2017/02/05 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にタマモさんが現れました。
タマモ > 「…うん?」

どこをどう見ても木々しかなかった山中、ついに目の前に覚えのあるものが見えた。
木々の隙間から見えるのは街道、それが分かれば、自然と少々早足となってそこへと向かう。
抜けた先は…思った通りの街道だった事が確認出来れば、やれやれ、と汗を拭う仕草。

「まったく…思いの他、ここまで来るのに時間が掛かってしまったのぅ…
どれくらい日が昇り落ちた事やらじゃが、何とか一段落といった感じか?」

王都の方角から、この街道をどちらへと向かえば良いかは分かる。
どっこいせ、と少し街道の外れにある少し物陰になるような手頃な岩に、腰掛けた。
ごそごそと袖を漁り、包みを取り出す。
がさりと包みを広げた中身はパン、途中でまた別の山賊からうb…もとい、快く受け取った物の残りだ。

タマモ > 更に袖を漁り、取り出したるは酒瓶。
これも同じところから、う…受け取った物である。
もごもごとパンを頬張り、手にした瓶の中身はそのままラッパ飲み。
…行儀が悪い?グラスとか忘れてきたのだから仕方が無い。
ともあれ、そんな感じでのんびりとした食事の時間だ。

まぁ、延々と歩き続け、途中で摘んだ山菜やらのみの食事と思っていたが…うん、良かった良かった。
山賊達とも、なぜかあんな場所で出会った冒険者らしい者達とも遊べて少しは暇潰しになっただろう。
…ある意味、その相手は己の不幸を呪っているかもしれないが、気にしない。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にエミリーさんが現れました。
エミリー > 「………」

ゴロゴロ、ゴロゴロ…車椅子が街道を進む
ローブを着こみフカフカの椅子に腰かける者、そしてそれを押す黒鎧の大男
通りすがる馬車の御者も訝しい瞳を向けている

「………」

ゴロゴロ、街道を唯々進む
目的はあるのかないのか…進先には確か小さな村が有っただろうか

タマモ > ごくん、と最後の一切れを、残った酒と共に飲み干す。
量的にはそう大した事もないのだが、少女にとっては良い量である。

「ふぅ…一休憩終えたら、後は途中にある…えーっと…ゾヌ村じゃったっけか?
…まぁ良いか、そこで今日は休むとするかのぅ」

くしゃくしゃと包みを丸め、袖の中へと仕舞いこむ。
ゴミはゴミ箱に…である。
よいせ、と立ち上がれば街道へと戻ろうとするが…

…うん、何か見覚えのあるものが見えた。
何とも言い難い光景を、少しの間、じーっと街道の端から見詰めている。
少し注意を向ければ、自分の姿は相手に見えるだろう。

エミリー > 「……」

ゴロゴロ、ゴロゴロ…
フードで目元は隠れているが奇抜な車椅子と鎧で例の奴だとは分かる筈
いつもなら轢く勢いで迫る筈の車椅子はそのままタマモの前方を過ぎ去る
匂いどころか確実に視認できている範囲に近づきながら…

「……」

車椅子はそのまま街道沿いにゾス村へ進んでいく
静かに真っ直ぐに、ゴロゴロと車輪が音を立てながら

タマモ > 「…はて?」

通り過ぎていく姿に、軽く首を傾げる。
実はあの中身が別人で、押してる鎧も中身があるのかもしれない。
いや、うん、さすがに勘違いで恥を晒すような真似はしたくないものである。
確信を持てるまでは、静観の姿勢としよう。
どうやら、目的の方向も同じようだ。

「しかし、あの車椅子と言うのは流行っているのじゃろうか…」

ぼそりと呟く。
流行ってもいないし、別人でもないのだが。
ともあれ、自分もあちらに向かわなければ話にならない。
形的には後ろを付いて行く感じに、のんびりと歩いていき。

エミリー > 「……」

タマモの前を通り過ぎそのままゾヌ村へ
後についてくるタマモには反応を示さず数分も歩けば村へと到着
村の中では人が行き交い遊んでいる子供の姿も見える

「…ォ……」

車椅子が止まり小さく言葉を紡ぐ
後を着いて来たタマモであれば手に取る様に分かるだろう
森の中から湧いて出た死霊の群れが村に向かっている事に

「ァ……クゥ…」

その間も車椅子に座った女は言葉を紡ぐ
死霊を誘う呪歌を

タマモ > ふむ…軽く辺りを見回しながら、考え込む。
実は場所的に、結構良いところまで来ていたらしい、思ったより早く着いた。
…が、辺りのざわめきが耳に付いて仕方が無い。
村から聞こえる生活や賑わいの音ではない、別のもの。
霊には色々とあるし、普通に見えぬだけで普段は害は無い。
いや、あったらあったで色々と大変なのだが、それはそれ専門の連中がやって来るものである。
ただ、妙な違和感を感じるのは…自分だけだろうか?
…あ、ちなみに村の名前はゾス村であり、呟いたゾヌ村は名前をちゃんと覚えてないだけなのは秘密だ。

そんなこんなで村に着けば、では早速に宿を手配とかしなければ。
軽い気持ちで考えたいところだが、周りがそうさせてくれなかった。
周りの霊達の動きがおかしい。
そして、それは明らかに目の前の少女が起こしている事なのも分かっていた。
いつもなら、何の違和感もなく周りに纏わりついているだけなのはよく知っている。
なのに、今周りに漂う霊達は…それとは違う。

