2021/03/08 のログ
ご案内:「夢幻窟」にリュシーさんが現れました。
■リュシー > (『単なる暇潰しだから』―――と、某悪友は言った。
己にしても、元来、好奇心は決して控えめなほうではない。
どんな夢を見せてくれるのかは知らないが、夢は夢である以上、
現実には何の影響もないはずだから―――という、ささやかな計算も働いた。
かくして、最新型だという魔導機械に繋がれ、久方ぶりの軽率な行動。
深い眠りに落ちたその先に見たのは、どこかの牢屋、のような、
暗くて湿っぽい、不穏な空気の満ちる場所。
そこに、ドレス姿の己は乱暴に叩き込まれ―――部屋の奥の暗がりから、
地を這うような誰かの声がかかる。
曰く、『お前がバーゼル公爵の大切な一人娘か』と―――。)
え、……いや、えー…と、……大切かどーか、は、うーん…?
それに、娘っていうのは、あの、
(困惑気味に顔を顰めて返しかけたが、何かがおかしい。
暗がりの中に沈む誰かは、己を、生まれついての貴族令嬢、
バーゼル公爵のたった一人の娘であると、認識しているような物言いで。
父親の政争相手本人か、それとも、その人物が雇った何者か、
あるいは単に、貴族の娘をどうこうしようという悪党か。
とにかくこれは、どうやら―――己が女として生まれていたなら、
いつか、どこかで遭遇したかもしれない、誘拐劇の場面。
当然のように、純潔であると信じられているようで―――ついでに、それを狙われているようで。
これは誰の願望か、恐らく、くだんの悪友が一番怪しいが。
無骨な手がドレスの胸元を掴み上げ、半ば吊るされそうになるに至り、
思わず、うわあ、と顔を引き攣らせた。)
ちょ、待って、これ、待って……、
―――――おい、見てるんだろ、お前ぇ、っ、
コレ、止めろ、趣味悪すぎるだろ……!
(まだ、今なら引き返せるはずだ。
処女喪失にまつわるトラウマを、ひとつ、余計に増やされてはたまらない。
なんとかこの場から逃げ出そうと、必死に声を張ってみたが―――。)
ご案内:「夢幻窟」にルヴィエラさんが現れました。
■ルヴィエラ > (同じ娼館の経営者として、其の仕組には興味を惹かれた
魔導機械、と言う技術は元より専門ではなく
其の様な物を、この様な目的で導入する等と言った発想は凡そ
魔族よりも、人間側でこそ培われたモノだと思っている
元よりハイブラゼールでの、己が娼館の知名度故
見学に、と伝えれば、比較的すんなりと案内を受ける事が出来た
勿論、其れまでに繋いで来た貴族達への人脈が奏功したのも有るだろうが、兎も角
―――成程、此れは確かに。 "良い趣味である"と言わざるを得ない。
既に利用しているらしき者の様子を、此方は更に遠巻きで眺めながら
果てさて、彼女達の夢の中へ映し出されている其の様相を
投影される映像にて暫し眺めていた、が。)
「――――――…………此れは、夢であるのだね?」
(ふと、事前に受けた説明を思い返しながら、腕組み
夢の中で陵辱…割合、トラウマを受け付けかねない状況で
今にも襲われそうになっている娘を見守ってから、ふと、繋がれている娘の側へと寄って行けば。
――次の瞬間、夢の中で、娘の胸元から、ひょっこり顔を覗かせる、黒蛇の姿。)
「―――――……おや、矢張り普通の夢の様には行かないね。」
(成程、と何か納得した様な声で、娘の良く知る声が響く筈。
もし此れが現実であったなら、暴漢に対して多少なりと脅かす事も出来たろうが
さて、夢の中だと如何だろうか。
もし、付き添っているらしき"悪友"が、同じ様に夢の中へと入り込んでいるなら
或いは、少しは驚いてくれるのかも知れない、が)。
ご案内:「夢幻窟」にリュシーさんが現れました。
■リュシー > (それは、あくまでも人間が―――つまり、本来そうした力を持たない者が、
ひとときの夢に興じる、そのための機械であるといえた。
ヒトならざるもの、しかるべき力の持ち主であるなら、小細工を弄する必要はない。
だからつまり、やはりこれは、人間によって仕組まれた、悪趣味な戯れ、
―――――ということなのだろう。
相応の金が動いていることは確実であるし、だからといって、
それなりの人脈を築いている者が申し出れば、まあ、見学くらいは容易く許される。
眠る己の頭に嵌められた、不可思議な光を放つ金環――――
そこから発せられる力よりも、より強い力を持つならば。
夢に干渉する、それすらも、容易いのかもしれない、が―――――)
え―――――― や、……あ、っあ………!!
