ。
偶々気が向いたからよ。そのうちにお礼をしてくれたらいいわ。
期待しないで待っているわね、それじゃ私はもう行くから…」

異国の礼で深々と礼をされれば恥ずかしそうにしてみせて。
嬉しそうに笑う少年にこれもサービスと少しだけお金の入った小袋を投げ渡し、またね、と背中を向けて去っていく……

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からエルティさんが去りました。
ティエンファ > 「うん、そうする、あれこれできるほど器用じゃないしなあ…って、見せてくれるの?! やった、約束だぜ!」

嬉しそうにぐっと拳を握って、それから、後ろから突っ込んだら、と言われ、少し想像し、ちょっと赤くなった。

「問題さえ起こさなければ、か、うん、肝に銘じるよ、気を付ける
 へへ、期待しない分、びっくりするようなお礼をー… …うん、あんまハードル上げるとアレだから、
 恩を返せる時に返させてもらうよ」

勢い込んで言いかけ、途中で頭をかいて言い直した。
そして、放られたそれを受け止めれば目を丸くして。
お礼の言葉をその背に向けて、夜闇に消えていく背に手を振って見送った。

「…よし、なんか、この国でも上手くやってけそうな気がする!
 まずは宿を探して、明日朝一で、そうだ、冒険者になるぞ!」

おー、とエルティのくれた財布袋を掲げて、少年は気合を入れたのだった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からティエンファさんが去りました。