2023/05/28 のログ
ご案内:「ル・リエーの水遊場」にプリシアさんが現れました。
プリシア > 水遊場では更衣室で水着に着替えるけど、先に家で水着を着て来た方が楽だよ。
友人の1人がそんな事を云っていた。
そうした話を聞いてみたのなら、試してみようとも思う事も在る訳で。
何人かの友人と一緒に行こうとの話が持ち上がった其の日、早速と実行に移してみる。

何時もの様に友人達の後ろを付いてやって来て、先ずは着替えと皆で一緒に女子更衣室へと入って行く。
着替えの置く場所を確かめ乍に着替えという撚りも脱ぐだけなのだが、其の前に友人達をチラッと横目で見て確かめる。
矢張りと云えばそうなのだが、何人かは同じ様に下に水着を着ていて脱いで直ぐに行ってしまう。
残った子達が普通に着替える、との感じだった。
そんな事を確かめていたものだから、脱ぐだけだった筈の状況でも最後迄残ってしまう。

「あ…あのね、先に行ってて、良いの」

そうした後から向かう友人達の更に後、と為ってしまい。
出て行く子達にそう伝えておくのだ。
皆の中でも動きが鈍い事に定評が在る幼女。
後からやって来て合流、との流れは何時もの事だから、先に行ってるね、と伝え友人達は向かって行った。

彼女を知らず、彼女の家族を知っている人達からすればドラゴンなのに?との疑問が浮かびそう。
だけど、知っている人達からすれば其れが日常なのだ。

プリシア > そもそも動きが鈍い方だとの他にも理由が在る。
家族と違って完全な人化が不得手な為、彼女は何時も半竜状態。
小さな角と翼、そして尻尾が出ているので普通の服は着こなせない。
如何しても背中の空いたタイプにしなければいけないのだ。

今着ている服も先ず背中を開いてから脱ぐタイプのもの。
モゾモゾと手を後ろに伸ばして留め具を外し脱いでいく。
下は水着なので其の侭に、靴下やブーツを脱いで籠の中へと丁寧に畳み整えて入れておいて。
後は長い髪の毛をお団子に結わいで完成である。
尤も、そうして終えられる迄が少し長い訳ではあるのだが…

ご案内:「ル・リエーの水遊場」にトーラスさんが現れました。
トーラス > 冒険者の仕事は所謂、何でも屋である。
依頼を行なう依頼主がおり、依頼を受ける冒険者がいれば、
正当な報酬が支払われる限り、凡そ、如何なる任務も成立してしまう。
魔物退治や迷宮探索、そんな冒険者らしい依頼は表立ったものに過ぎず、
下水掃除や薬草採取など子供でも可能な仕事も中には依頼に含まれている。

この日、冒険者たる彼が引き受けた依頼は、人々の命を守る事。
尤も、魔物退治などではなく、水遊場で危険な遊泳をする人物を見張ったり、
溺れている子供を救助したり、という俗に言う監視員の依頼であった。
ボクサーパンツの水着に、白色基調のパーカーを羽織った中年は、
日除けの庇の下で椅子に腰掛けながら水遊場で戯れる人々をぼんやりと眺めていた。

「あー、……平和、だねぇ。……暇だ。……はぁ、んん?」

一見するとやる気なさそうに、実質的にはやる気皆無で、はしゃぐ子供達を細めた双眸でただ眺める。
何事も起こらなければ彼の仕事は存在せず、就業時間中は暇そのもので退屈を持て余していた。
そんな折、更衣室から飛び出して水遊場へと駆けていく少女達を見て取れば、双眸を瞬かせて、
見知った、と言っても、間接的に知っているだけの彼女達と行動を共にする事が多い
別の少女の姿がないかと更衣室の入口付近に視線を向ける。

プリシア > 因みに水着を普通に着る場合はもっと時間が掛かる。
翼を出して、尻尾を通してと手間が多いから。
此ればかりは仕方の無い事なのだが、慣れてこればもっと早くなる事を期待するだけで。

兎も角、脱ぐだけでも少しばかり時間を掛けてしまい。
更衣室から出られるのは皆が遊び始めてしまっている頃合と為っていた。
友人達も何時もの事と、そうは気にしていないのだ。

「えっと…」

ちゃんと水着は着ている、髪の毛も纏めた、服も確りと籠の中に収められている。
そうした事を確認してから、やっと更衣室から姿を現すのだ。
そしてキョロキョロと友人達を探す様に周りを見渡す。
行った方向は見ていたから分かっている。