「………お主、何をしておる?
そろそろ、それを止めねば悪い事しか起こらんぞ?」

悪戯か、悪意か、後ろから見ているだけでは判断出来ない。
足を速めて少女の側に寄れば、手を伸ばし肩に触れて声を掛けた。

エミリー > 「キォ……ミァ…」

肩に手を置けば冷たい身体は振り返らない
その代わりに黒甲冑が大剣をタマモの腕に向けて振り下ろす
呪歌を紡ぐその声は近くで聞けばエミリーのものと確信できるか

「ハェ……グォ…」

集まる死霊の気配に動物達が騒ぎ始める
しかし村人はそれに気が付かない…むしろ大剣を振り回す黒甲冑に注目している
死霊達は生者を求め集っていく

「………」

呪歌を一区切り歌い終えタマモの方に視線を向ける
いつもの眠たげで、それでも輝いて居る瞳ではなく薄暗い黒と紫の混じった瞳
そこから読み取れる感情はただ…恨みだけ

タマモ > 「………最近は、妙な出来事が続けて起こるようじゃ…」

肩に手を置いても反応しない少女、聞こえる声から、その相手は確定している。
普段大人しかった甲冑も、自分を敵と認識したか大剣を向けてくる。
…まぁ、こちらは問題ない、一寸身を揺らし避けていく。
問題は集まってきている霊達だ。
明らかに感じているのは、悪意。

「困ったものじゃのぅ…あんまり面倒事は好きではないのじゃが…
何があったか知らんが、妾の目の前でやるべき事ではない」

向けられる瞳を見詰め返しながら、言葉を紡ぐ。
指先にうっすらと輝きを灯し、静かに流す。
輝きは宙に線となって浮かび続け、陣を形作る。

「…じゃからな、何をしたいが分からんが、こうさせて貰うからのぅ?
『お主等があった場所へ戻れ、妾が送ってやろう』」

浮かぶ陣へと力を込め、力ある言葉と共に解放する。
周囲には何の変化もない。
だが、見えるものには、集まっていた霊達が一気に陣の中へと強制的に吸い込まれていったのが分かるだろう。
送り先は…集められる以前に居た、各々の場所だ。

エミリー > 「………」

死霊が還っていく
その光景を見つめ…薄く口を開き

「ラゥ…エァ……」

呪歌を再び紡ぐ
再び村に向けて動き出す死霊達
歌で誘うエミリー本人を潰さなければいつまでも死霊達は誘われる
それこそ、死霊を全て消滅させるか
エミリーそのものを潰すかしない限り

黒甲冑はエミリーとタマモの間に立ち剣を構える
仕掛けてくる様子はない、エミリーを守る以外は何もする様子がない

タマモ > 「仕方の無い子じゃ…」

戻しても戻しても、呪歌で集められているようだ。
霊達をどうにかするのは簡単だ、それこそ、この辺り一帯の霊をまとめて浄化する事も出来る。
だが、呪歌によってのものであって霊達自体には責任はなく、それは一方的なものでやりたくはない。
かといって、目の前の少女を倒すのも…見知った者を悪戯に弄る事は出来ても、倒したりする事はしたくもない。
…ならばどうすれば良いのか?

「一度、落ち着くまで場所を変えるが良い。
…何の存在も無い、無間の迷宮へ案内してやろう」

少女へと向ける瞳が、赤味を帯びる金色から真っ赤な色の獣瞳へと変化する。
それに伴い、自分と、甲冑を含む少女の周囲に何とも言えぬ違和感が起こり…次の瞬間、その場から2人と一体の姿が消え去ってしまう。

送られていくのは、今あるこことは別の空間。
それが一体どういった場所なのかは…それを目にした者にしか分からない。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からエミリーさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からタマモさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にアランさんが現れました。
アラン > 山賊街道での依頼を終え、王都への帰り道。
陽は既に沈み、街道から少し外れれば暗闇が平原を支配していた。
赤い瞳で暗い平原を見渡せば、灯りが見える王都へ歩いていく。

「…おっ」

自分と同じように王都へ向かう馬車や人々のど真ん中に立ち止まり、上空を見上げる。
光り輝く星々とその中で一段と大きく、こちらを照らす月を眺める。

「今日は半月か。ちょっとふっくらしてるけど…」

興味深そうに今宵の月を眺め、そう呟く。
半月ではあるものの、少しだけ辺が丸み帯びており、ふっくらとしている。
王都へ向かう人々は迷惑そうな視線を彼へと向け、歩き去っていく。

アラン > 「あっ…すいません」

後ろから来た大型の馬車。その御者に怒鳴られ、道を譲る。
街道から退き、雑草が生い茂る場所に立てば王都へ向かう人々を眺める。
皆、何かの用事を終えて、或いは新たな用事があって王都の向かうのだろうか、などと考えつつ呆ける。

「はぁ……」

その場へ座って、街道を背にして平原と星を見渡す。
今までこのような自然には興味は無かったが、今になって眺めているのは心の変化だろうか。
それとも、何かに追い詰められていてストレスが溜まっているからだろうか。

頭を抱え、そんなことを考えながら時間のみが過ぎてゆく。

アラン > 辺りを眺めて数分後、立ち上がって地面に接した部位の汚れを払う。
溜息を一つ吐けば、街道へと戻りコートのポケットに手を突っ込む。

「いや、ただ疲れているだけだ…」

自分に言い聞かせるようにそう言えば、人々に紛れ王都を目指す。
身体を動かし、考え事をして今日は疲れたとため息を吐いて歩き続けた。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からアランさんが去りました。