2023/01/09 のログ
クレイ > 「ま、後ガキからせしめた金は気分が悪いってのもあるな」

 と笑うが。
 その後真顔になる。

「お前は、なんというか、いい性格性格してるよな。タダでは起きねぇというか」

 俺がいやがんのわかっていってんだろと苦笑いを返す。
 そして実際に賭けは始まる。
 彼女の連れがいるという意見には首を横に振った。

「連れはいないだろ。いる上でキョロキョロしてんならもっと必死だ」

 散り散りになってんだからよと。
 この街で彼女なり子供なりと散り散りになったらかなり焦る。お世辞にも女性に良い街とは言えないのだから。
 そして賭けの結果。男は女に話しかけるも……あえなく撃沈。
 変に空回りして終わったという結果だった。

「俺の勝ちだ。探偵助手するならもうちょっと人間観察を覚えないとな」

 今のとか、どっちかというと探偵の領分だぜ? と笑って。

「じゃあ何買ってきてもらおうか。肉の大量に詰まったサンドイッチとか。その辺で良いか、金はこれな」

 とチケット代わりに入口でもらった腕輪を外して渡す。これを掲示すれば上の店でも商品が買えるという仕組みだ。

リア > 「おや……? いま、レディからガキに格下げされました……?
 私の不徳の致すところですね、早く大人になろっと」

今夜は水魔法を仕掛けるなどしてしまったのであまり反論もできない。

「性格が良いだって! 今日の褒められ日記に書いておかなくちゃ。
 私も先生のシンプルなところ好きで――うわあ……先生のナンパに対する観察眼……一体何なんですか……」

にこにこしていたのが一転、負けを悟って浮き輪の上でぐったりしてばしゃばしゃと水を蹴る。

「誰も彼もナンパばっかり……滅びよナンパ……
 勝つまでやれば負けじゃないんだ……
 今夜はのところはともかくとして……今後三勝すれば私の勝ちなんですからねっっ」

気を取り直して腕輪を受け取って。むぎゅむぎゅとあひるの浮き輪から降りる。

「ご主人様はあひるに乗ってお待ちくださいね。
 ナンパしてても良いですよ」

ぱたぱたとフロアを上がっていったと思えば、ローストビーフのサンドイッチと、それ以外にも目についたものを勝手に買って帰って来る。
華奢なグラスに盛られた色とりどりの海の幸、虹色のソースと椰子の木の形にくるんと丸まったスプーンの刺さった氷菓子、ボート型のお皿の上に綺麗に飾り切りされたフルーツの盛り合わせ。
ついでに棒付きアイスなど咥えて、トレイを持って戻ってくる。

クレイ >  
「安心しろ、前のキャンプの時からずっとガキ扱いだ」

 一貫してるから安心しろと笑って。
 ナンパの観察眼を突かれればジトッとした目を見て。
 水かけにはアヒルをユサユサと揺らして抵抗。

「素直に観察眼って言え……まぁあの程度はわかりやすいしな。戦場で仲間の中に入り込んだ魔族とか。見つけるのマジで難しいぞ」

 あいつら自然に入り込んでやがるからと。
 戦場では裏切りスパイは当たり前だ。だからその辺のほんのわずかな差を見つける為にも人間観察も必須技能になる訳で。
 今度3勝すればいいに対してはニヤリと笑って返すだろう。負ける気などないかのように。
 ナンパしてても良いと言われればするかとツッコミを入れ彼女が戻ってくるのを待つ。しかし。

「……あ、これダメな奴」

 この男がh取りでアヒル浮き輪を持って待っているという構図が既に色々と面白い構図になってるわけで。
 戻ってきた時には水から上がって机を確保していた。

「お疲れさん、随分買ってきたな……せっかくだしお前も食えよ。どうせ金はいらねぇんだ。遠慮するな。アイスは既に食ってやがるが」

 と反対の席を指して座って食おうぜと。アイスに関しては苦笑いを返すだろう。
 そうして、軽い食事をしたりまた遊んだりとした時間を過ごした。試合が再開されたのかはまた別の話。

ご案内:「ル・リエーの水遊場」からリアさんが去りました。
ご案内:「ル・リエーの水遊場」からクレイさんが去りました。