2020/11/03 のログ
ご案内:「夢幻窟」にアイゼンさんが現れました。
アイゼン > 【BL・MLにより閲覧注意】
アイゼン > ハァ――…ハァ…
白く漂白されたシーツの上で、疲労によるものでない息を上げながら腰を打ち付けていた
動物のように四足になってうつ伏せる相手の腰を掴む掌に感じるのは、若い時分には筋の張り見事だったであろう男の大殿筋
自身よりは幾分は年重だろうか。脇腹を摘めば深いところに固い脂の存在が主張する
岩のような尻を突き上げる男に、自分を突き入れる。
引き抜くと粘りつく腸壁に舌打ちしたくなった。あまり好きに捻じ入れていると裂けるのだろう
頃合いを見て相手の歪な背中にのし掛かり、その重い腰回りに腕を巻きつけて、脚の付け根に手を滑らせると、その性器をたしかめた。
固さに、その熱の高さ、薬指で撫でた陰嚢の縮みあがり具合―――頃合いだ。
枕に顔を埋めて鼻息を漏らす相手の肩を掴み、指先をめり込ませて引き上げ、ベッドの上で仰向けに返した。

アイゼン > 「いいか、目を瞑るな。果てるときは俺の顔を見ながらだ。目を瞑ったら、もうお前とは遊んでやらない」
すでに目を潤ませて目尻から珠のような涙を零さんとする相手。片手でその顎を包み、頬を挟みあげる指に力を籠める。そして相手の膝に割入り、腰を起こさせて腸壁の陵辱を始める。
果てさせる。それは天に昇ると比喩されるが、いまは地獄に突き落とさんかの勢いで上から腰を叩き込む。顔は寄せて口づけが暴発する距離、視点がぼやける寸前だ。振動で視線が交わしづらい。
掴んだ指に痛みが乗る程に力を込め、縦に伸びて開く相手の口蓋から音が発せられなくなれる
急ぎ陰棒に手を伸ばせば脈動が始まっていた。打ち付ける腰を深く挿し入れたところで止め、射出の拍動に揺れる相手の顔を凝視していた。

「これで、果てるときは俺の顔がちらつくようになる―――俺でしか果てることができなくなる」またお越しください、この夢幻窟に。男娼のアイゼンがもてなそう。と愛想にしては禍々しい笑みで口づけを落とし、今日の客を腕の中に包み込んだ。

アイゼン > ふぅ―――
夜の街にに紫煙が撒き散らされる。男娼の稼ぎを懐に収めて、客から送られた細い葉巻の先を赤熱させていた。汗をかくほどに体を使ったせいか、黒い外套も今は肩に引っ掛けて。

歓楽街は隣との教会が迷子になるほどにひしめく店々。そのどれもが大仰な看板を掲げている。
夜も更ければ、大通りから溢れてきた人の流れは、この俗通りで澱み溜まっていく。
それは、蜘蛛糸に囚われたか、あるいは極彩色の店明かりに集う羽虫かのように。
身を膨らませて暖色を宿す提灯が、人の目の高さに乱れ吊り下げられ、
それぞれが下に垂らす長い垂紙。そのいずれもが歓迎を示す言葉が多角の異国文字を描かれている。飾り線も含めて、見ようによっては異国の魔法陣のようだ。

アイゼン > 短くなった煙草が唇を焼く程に短くなると、建物の壁に擦りつけて赤熱を消し、街路に歩みを投じる。この通りの外套は、夜の空を薄ら明るくするほど焚き上げているくせに、足元は暗い。
「―――よくできてる」
俗店の明かりは人々の視線を集め、その顔を上向かせることで、地上の汚れは闇に溶かす。
そんな毒明かりから目を護るように、フェルト帽子の鍔先を沈ませた。
足下は闇が広がり気を紛らわせることができない。物思いは自然と自分の内側へと向かう
雑踏を割り進む肩。風にのって猥雑な声が撫でる頬。夜色に沈んだ街路の石畳を渡る靴の音が止まる

「子供でも買いに行くか―――笑顔のあどけない男の子がいい」
稼ぎによる懐の厚さは何の風よけににもなりはしない。今は肌の熱を求めて、鍔先を持ち上げて瞳にに猥らと奮りの明かりを灯し、踵を返して人の性業が吹き溜まる街へと溶けていった

ご案内:「夢幻窟」からアイゼンさんが去りました。