2015/11/17 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にミリシャさんが現れました。
■ミリシャ > 夜の街道。最近は戦争が起きたせいで人通りが少なめである。戦士と呼ばれるものは皆、特需で剣を振るっているのだろう。
それ故、魔族にして魔物使いたる少女はのんきに焚き火をしていた。――野営というやつだ。街で買ってきた干し肉を鍋の中に入れ、くつくつ煮こむ。
ぱちぱちと薪の爆ぜる音がして、少女と、その後ろに丸まっている大猪の魔物を焚き火の赤が照らしていた。
「えへへ、ボアちゃん、もうすぐご飯できるからねー。ふふ、街で買った結構良い干し肉だから、味もいいんじゃないかな」
母から教わった料理とは違う、野性味溢れるクッキング。それは、少し前に冒険者達の手元を見て盗んだ技術だ。
肉のスープは少しずつ味が出てきた様子。そこに適当に採ってきた野菜を突っ込み、コンソメのかけらで味を整えた。
滋味の有りそうな匂い漂う中、くぅ、とお腹を鳴らして
「っと、ボアちゃんの分はちょっと冷ましてあげるから、もう少し待つんだよー?」
にっこり。すっかり仲良しな1人と1匹は、幸せそうに夕食を楽しんでいた
■ミリシャ > 出来上がった煮込みのスープを深皿と平皿に盛り付ける。平皿の方は、少女が食べる分以外全部を乗せたような形だ。
代わりに少女の皿の方が汁気が多い。スープ部分が少女のもの、肉多めなのが魔物の分のようだった。
「――いただきまーす♪えへへ、ボアちゃんも食べていいよ、冷めてると思うし!」
両手を合わせてご挨拶、そして、スープを一口すする。
肉の塩味にコンソメのコクが混ざり、程よく味を整えているのが分かる。
乾燥していると固めの肉も、こうして火を通せばほぐれるほどに柔らかい。
はぐ、はぐ、と滋味あるスープを飲みながら、魔物の毛皮を背もたれ代わりにして
「ん、お野菜も美味しいね、柔らかいし――♪」
んぐ、はぐ。主食はパンを2つほど、なんだかキャンプのようで楽しい夕食である
■ミリシャ > 食事終了。満足行く料理だったと思う。特に玉ねぎはくったり煮こまれていて甘かった。
肉の旨味も十二分で、適当に入れてみたセロリも火を通すと戦意が程よく柔らかくなって美味しかった。
「ふふ、こういう料理、たまには良いよね――ふふ、あ、ボアちゃん、今日はここでお泊りだから、のんびりしててー」
普段は食後になると、背中に乗って移動することになるのだが、今日はここで野宿の予定。
誰か来たなら火を分けてあげても良い、と思う程度に今日の少女は寛容で上機嫌だ。
とはいえ余り通り掛かる人も居ないだろうから、来たら退屈しのぎ、という程度の期待度だった。
■ミリシャ > 火の揺らぎだけが照らす世界。次第に少女はほわほわとした眠気に包まれていく。
食後の満足に、好きな子の体温、そして何より、日頃の疲れと焚き火の癒やし。
それら全てが少女を少しずつまどろみに引きずり込んでいく。
「……ん、ボアちゃん、もっと近く……一緒に、寝よ?」
甘えるように抱きついて、毛皮に埋まりすやすやと寝息を立て始めるのは、その声から直ぐの事だった――。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からミリシャさんが去りました。