2023/01/08 のログ
ご案内:「ル・リエーの水遊場」にクレイさんが現れました。
■クレイ >
夜間のプール。そこに似つかわしくない男がいる。
というより浮いている事この上ない。周りは楽しそうだったりナンパしていたりというのに不機嫌ですオーラ全開で座っている全身傷だらけの男だ。まぁ目立つという意味では目立つ。
テラス席でいつもなら飲まないであろうキラキラした酒を机の上に置いて座っている。
「ちくしょう、なんか騙された気分だ」
不機嫌なのにも訳がある。まずそもそも、彼は本来こんな場所に来るような性格ではない。
とある依頼である意味騙された結果である。簡単に言えばどうしても依頼料が払えないとのことで、まずはここの酒や軽食などを提供する店の無料チケットと王族貴族も使用できる上層階の参加券と近くの宿に泊まれる複合チケット数枚を担保として受け取った。
しかし、色々と事情が変わり資金の回収が不可能になってしまい、結果としてここのチケットだけが残り今に至る。
とはいえ、上層階など行く気も起きないので普通に混合階層にとどまり、さらにプールでキャッキャするような性格でもないので椅子に座って酒を呷るだけである。
ご案内:「ル・リエーの水遊場」にリアさんが現れました。
■リア > プールの一画に張られたネット――夜間でも見えやすいようにという配慮なのか単なる装飾なのか、きらきらとデコレーションされている――を挟んで黄色い声を上げながら遊んでいた女子グループ。
カラフルなボールがぽんぽん飛び交うのはよく見る光景として、水着の女子が各々杖を持っているのがちょっと変わったところ。
広い遊技場だからさして気にされてもいないけれど、よく見れば杖の動きに合わせて水が動いてはボールを弾いたりしているのである。
ボールが水面に落ちてひと試合終えたらしい歓声が上がり、「休憩ー!」と口々に言い合うグループから離れる娘。
グリーンの幅広テープを包帯みたいに縦横ナナメにに巻き付けたような水着の上にぴたっとした白のメッシュの上着を羽織り、水の中をこっそりプールサイドの方に泳いでいく。
口までもぐって隠れているのは、知っている顔を見つけて悪戯したくなったのだ。
ぷくぷくとあぶくを上げて笑いながら、クレイの座っている席まで近づくと、杖の先を振り……
「"水よ"――それゆけはとー」
プールからざばっと水のかたまりが浮き上がり、鳥の形を象るとクレイ目がけてまっすぐ突っ込んでいく。
■クレイ >
「大体事業失敗して貴族に飲まれるって何やってんだあのバカは」
とかブツブツ話していた。
酒を飲もうとした時に。この辺は流石に傭兵、その上今は武装もない状態。つまり少なからず周辺に警戒をしていた段階なわけで。
「あ?」
魔法の気配。ふとそっちに目を向ければ。水の鳥。
「ウオッ!?」
殺意は感じない。逆にそれが回避するまでの間を数舜遅らせた。
反撃で撃ち落とす事は出来ず、酒を持って避難がやっとだった。
どこのバカがしかけやがったと方角を確認する。知り合いの姿を見つけて。
「……なるほど、お前がしかけやがったかリア」
水に潜っていても、流石にそのくらいは見抜く。というより見抜けないようでは上級傭兵失格だ。更に言えば色々な意味で目立っていた自分に水をぶつけに行くという事態で回りの大部分はあんぐりと固まっていたので余計にわかったというのもあるが。
それはともかく、ニヤリと笑うと、残った酒をグイッと飲み干し店員に押し付けるようにして始末。
そして自身も水にドボン。
「中々かわいい所あるじゃねぇのお前。なんだ先生と遊びたかったか」
そうかそうかと言いながら泳ぐ。ある程度泳いで射程まで近寄れば。
「仕返しだおらぁ!」
それなりの量の水を打ち上げてそっちにバッシャーとかけるように。
戦闘用の水のかけ方ではないので量は多いが痛みなどは全くないように。
■リア > 窓ガラスに突っ込む鳥のごとくクレイの座っていた椅子に嘴からぶつかった鳩は、びしゃあっとそのまま水に還った。
ああー、と悔しそうな声を上げて。
「もうちょっとだったー! ふふふーやっぱりクレイ先生だった。
怖い顔しちゃって、ナンパ失敗したんですか?
