2022/12/14 のログ
ご案内:「ル・リエーの水遊場」にテンドンさんが現れました。
■テンドン > 昼頃の水遊場。屋外ではなく温水プールの湛えられた内設プール。
冬真っ盛りではあるが、それでも人気はそれなりに絶えずに賑わいを示していた。
この手の公共施設において注意すべきは事故の類。
そんな訳でプールの監視員として臨時に此処で労務に従事している。
「はい!そこの人達!危険行為は控えてくださーい!」
ぴりぴりぴー!吹き鳴らすホイッスルの音色が甲高く閉じられた空間に木霊した。
プールサイドの梯子のついた高い監視台の上に君臨。
水遊場内の危険な振る舞いや事故が無いか睨みを効かせて続けている真っ只中。
■テンドン > 「んふー」
注意を聞き届けたグループが危ない振る舞いを満足そうに見届けた後に監視台に付設された椅子の背もたれに背中を預ける。
支給品故に余りサイズの合っておらず、南半球が半分露出してるビキニがだぷっと拍子に重たく揺れた。
梯子部分に置いているサンダルの底が退屈そうに軽くカンカンと音を立てて梯子を踏み付け蹴る。
「…すっごく楽な仕事って聞いたけれども、確かに。もうシーズンじゃないし、カンカン照りで干物になりかけなら兎も角、この寒い中でわざわざ水練なんてしないよね…」
寧ろさしたる事件らしい事件も殆ど起きず、思い出したように先程みたいな小さな警告を送るだけで事足りてしまう。
ふああ、と、屋内故にか風もなく、魔道的に適切に保たれている室温に甘やかされて欠伸が思わず零れ出た。
■テンドン > 時間を叩いて叩いて引き延ばしにしたような相対性理論的暇な時間の流れに殺されかけて瞼は錘を吊り下げられたように重たい。
うつらうつらと胸部のアンバランスさも相俟って、寧ろ監視員こそが今にも投身自殺しそうに体を何度も傾きかけて揺れている。
「んあ」
スイマーならぬ睡魔(此処上手い事言ってる)に絞め落とされかけた意識はハッと我を取り戻し。
いけないいけない、ぱちぱちと両手で自分のホッペタを軽く左右から叩いて覚醒。
「いやいや、でもでも、そういう時にこそ油断大敵?どんな泳ぎの達人でも突然足攣って溺れる事もあるかも知れないし、カッパの川流れ、だっけ?しかもその誰かが何処かの超大金持ちのカッコイー御曹司だったりしてすかさずにボクが駆け付けマウストゥーマウスの人工呼吸で窮地を御救いし一目惚れおおテンドンさん貴方を我が妻にどうも娶らせて下さいサクセスストーリー!きゃー✨」
放り出されている両脚ばたばた!
■テンドン > 「まあ、実際は口から口ってあんまり意味ないって聞くけど」
スン、と、直ぐに冷静になる。
「それに監視員の立場的に考えてそれって詰まり頭が満月でついでにお腹がちょっと出て来てるようなちょっと最近娘の目が冷たいから運動してみようかという理由でいざこの水遊場に来ましたおじさんが溺れてたとしても同じようにボクは救助しないといけないわけだし、うーん良くない良くない、それは良くないね……」
すううっと冷めて行く眼差しで周辺の客達を見回すが、特に超絶イケメンも居なければものすっごいセレブリティオーラを放つ御仁も居ないという現実…。
■テンドン > 「それにお金持ちだったり、顔が良かったとしても重要なのは性格だしね、例え上手いこと玉の輿に乗れたとしても悪魔も目を背けるようなド変態とかだったりしたらボク困っちゃうし。御伽噺に出て来る顔も良ければ性格も良くてお金も持ってる白馬の王子様が迎えに来ましたよみたいなのはやっぱりファンタジーか………」
脱線する思考回路、かくに想像力を馳せた遊びに興じていなければならない程に暇な監視体制。
必死に眠くならないように抵抗を試みるこの振る舞いもまた労務の一環。
■テンドン > 「………!」
ぶつぶつぶつと只管に王都における出会いやら結婚後の計画やらに呟き続けていたら気付けば結構な時間経過。
介入して来る他の職員から交代の時間だよと言われた瞬間に暗雲がパッと晴れ渡るイメージ。
展望の薄暗い最中に光明を見出そうとしていた神妙な面持ちが我にかえる。
「あ!もうそんな時間ですか!アリアトデース!休憩いただきまーす!」
解放された笑顔満面!ぴっと敬礼した後に大分長い間温めていた監視台より跳び下りるように降りて。
そのままプールサイドを走…!!っては危ないのでてくてく急ぎ歩きでその場を離脱するのでありました、ひゃっほう自由!
ご案内:「ル・リエーの水遊場」からテンドンさんが去りました。