2015/11/14 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にエレミヤさんが現れました。
エレミヤ > 乗っていた馬から降り、手近な木に繋いで一休みして微睡んでいたのはほんの数分の事だった。
――否、数分だと思っていただけで実際はもっと時間が経っていたのだろう。繋いでいた馬はいつの間にか、忽然と姿を消していた。
ロープを切られた後は無く、繋ぎ目が緩かったのだろうとは想像に容易い。

「うっ…うう…っ……ちょっとだけ、ちょっとだけ休憩するつもりだったのに…!」

何故こんな事に。そう、悲痛な叫びを少女以外誰もいない街道へと響かせ。

エレミヤ > ここ最近、いつも以上にツイていない気がする。少女は思う。
そう、ここ数日の出来事を思い起こして、思い出さなくても良い記憶までをも思い出し、羞恥にか怒りにか一気に顔へと熱が集中する。
記憶を掻き消すように慌てて自身の両頬をぺちぺちと叩き。

「……あ、あれは忘れよう…忘れるんだ…忘れた…忘れ……、ううう…!!」

呪文のように唱えた所で記憶からさっぱり消去できる筈もない。
神殿から追放されなかった事が幸運だったのだ――けれど、自分の意思では無かったとは言え、あんな事を、あんな教えに背くような事をした癖に、黙っているのは酷く気が重い。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」に魔王ルシファーさんが現れました。
魔王ルシファー > あー....歩くのだるい.....、もう羽使うかー.....(少し、外の空気を吸うかと外に出れば王都から離れた平原へ。流石に富裕地区からここまで歩き疲れたか背から小さい羽を生やし、パタパタと宙を浮く。他の天使や悪魔とは違い、この羽で高速に飛べるというわけではないが、ゆっくり散歩(?)をするには丁度いいスピード。最近は魔王としての仕事も滅多にせず、自室でボリボリお菓子を食べるだけの生活。そのせいで体重が、なんてことはなく、細身の堕天使は街道に沿って飛んでいく。陽は大分落ちてきているので、奥まで行ったら帰るかと考えてはいたが、周りに誰もいないはずの街道。その先に1人の少女の姿が)おっ、いいこと思いついちゃった...(ニヤリと悪戯心が働いたか、気配を消し、背から生えていた羽は小さいものから大きいものへ変わっていく。そして、高速で少女の後に回れば大きく息を吸い込み)がおーッ!!食べちゃうぞー!!(街道に響き渡るほどの大声。少女を驚かすためだけに発した声は、下手したら王都まで聞こえるかもしれない)
エレミヤ > 街道の端でうなだれていた矢先、不意に後方から上がる声。
声と言うには辺り一帯にも響かんばかりの声量のそれは、少女の精神を、思考を揺さぶるのに十分だった。つまり、とても驚いたのだ。思考を巡らせられない程に。
普段にはない反射速度で背中に担いでいる杖を器用に引き抜き――

「いやああああああああ!!!!」

遅れて出て来た悲鳴と共に杖に嵌められた宝石が青白く光を放つ。バチバチッ、と何かが弾ける音がして、次の瞬間、少女を中心に波紋の様に広がる強力な電気を帯びた衝撃波。
雷を纏った鋭い衝撃波は無論、避けられなければ相手にも直撃してしまうだろう。

魔王ルシファー > ぎゃぁぁぁぁぁ!?(少女を脅かすつもりで発した声、それに反応する少女の動きが速すぎたのだ。背中に担がれた杖を向けられ、立場逆転。驚愕の声を上げながら地面へ尻餅を付く。そして、少女の口から遅れて出た悲鳴と、その直後に放たれた雷撃)ちょ、っと....ぁ......(波紋のように周囲に広がる雷撃波。それを華麗に交わし、なんてことはなく真正面から直撃すれば吹き飛ばされ、後ろに生える気に背中から衝突する。プスプスと髪からは煙が立ち、ゴホゴホと咳き込みながら立ち上がり、少女を見つめればニッと笑い)いやぁ....、今の凄いね!びっくりしちゃった!(あれほどの攻撃を受けたのにも関わらず涼しそうに微笑む元天使。ゆっくりと少女に近づけば少女に手を差し出し、ごめんごめん、ほんとに食べたりしないから心配しないでと苦笑いを浮かべて)
エレミヤ > 振り向くのが怖すぎて相手が何なのかも確認しない儘に、自身から遠ざけん一心で放った魔法。
そして、ドッドッドッと心臓が早鐘を打ち始めている。
それは恐怖からではなく、相手が人語を繰っていた事実を認識して、「やっちまった…」状態だからだ。恐る恐る振り向けば、煙を上げてはいるものの何だか元気そうな女の子の姿が。