しかも自棄酒のチョイスが可愛くないですか? ってあ、あれっ怒ってます大人げない……!?」
ひと遊び後のテンションで好き放題言ってから報復を考慮していなかったので逃げ腰になる。
鮫に追われる気持ちになりながら泳いで逃げるも。ざばっと襲い来る水飛沫に杖を向け、
「ひえ! うさぎうさぎひよこうさぎドラゴンー!」
ぴょんぴょんぴよぴょんにゅるっ。
何匹かの動物をその水を利用して生み出しクレイに仕掛けつつ、最後は蛇と駱駝を掛け合わせた生き物が生まれようとして、そのまま形がびしゃびしゃと崩れていく。
残りは普通に顔からかぶっていたが、もとから全身ずぶぬれなので特に支障はない。
「教え子の可愛い悪戯じゃないですか……!?
ほ、ほら、何か好きな動物出してあげますから、カエルとか」
■クレイ >
「誰がカエル好きだ誰が!」
とツッコミを入れる。
彼女が放った水は殺意がゼロなので普通に食らってこちらもビチャビチャになっていた。
しかし、一通りそんな感じで水の掛け合いをすればふぅと息を吐き出して。
「ナンパなんてしてねぇよ。不機嫌だったのは単純に自分のふがいなさにな……依頼料がこんな場所のチケットになるとは」
クッと本気で悔しそうな態度を見せる。構図だけ見れば先生と生徒の関係には見えないのだろうが、ある意味これも彼らしいと思えるだろうか。
「酒もなんかあんな感じのしかねぇし。遊ぼうにも……プールなんて遊んだことねぇし」
てか周りの目がヤベェと。不機嫌オーラもあってだが、むしろこっちがリアを襲ってる構図に見えてしまうのは体格の差だろう。
片方は華奢な少女。片方はバッキバキの筋肉をした傷だらけの男。どうみてもこちらが悪だ。
「お前は何やってんだよこんな場所で。まさか1人か?」
それだとある意味尊敬するぞと真顔で話した。
■リア > 「カエルも可愛いのになあ。男の子は虎とか狼とかが好きなんですよね、はいはい。
まだ私のレパートリーには無いので練習しておきますね」
買ってもらった玩具が欲しいものと違ったと駄々をこねる男児を宥める感じの微笑み方になる。
ついおちょくってしまうのは学院の他の先生と比べて年が近いせいなのか、夜のプールのテンションなのか謎である。
「プールのチケットで雇われちゃったんですか?
それはいわゆる……踏み倒し……?
プールは私もそんなに来たことないですけど、飲み物可愛いですよね!
傘とか! チェリーとか! 星型ストローとか!
あとね、浮き輪も可愛いですよ浮き輪」
慣れていないなりに楽しんでいた様子。
放流されていたピンク色のアヒル型浮き輪を引っ張ってきてクレイにぐいぐいと押しやる。
「ぼっちの先生と一緒にしないでくださいっ。
クラスの子と第二回・水魔法球技会をやりに来てたんですよう!」
そういえばみんなどこへ、と振り返ってみればドリンクバーでナンパされているようだ。
「は……男女同数……頭数から外されてしまった……。
仕方ないなあ、先生と遊んであげましょう。早くあひるさんに乗ってください」
■クレイ >
「まぁ狼とかは嫌いじゃねぇけどよ。でもそういう問題じゃねぇ」
まぁ良いけどと。
踏み倒しと聞かれれば、肩をすくめる。
「みたいなもん。知り合いだったからここのチケット担保に少し待ってやったら……事業失敗して貴族の傘下になっちまってんの……って、んな浮き輪が俺に似合うかやめろ」
流石に貴族に対してお前の部下の借金肩代わりしろとは言えず断念。結果こうなったと肩をすくめて見せて。
しかし持ってこられたアヒルを見て思わずツッコミが先に来る。
その後、仲間の話を聞けばケラケラ笑って。
「おうおう、ボッチ仲間になったなリア」
なんて言って。
「だからこの浮き輪はお前にくれてやる。ほら女を優先するのが良い男とか聞いた事あるしな。ほら乗れ」
グイグイと押し付けられていた事に対する仕返しとばかりにグイグイと押し返す。
■リア > 「あらあら世知辛いですねえ。
でもここのチケットって……ううん……? 担保になるほどでしたっけ? 百枚くらい貰ったとか……?」
第二回・水魔法球技会も色んな階級の学生がいるので身分混合のフロアで開催するに至ったのだが、傭兵を雇える金額ではなかったような、と首を傾げる。
「私が乗ったら普通すぎて意外性が無いじゃないですか。
でも先生のレディファースト精神に敬意を表して……あと普通に疲れました、これが噂の魔力切れかしら」
杖を腿の横に挿して――穴あき放題のデザインの水着なのでしまう場所には事欠かない――、浮き輪に乗り込む。お尻がはまっている感じで足をぱたぱたさせながら、若干悲しみを漂わせて友達のいる方から視線を戻す。
「だ、第三試合のときにはみんな戻って来てくれる……と良いな……!!
