2016/01/21 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にティネさんが現れました。
ティネ > 街道沿い、生い茂る背の高い草によりかかって(それぐらいにティネは小さい)、
何度目かわからないため息を付いた。

遊覧飛行中にカラスに見つかって襲われ、
なんとか逃げおおせたのはいいが、背中の羽根がもげてしまったのだ。

「誰か親切な人かトロい人が通りかかってくれないかなぁ」

王都までは結構な距離があって、陽は落ちかけ。
鼠ほどの大きさだが俊敏さは鼠に遥かに劣るティネにとって、
羽根を使わず徒歩で王都まで赴こうとすれば陽は完全に落ちてしまうだろう。
そうなると大変困る。

親切な人にはあまり期待していなかった。
トロくて、しかも自分が『視え』ない人間であれば、
適当にしがみついて運んでもらおうという考えである。

ティネ > まだ夕暮れであるが故に呑気にも構えていられるが、
夜ともなれば視界は真っ暗になるし飢えた野犬や魔物もうろつき出す。とても危険だ。
時折馬車は通りかかるがあれは早すぎてどうにもならない。
このまま丁度よさそうなのが通りかからなければ自力でなんとかする方策を考えなければならないのかもしれない。

人間であったときもこの街道を歩いたことはあるが、
こうして低い背丈だとまるで別の世界である。
自身の視界には誰も見受けられない。
しかし決して静寂というわけではなく、草が風にこすれ合う音、
虫どもが肢を動かす音、そしてどこかからの獣の息遣い、そういったものが聞こえる。

ただ座っているのにも飽きて、てくてく、と王都に向かって歩いては見るが、
ほとんど距離の縮まるはずもない。