(不意打ちで割り込んできた、第三者の意志に。
その象徴とも呼ぶべき黒蛇の出現に、恐らく本来の仕掛け人は大いに驚き、
操る手許を狂わせた、のだろう。
暴力的な出力でもって、それこそ普通の人間であったなら、
脳に損傷を受けかねないレベルで―――――目覚めさせまいと、支配権を譲るまい、と。
そんな力を、一身に浴びた己は、といえば―――――零れ落ちんばかりに目を見開き、
現実に置かれた身体までも、がくん、と大きく仰け反らせて。)
や、やめて――――… 怖い、いや、あっ、
たすけて、…… お、とう、さ ――――――――――!
(ふつり、刈り取られたように途絶える意識。
その寸前、高く掠れた声で呼んだのは、どちらの『父親』を指した言葉か。
けれども、とにかく、明らかに―――――膨大な量の『力』が、
そもそも『夢』を見やすくするため、相当量の薬を焚かれ、嗅がされていた身に、
何らかの、重大な影響を与えた様子。
現在の己にとって、創造主とも呼ぶべき相手であれば、その兆候を察知することも叶うか。
夢の中で覚醒を促すか、現実の身体を、目覚めさせようとするか。
どちらを選ぶかは、誰が真っ先に動き出すかにもよるだろうが―――――さて。)
■ルヴィエラ > (ひとつ――其れが人間基準の知識、前提で作られた代物なら
そも、其れ以上の力で以て捻じ伏せられるという状況なぞ
初めから想定はしていないのだろう
無論、外部からの侵入に対する防御策自体は確りと機能していた
其れ故の、忍び込ませるには一番容易い黒蛇姿であり
本来であれば、其の儘の姿で入り込みたかった所
――さて、何故娘がこんな場所へと訪れていたのか
別に其の理由自体は何だって構わないのだが、現状は気に入らぬ
娘が望んだならばまだしも、そうでないのならば此れは罠でしか無い
無論、悪魔で己が目的は少々の忠告程度であった
娘の交友に口を出す心算もなく、多少の"おいた"程度で怒るほど狭量でもない
だが――其れが、度が行き過ぎたならば、話は別だ。)
「――――――………此れはいけないね。
済まないが、少し割り込ませて貰う。 文句ならば後で聞こう。」
(其れは――何処かで様子を見ているかも知れぬ、館の主へと向けて
娘の胸元、ふわりと浮き上がった黒蛇が、歪に膨張し始め
次第に人の形を象っては、娘の身を抱き上げる
易易とは壊れぬだろう魔の肉体よりも先に、精神を掬い上げたなら
――娘へと、口付ける。
夢の中で、そして――現実、で
口付けと共に其の身へ、淫魔であり、夢魔である自らの力を流し込んで埋め尽くし
娘に影響を与えんとする"力"を、二つの側から、一時とは言え制圧しては
娘の破滅を、破壊を、護りながら、目覚めへと促すだろう
金の輪を、無理やり外さぬのは、其の方が悲惨な影響を及ぼしかねぬ故に
娘が、完全に覚醒め、まぶたを開いたならば、其の時にきっと、娘自身が外すだろう
ただ――夢と、現実に割り込んだ反動は間違いなく娘に影響を残す
過剰な魔力の飽和が、娘に刻まれたモノを暴走させかねぬ
現実と、夢から連れ帰った娘、二つ分の不安定さを以て。
――危険な行為、果たして此れが本当に"友人"の仕業なのか
夢の中へと取り残された仕掛け人は未だ、覚醒めぬ儘だろうが、果たして)。
ご案内:「夢幻窟」からリュシーさんが去りました。
ご案内:「夢幻窟」からルヴィエラさんが去りました。