運命の出会いによって幸せになるならそれでも良いけれど……。
先生先生、全力で押してみてください……あ、浮き輪を殺さない程度に全力で」
仰向けに乗ると自力で移動しようが無くなるので馬力を求めるも、実習の様子で全力はまずいのではないかと訂正する。
「先生も傷だらけだなあ。傭兵さんてみんなそうですか?」
■クレイ >
「いや、1番上の貴族とか王族とかが使える場所の施設とか、周辺の宿とか、食い物屋の複合チケット。1枚で1000ゴルド位らしい」
だから数枚重ねれば十分値段になる。とはいえ、本人はお金をもらって突っ返す気満々だったわけだが。
意外性を言われればハッと鼻で笑って。
「俺がのって不審者になるよりは無難な方がマシだ」
といって笑い飛ばす。
それから映るのは友達の話題。目線を外したので逆にこっちが友人を見て。
「……あの金髪ショートの奴。あいつはたぶんこのまま帰るな。完全に目が持ってかれてる。後はしらね」
と言いながら依頼を受けた通りザブザブと押し始める。
壊さない程度に全力というが、それはそれで危ないので普通に押し始める。とはいえ、右の中の仲間を救助する技術とかもある為それなりには速度は出る事だろう。
傷に話を振られれば、少し考えて。
「どうだろうな、気にして魔法で消してる奴もいるし。俺は傷も勲章だって教わってっからそのままだけど」
それだけ傷を受けたという事を恥じと感じるのもあるかもしれないが、自分からすればそれだけ長く戦場をかけたという証なのだから。
こっちはこっちで彼女を見て。
「てか、お前あれだな。別にビキニ着ろとはいわねぇけど……かんっぜんに競技しに来てる恰好だよな」
だからナンパされねぇんだよと少し笑う。
■リア > 「ああ、上のフロアの……! 食べ物、すごく豪華らしいですよ?
生け簀があってそこからお魚選べて焼いてくれるんですって!
あとね、人魚のショーがあったりって聞きました。
先生はそのチケットを持て余している、と……? ふむう」
快適な水上移動に身を任せつつ、目がきらきらし始める。
「――ねえ先生、そのチケットまだ余ってます?
第二回・ダイス勝負しません? 私が勝ったらそのチケット二枚ください」
きらきらしながらも、友達の知らない顔など見たくなかったので顔の横を手で覆って見ないようにする。
どこの馬の骨とも知れぬ輩に私の友達を任せるわけには……などとぶつぶつ呟いて。
持ち帰られる前に邪魔しに行こう!とはしっかり心に決めている。
あひるの首にもたれて相変わらず顔まわりの視界は狭めながら少し笑って。
「傷の無い人生は生きているとは言えない、ってどこかの詩人さんも言っていました」
魔法で消している、というのに頷く。
魔法や剣術のとりながら自分が傷一つ無いのも魔法によるものだし、それを不自然だとも思うから。
水着を指摘されてきょとんとすると。
「跳んだり跳ねたりして露出事故が起きたら嫌じゃないですか。
先生には分からないんですかこのデザインの良さがー!
この麻っぽい素材感と琥珀色のボタンの組み合わせが可愛いのに……
男性は露出度しか認識していない……?
