2022/12/02 のログ
ご案内:「ル・リエーの水遊場」にバルゴラさんが現れました。
■バルゴラ > 此処は王都マグメールにあるル・リエーの水遊場。
王立コクマー・ラジエル学院にある水練場と違い、貴族や平民達の遊び場として整備されている施設……だと思う。
本来なら無料、使用者少数、静かに一人で水遊びを堪能できるラジエル学院にある水練場に行くのがベスト&ベターなのだが、わざわざ外部の此処ル・リエーの水遊場に来たのには大きな理由がある。
それは
――…泳げないのだ。
それも水に顔をつけるのも嫌なレベルで泳げないのだ。
だから考えてみて欲しい
もし……もし学院の水練場で泳げない姿を誰かに見られたら?
もし……もし学院の水練場で何かの拍子で溺れてしまったら?
と考えた結果がル・リエーの水遊場である。
此処なら何気ない顔で水に足をつけて慣らすのも出来る。
何なら子供用の浅いプールに行っても良いだろう。
それに今夜は月が綺麗だ。
雲も少なく星も瞬き、もう少し寒さを感じる夜風が吹く。
そんな散歩するに良い夜なのに、学院に篭ってても良いものだろうかいいや良くない。
そんなわけで。
今夜は此処ル・リエーの水遊場に来ている。
直ぐには水に入らないぞアピールにフード付の長袖の上着を着込み、少し緩い感じの水着を穿いてさも遊びに来てます感を出している。
だが、ちょっとまって欲しい。
まだ水に足をつける勇気がない。
故にプールサイドに設置されている簡易ベンチに座り、どうしたモノかとちらちらと辺りに視線を向けて、見目麗しき美男美女を眺めるだけにとどめている。
「………魔法がなぁ……もう少しねぇ……上手くねぇ……使えればねぇ………。」
水中呼吸、水中歩行、バブルドーム、諸々。
水中で活動するのに便利な魔法を指折り数えるのだが、どれもこれも使えない、使えても安定しない、つまりダメ。
楽しげな声があちらこちらから聞こえる中で一人ため息を大きくつくのだった。