2016/12/30 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」に獣魔さんが現れました。
獣魔 > 「クワークッルックッルッ!クワクワッ!!」
護衛僅かな馬車や隊商などを好んで襲い、時には冒険者や少数の騎士団さえ襲って身包みを剥ぎ、肉を喰らい、犯す魔物の群れがいる。
明確に言葉のやり取りや交渉が可能な野盗や追いはぎの類よりも欲望に忠実に好きなように殺し好きなように犯す性質の悪いなりそこないの群れ。
その姿はどれも統一感に欠け、ベースこそ似ている個体がいるが、そのどれもは何かしらの要素が混じり醜悪な姿をしていて、その上で各々がバラバラの獲物を携えた不気味な集団である。

森や山岳地帯を抜くように作られた喜びヶ原似存在する街道の一つ、その街道で今宵響いたのはそんな集団の獣魔達であった。
言葉よりも短く鋭くそれでいて性格に伝えたい事が通じる群れ特有の甲高い鳴き声、それが街道に木霊すれば今まで鳴いていた野犬や狼、梟や虫達の鳴き声はピタリと止まり、同時に凛と張り詰めた空気が街道の一帯を覆い尽くす。

木々の隙間に眼を向ければそこには無数の爛々と輝く餓えた瞳、色も形もばらばらであるが、どれもが獲物の到来を今か今かと待ち侘びている。
街道を包む夜の闇に星空の如く爛々と輝くその瞳の中で特に目立つのは他の瞳よりも小ぶりではあるが輝きの強い瞳の主達。

その若くも血気盛な獣魔達は他の個体よりも確かに小柄ではあるが、真新しい戦斧や錆び一つない穂先の槍等を構え、時折獲物が通りかからぬ苛立ちに石突で地面を抉り、鼻息を荒くしている。

――今宵は街道を通る不幸な旅人はいるだろうか?
それは誰にもわからない……