「えっ…あれ…?えっ…。」

軽く混乱している。
差し出される手と、相手とを交互に視線を向けては困惑した顔を浮かべ。

「えっと、えっと…し、死んでないですか…?ちゃんと生きてます…?」

聞いた。思わず。

魔王ルシファー > あははっ、面白い事言うなぁ(ちゃんと生きているか?と訪ねられればお腹を抱えて笑い出す。その笑顔はまるで無邪気な子供。目に涙を浮かべながらしばらく笑い続けていたが、その笑いもそのうち消え、手を大きく広げ身体を一回転させればニコッと笑い)私は生きてるよー?あれくらいじゃ死なないさっ!(異常に混乱している様子の彼女を見つめ、そんなことを口にすれば、私、これでも悪魔だものっと猫耳のフードを揺らしながら背中から生える小さな羽でパタパタ宙に浮き)
エレミヤ > 健常そのもので上げられ続ける笑い声にぱちくりと瞬く瞳。然し、元気であるならそれに越したことはないのだ。うっかりで間違えて人間を丸焦げにしてしまいました、おわり、では済まされないのだから。
ほ、っと一息吐いたのも束の間、続けられる言葉に先よりも大きく見開かれた少女の双眸。何を言われているのか、一瞬分からなかった。

「え…?――――悪魔!?」

遅れて数秒、理解して彼女から距離を取って杖を構え。

魔王ルシファー > おっとっと...、私は何もしないよー...?他の悪魔たちみたいに悪さなんて滅多にしないよー。しても、悪戯くらい!(悪魔ということを知ればこうなるかと、心の中で納得はするが、富裕地区の近所様達は自分が堕天使、つまり悪魔だということを知ってよくしてくれる。だから、目の前の少女もちゃんと話せばわかってくれるだろうと言葉を紡いでいく)そ、それに、もし私が君に危害を加えようとしてるならさっきの、驚かすだけじゃ済まさなかったよ...?(そうでしょ?と少女が構える杖を掴み、下ろせばニコッ笑顔を見せる。これで説得できなければ逃げるしかないが、これほどの魔力を持つ彼女から無事逃げられるだろうかなんて心配してみたり)
エレミヤ > 滅多に。ツッコミを入れようとして、悪戯位、と続けられた言葉を聞いて押し留まる。悪戯、悪戯――さっきみたいな、だろうか。
半信半疑、目の前の女の子をじい、と見詰めていたものの、重ねられた弁明に小難しい顔をした。今、少女の内心はなるほど、と言う納得とだまし討ちかも、と言う二律反で鬩ぎ合い――下ろされる力に抗わず、構えを解く。