露出が高ければそれで良いものなんですか……?」
■クレイ >
チケットを賭けて勝負と言われれば目を細める。
「別に構わない……が、勝負ってことは賭けだろ? で、賭けっていうからには。大体同じ価値の物、もしくは価値が低くても勝負する動機になりえる物を賭けないといけないわけだが。用意できるのか?」
1枚なら1000ゴルド程度。とは言え、子供にそれは相当高い値段のはずだ。
だからといって一応報酬として貰ったからにはタダで渡すつもりもないわけで。それこそ、うっぱらえば満額とはいわないが、ある程度は回収できるだろうから。
水着の話題になれば少しだけ笑って。
「別にそういうわけじゃねぇよ。けど、完全に遊ぶ格好には見えねぇなって思っただけ。俺は別に悪くねぇと思うぜ? 実用的だし」
この男としては実用的な物は良い物である。というのがあるわけで。
だからその上でちゃんと似合うレベルにしてるのは普通に悪くない代物と言えるのであった。
「けどまぁ、露出多ければ目に付きやすいのは事実だろうな。それこそナンパするような奴はその辺しか見てねぇだろうし」
とはいえ、ナンパするとなるとやっぱりその辺を意識してしまうのは事実なわけで。
■リア > 「私が負けたら定価の倍の買い取りでいかがですか」
当然アルバイト程度の雇われなので、負け金は親の財布から出ることになる、のは見通されているだろうけれど。
教師との取引なら教材費の範囲になることをこちらは見越している。
親の財布を使うことに罪悪感の全く無い顔をしているのは、自分の立場を利用する気しかないからである。
「親とはいえ他人のお金を賭けて懐が痛まないのはずるい、と先生が仰るなら無しにしますけど」
どうします? と首を傾げ。
「ナンパされに来てませんし、知らない人なんて怖いじゃないですか。
私も好きな人と来るときはもうちょっと可愛い寄りのやつを着ますよ、たぶん。
まあ私が露出しても……お肉が足りないのでどうにもならないと思いますけど……
路線を変えないと……」
競技の邪魔にもならない胸を押さえ、大きい子は跳んだり跳ねたりすると痛いって言っていたなあ、と知らない世界を想うのだった。
■クレイ >
相手の答えを聞いてフハッと笑う。
「いらねぇよんなの。先生が生徒からガチで高額の金品巻き上げたら色々と問題だ。だから……そうだな、その1番上の店に興味がある。お前が負けたら今日1日メイドにでもなってもらおうか。上の階層に買い物に行かせるからよろしく」
それなら問題ねぇだろとニヤリと笑う。
実際、タダではといったが自分にとってほぼ無価値なチケットであるのもまた事実。つまりこんな形で暇つぶしになれば十分だ。
「それと、ダイスは持ってないだろうから代わりに……あの男見えるか」
と指を指すのは見るからに遊びますオーラを醸し出す男。
その男は何かを探すようにキョロキョロしている。
「あいつ、ナンパしそうに見えるだろ。ダイスの代わりにあいつの行く末で賭けだ」
そんな感じでどうだよと。語り掛ける。
水着になれば少し考える。
「まぁ、お前の言う事も最もだな、ナンパされに来たわけじゃねぇし。肉は……別に良いんじゃねぇの? デカい奴しか着ちゃいけねぇなんて無いし」
普通にセクハラになりかねないが、そんな意図も無さげにあっさりというのでそうは聞こえないだろう。
そしてよしと。
「じゃ、賭けだ。俺の予想だが……ナンパ失敗と見た。あんなにキョロキョロして……慣れてねぇ証拠だ」
と言って自分の予想を言う。
数値が高い方の答えの通りに男は動くだろう。 [2d6→2+6=8]
■リア > 「先生って――……」
ただのリスク回避、なのかもしれないけれど、乗ってくる人間だっているはずだ。
何となく常に渦巻いている親への嫌悪感から出た答えだったが、毒気が抜けて笑ってしまう。
「……ほんとうに意外とちゃんと先生ですよね。
ふふ、良いですよ、ご主人様って呼びましょう」
呼ばれた当人の方が嫌がりそうだと思ってくすくす笑う。
一方、本人の知らぬ間に賭けの対象にされている男の方を見て真顔になる。
「うーん……そんなみんなナンパばかりしに来ます……?
あれはナンパでなくてお連れさんがいると見ました」
と予想する。 [2d6→1+1=2]