トーラス > 元々は兵士や騎士達の水練目的で建造された施設は、民間へ払い下げられて水遊場となる際に
レジャー目的で大きな改装が幾つもなされて、収益を求めるようになった。
多種多様の魔法も惜し気もなく利用されて、冬場でも温水が供給されて入れるようになっていたり、
巨大な滑り台で水を流したり、波が押し寄せる水場や、外周に沿うように水流が巡る水遊場も作られた。
更衣室から飛び出してきた少女達は、流行の流れるプールに一目散で飛び込んでいき、
水流に乗せられて見る間に、その姿が小さく、何処に居るのか分からなくなっていく。
そんな中、更衣室に向けられた中年男の視線は、目的の人物の姿を捉えると口端を緩め、
椅子から立ち上がるとそちらの方へと歩み寄っていき。

「やぁ、プリシアちゃん、こんにちは。
 さっき、いつものお友達の姿を見掛けたけど、一緒に来たのかな?」

顔見知りの少女に片手を挙げながら気さくな調子で声を掛ける。
場所が場所であれば事案として衛兵を呼ばれかねない状況ではあるが、
幸い、今の彼の恰好は水遊場の監視員の立場であり、その手の輩を取り締まる側。
彼女の視線が左右を見廻していた事に気付けば、頬肉を綻ばせながら小さく笑い。

「お友達は流れる水遊場の方に随分先に行っちゃって追い付くのは難しいかもね。
 一周すれば、直に戻ってくるだろうけど、追い掛けてもはぐれちゃうかもなぁ。」

プリシア > 水遊場に何度も一緒に来ている友人達だ、先に行った場合は行きそうな場所を幾つか知っている。
遅れて来たのだから、其の場所を巡れば何れ見付かるだろうと考えていた。
そうした考え事をしている様子は、思案する様な仕草と共に翼や尻尾がユラユラと揺れているので解り易い。
そうしている処に掛かる声が自分を呼んでいるものと解れば、小さく首を傾げて其方を見る。

「あ、トーラスおじさん、こんにちは、なの。
うん、今日は、お友達と来たの」

知った顔だったからかニコッと微笑んでみせて。
挨拶に挨拶を返す様にペコリと頭を下げてから、聞かれた事へと素直に頷いて答えてみせる。

「えっと、うん、わかったの。
それじゃあ、待ってればあそこに来るし、待ってるの。
ありがとう、トーラスおじさん」

水の流れるプールも何度か遊んだから知っている。
其処に友人が行ったのなら、何処に流れて来るのかも知っているのだからと。
教えてくれた彼へともう一度頷いてみせてから、其の流れるプールのプールサイドへと向かう事にした様で。

トーラス > 彼女と度々出会う事になった九頭龍の水浴び場や、
相手が通う学院でよく一緒に連れ歩いているのを見掛ける学友の少女達。
案の定、一緒に訪れたのだという予想は的を得ていたらしい。
微笑んだ少女の素直な言葉に口端を緩めると、友人を追い掛けるのではなく、
待つという選択肢を選んだ相手の返答に肯いて見せる。

流れるプールは何処かで途切れている訳ではなく、施設内で円を描いている。
友人達が気紛れに途中でプールから上がらずに、流れ続けているならば、
必然的にスタート地点である場所に戻ってくるのは間違いない。
下手に追い掛けるよりも簡単に合流する事が叶うだろう。

「そうだね。流れとは逆に遡るのも手だけど、その方が確実だ。
 プリシアちゃん、待ってる間、暇だろう?
 熱中症になったら大変だし、俺と一緒に日陰でお友達を待ったら如何かな?」

プールサイドに向かおうとする少女の背中に掛けた言葉は斯様なお節介。
彼女が彼の提案に頷くならば、そのまま日除けのある庇の下へと誘おうとして。

プリシア > 一度きりの会話だったら覚えておくのも難しい。
だけど彼とは何度も話した事が在る為に覚えていた
声を掛けられて直ぐに思い出したのは其の為だ。

そんな彼からの提案を聞けば、少しだけ考える。
此処から離れてしまって、戻ったのに気付かなかったら如何しようか、と。
今日の様な日差し程度では熱中症には掛からないけれども、彼が一緒ならそうした事も大丈夫かな、とも思う訳で。

「うん、それじゃあ、トーラスおじさんと、待つの」

大人と一緒なら大丈夫。
だから、其の提案に頷いて彼の誘いを受ける事にするのだった。

ご案内:「ル・リエーの水遊場」からトーラスさんが去りました。
ご案内:「ル・リエーの水遊場」からプリシアさんが去りました。