「―――も、もし悪いことしたらお仕置きですからね…!」

びしり、指さして宣った。

魔王ルシファー > (暫くの沈黙。ニコッとした笑みを絶やすことのない元天使の瞳には目の前の少女の心がいとも容易く見ることができた。意外と疑い深い子だなぁなんて心の中で思い、思わずクスッと笑ってしまう)あぁ、君みたいな正直な子、この数万年で久しぶりに見たよー(クスクスと、まるで面白いものを見る子供のように、笑が耐えない。そして、どうしても信じられないのなら、信じてくれるように君のいうことを何でも聞いてあげようと人差し指を少女の唇に添え、可愛らしくウインクをする)あははっ、お仕置きかぁ...。君みたいな可愛い子にされるお仕置きならお姉さん大歓迎だよっ(冗談めかしくそんな言葉を吐き、随分と機嫌がいいのか小さな羽はパタパタと嬉しそうに羽ばたく。しばらく少女の周りを浮遊しながら次の少女の言葉を待ち)
エレミヤ > 正直な所、目の前の彼女が悪魔か否か、と言うのは然したる問題ではない。国の成り立ちを齧り知り、戦乱の世に生まれ、国を滑る王に連なる人に仕えている身なのだ。人間同士ですら争い合う、そんな事を既に知っているが故、相手の種は関係なかった。あるのは王国に連なる身か、否か。それだけだ。
少女の中に根付いた意識であるが故、それは表層には出なかったけれど。
相手の挙動にびくりと肩を跳ねさせたのも束の間、冗句めかした台詞にはぎょっとした顔を浮かべ、

「歓迎されたらお仕置きじゃないですよ…っ!?」

それは困る。いや、悪い事をしなければ良いだけなのだが。
それから暫く、彼女と探り探り、会話をなして王国への帰途を辿る事になるだろう――。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からエレミヤさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」から魔王ルシファーさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」にミリシャさんが現れました。
ミリシャ > 大きな影が街道をノシノシと歩いていた。捻くれた牙、ふかふかした体毛、そして何処か愛らしい鼻。
――それは巨大な猪だ。ラージボアと呼ばれる大型魔物。初級~中級冒険者達の相手にして、なかなか美味い肉と毛皮を持つ存在。
普段は森の中に済んでいるはずの其れが、街道の石畳を歩いている。のんびりとした足取りで。

よく見れば、その背には少女が乗っていた。露出度高めのドレスを纏い、ふかふかした背中に体を埋めている。
――温い。下手な布団より上質な毛皮を存分に味わいながら、少女は上機嫌だった。

「ボアちゃん、も少し行ったら休憩しようか。よーしよし、お前も疲れたろう?でもでも、歩くの疲れるから助かるよぅー」

朗らかな声。街道沿いには泉が見える。そろそろ喉を潤すのも悪くはない。
どう、どう、と少しずつ泉にボアを誘導しながら、畔で小休止。夜気に冷えないように、毛皮に包まれて、もふもふする。

ミリシャ > 泉の畔に猪がうずくまり、やがて水を飲み始める。その背中から滑り降りると、少女もまた、猪の隣で水の中に手を差し込んだ。
冷たい水は澄んでいるが、体感的に生水を浄化しないで飲むのは危険と知っている。故に少女は金属製のカップを取り出す。
同時、懐を弄り、取り出すのは種のようなもの。水をカップに波波と汲み、ぽちゃん、と摘んだ種を落とした。
カップの中に落ちた種は綻ぶように溶け、代わりに水が濃い紫色の液体に変わる。さながらワインのように。
先の物品は、少女が得意の圧縮魔法で作ってみたワインの種だ。水に入れると、其れがそのままワインに変わるという塩梅。
出来上がった甘めのワインをちびちび啜りながら、ボアの牙に乗る。そのまま空中に打ち上げられ、背中に収まる寸法だ。

「よぅし、いい子だぞー。ふふ、それにしても誰も居ないねぇ。遊び相手がいなくて退屈だよ」

むむぅ、と街道を眺める。夜の街道は魔物がはびこる世界だ、人がいないのも当然。
だというのに少女は、つまらない、退屈だ、と不平をこぼしていた

ミリシャ > 待てども誰かが通る気配すらなく、少女はむむぅ、と憮然とする。
そんな少女を慰めるように、猪が鼻を寄せて擦り付いた。
その様子に微笑むと、そっと鼻先にキスをして

「ごめんごめん、お前と居るから退屈じゃないよ。それじゃ今日は、お前の毛皮の中を借りるよ。温かいからいい夢見られそうなんだ」

微笑みかけると、そっとその背中に上がり、ふわふわした豊かな毛皮にくるまった。
秋も深い頃合いだが、彼の毛皮は非常に暖かく、ゆっくりすやすやと寝られたのだとか――。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道」からミリシャさんが去りました。