2016/02/15 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にイニフィさんが現れました。
イニフィ > 乗合馬車の停留所で一人、雑誌を片手にしかめ面をしていた。

つい最近、観光ガイドらしき羊皮紙に新しい都市の情報が載っていたのだが、
少々旅行へ行くには条件が厳しすぎる様子。
内容は悪くはない、悪くはないのだけれどもよそ者には少しばかり冷たい様子な印象で。

「さすがにここに行くには気が退けるわねぇ…。面白そうではあるんだけど。」

気軽に旅行できないとなると、こんな場所に興味などない。
羊皮紙を丸めてその辺に投げ捨て、カバンの中からお弁当のサンドイッチと、
港で手に入れた葡萄ジュースを取り出す。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にセリアさんが現れました。
セリア > 「――――よし。そろそろ解散にしましょう。各自十分に気をつけて帰るように」

ちょっとした演習――訓練の帰り。
馬車も行き交う辺りまで戻ってくれば、解散令を出した。
各々帰っていく部下達を見送りつつ、自分は周辺の見回りに移行する。

停留所に行き着いた所、見知った彼女の姿を目にした。
驚いたように瞬き近寄っていく。何分身につけているのは鎧ゆえ、歩く度に小さな金音が鳴る。

イニフィ > 「いただきまーす」

中身はタマゴサンド、港町で買ったものだが潮風がいい感じに卵に甘味を加えてくれるとのうたい文句だったので迷わず購入。
それを頬張り、そのる。農耕な味に思わず頬をにんまりさせる。
表情豊なイニフィは顔に出やすい。もうひとくちと頬張ったところで、効きなれない金属音。

鉄の音はそんなに好きじゃないのに、とそちらのほうを見やれば、これまた見慣れないもの。
首をかしげながら、その格好に騎士だという事を察知するとふいっとそっぽを向いた。


「…食事中なんだけど。お小言なら後にしてくれないかしら?」

よもや、その人物が知り合い、しかもかなり親しいものだという事には気づいていない様子。

セリア > どうやら食事中らしかった。そして彼女は此方の正体にも気づいていないらしい。
そっぽを向いているから思わず笑った口元にも気づいていないのだろう。

「――それは失敬。でもこんなところでお食事…だと、色々危ないわよ?」

笑み混じりに声をかける。
金属音をカチャカチャ、と響かせながら彼女の隣に腰を下ろして。

イニフィ > やっぱりお小言だったとばかりにため息。
膝に乗せたタマゴサンドを一つ平らげると、葡萄ジュースで流し込んだ。
確かに宣伝どおり、甘くて美味しいんだけど、お小言の後だとその味も少し薄れてしまった気がする。
鼻で大きなため息を突きながら、もう一つとタマゴサンドを手に取った。

「なにが危ないのよ、ここは街道でしょ?
そういう危ない相手こそ、騎士さまが何とかしてくれるんじゃないの?」

等と、お小言には耳を貸す様子もない。

…にしても、この騎士様どこかで聴いたことのある声だなと思い始めていた。
そう、この親しみやすさとか、確実にどこかであった気がするんだけど…。

セリア > 声を耳にしても、すぐには思い出せないらしかった。
笑って被っていた兜を取り、その白銀の髪を外気に晒す。

「そうね。でも今は私一人だから…さっきまで仲間がいたんだけど」
「……まだ思い出せないかしら?イニフィ」

言うと上半身のアーマーを外す。いつもの通り、ノースリーブの服装が現れた。

イニフィ > 「…………えっ?」

名前を呼ばれた、そのことに思わず素っ頓狂な声が上がった。
騎士に知り合いは少ないとは言えた鹿にいるけども、この声の主は…。

「…ちょっ、なんだセリアじゃない!鎧なんか着てるからわかんなかったわ!
もう、人が悪いわねぇ。それならそうとなんで早く言ってくれないのよ。」

さっきまでの不機嫌はどこへやら、笑顔になると隣に座っているセリアに近寄った。
以前、町で迷子になっているところを助けてもらい、その後お話を重ねた騎士とあれば話は別である。

