2019/05/25 のログ
ご案内:「夢幻窟」に幻燈海月さんが現れました。
■幻燈海月 > 今宵も変わらず幻燈海月がその透明な柔らかな肉厚の傘に未知なる世界の映像を映し、その利用者を待ちわびている。
肉厚なるその透明な傘に写る映像は何時ぞやと同じ黒い鎧を着た騎士が荒野に立つ姿であり、以前と違って今度は背景が荒野から闘技場へ、闘技場から草原へとゆったりとした速度で切り替わっている、つまりは一夜で新しい展開に物語がすすむようにしたらしい。
荒野の時には利用料金の説明が、闘技場の時には簡単なストーリーが草原が背景の時には「物語を始める」「他の幻想を楽しむ」と選択肢が表示される。
真っ白な壁と床と天井に囲まれた部屋。
その中心に存在する夢を見る為に身体を預ける革張りの椅子と、その幻燈海月が鎮座する木製のテーブル。
今夜はテーブルには果実が一切れ沈んだ高価なガラスの水差しと薄く作られたグラスがおいてあり、直ぐ傍には達筆な文字で「物語を夢見る前にどうぞ」と書かれている。
水飲んで喉を潤してから物語を始めるも良し、物語は止めて夜空を飛翔する夢や水の中を何処までも堕ちる夢を見るもよし、お客様が望むがままに夢を見せる魔導機械はその時を待って静かに映像を流し続けるのであった。
その様子を別室で技師や暇な従業員が見ている。
客人が何か有れば動くのはそんな彼らである、ので多少の覗きくらいは免除されているのか、覗きを止めるものも咎めるものもいない、映像の角度からして真っ白い部屋には安全性を考えて幾つも見えない小さな使い魔が飛んでいるのだろう。
■幻燈海月 > 時間だけが過ぎていくし、幻燈海月を動かすのに使う魔力だけが無駄に流れていく、時々その流れに変化があるが、それは誤差なので気にしない事にし、部屋を覗いている従業員達は指示があるまで暇そうに各々好き放題に遊び始めるのだった。
時々予約や使用予定を確認しつつ、だ。
流石に客人が来るのにこんなだらしない姿は見せられないと、自覚はあるようだ。
ご案内:「夢幻窟」から幻燈海月さんが去りました。