セリア > 「そうねぇ。いつ気づくかな、って思っていたのだけれど」

近寄られれば此方からも距離を詰める。
いかにも楽しそうな笑みのまま会話を一つ、二つと重ねて。

「何でこんなところに?旅行の続きか何かかしら」

今いるのは馬車の停留所。また別の街に移ろうと考えているならば納得も行くが。

イニフィ > 思わず、笑いながら「意地悪」とぼやいた。
勿論悪い気なんかしていないし、それが「友達」ならば当たり前のスキンシップだ。
距離を詰められれば、そっと手を重ねたりもしちゃうかもしれないけど。

「ん、まあそんなところ。しばらくダイラスに滞在してたんだけど、そろそろ別の場所に行こうかなってね。」

最近話しに出始めた北のほうに行こうかと思ったけれど、アソコはよそ者には厳しい。
野で、どこか別な場所にでも風の向くままに行こうか、と考えていたところだ。
次に来た馬車がダイラス方面以外に行くならば、それに乗るつもりで。

「セリアこそ、一体どうしたの?
鎧を着けてたってことは、何かこのあたりで戦でもあるの?」

どういえばさっき、危ないとか言っていた。
こんな街道のど真ん中で、危ないという言葉が出るという事は大きな戦いでもあるのでは、とかんぐってしまう。

セリア > 重なる手を此方からも握り返して――「友達」としてのスキンシップ。
小さなぼやきには笑いながら「ごめんね」と返す。

「そう。なら今までよりは会いづらくなるかしらね」

残念そうに眉下げるも、止めることはせず。
そして問われれば今まで自分が身につけていた兜やら、鎧の上半身やらを見ながら。

「あぁ、ちょっと演習――というか、訓練をね。その帰りにイニフィとこうして会えたってわけ」
「特に戦いとか、大事は出てきてないわよ。今のところ」

イニフィ > 「あははっ、そんなことはないと思うわよ?」

どういう意味かは推して知るべしと言うところだろう。
セリアには、その意味がよく分かっているはずで。

「あー、そっちか。それなら私も猛しばらくは安心して旅行できるわね。
…で、セリア?今からまだ何か訓練でもあるのかしら?」

なんだったらとすこしだけ含みのアル言い方でごまかしている。
自分としてはこのまま、セリアに「恥ずかしい思い」をしてもらってもいいわけだが――――。

その含みは、彼女の「甘い香り」が物語るであろう。

「…ね、ちょっとお話しない?」

セリア > 「……そうね。安心したわ」

よくわかっている。含みのある笑みと共に肯定した。
すると――鼻先を擽る彼女の甘い香り。

「……いや、あとはもう帰るところよ。…ええ喜んで」

重ねる手を軽く握って「お話」を了承した。
「……なら、二人きりになれる所に行かなくちゃ。ね?イニフィ……」

イニフィ > 元々風のような性格だ、どこにいるかなんて確定できるものではない。
彼女と会えない日々があるかもしれないけれども、それ以上に。

甘い香りをだしながら、次の馬車を乗り過ごすことにする。
何しろ彼女とは先日もそうだったけど、愉しいお話をしたいのだから。

「あははっ、仲間を放っておいていいのかしら?
でも、ま仕方ないか。」

そんな軽い冗談でほのめかしながらゆっくりと立ち上がる。
そっとセリアの手を取り、奥の茂みを指差して。

あの場所なら、表通りからも遠い。見られる心配はなさそうだ。

セリア > 風のような性格なのは、話しているだけでも何となくわかる。
それを止めはしない。一介の王都の騎士なのだし。

彼女とのお話は、此方としても愉しい。
何度でもしたいとすら思える。

「仲間は一足先に帰ったわ。だから心配なし」

指差された茂みに目を遣る。頷き、彼女と共に其処へと向かおう。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からイニフィさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からセリアさんが去りました。