2022/08/15 のログ
ご案内:「ル・リエーの水遊場」にフェリーチェさんが現れました。
■フェリーチェ > ひとところに長く留まろうとすれば、必然的に土地柄の強いお仕事も断りづらくなってくる。
少女が請け負った仕事は今日もそんな感じで、しかし毛色が少々違った水遊場のエキストラである。
指定された格好は、フリルで飾られた白いチューブトップにダメージジーンズのホットパンツ、それからツバの大きな麦わら帽子、そして裸足。
カフェの店員をさせられていたときと違い、敷地内で解放感をアピールしつつ楽しく遊ぶのが主なお勤めだ。
動員されたエキストラは他にも配置されているらしく、同じように遊ぶ様子を魅せつけている者から、上手く場が回るようにこっそり指示を出す者もいる。
有り体に言って"サクラ"……ステルスマーケティングであった。
「店員さん、はちみつグレープを氷入りでお願いします♪」
虚偽の楽しさを演出する心苦しさの反面、この仕事には良いことも少しある。
たとえばそう、依頼主の奢りでこうして少しお高いジュースが飲める事とか。
屋台の店員から木製コップに波々と注がれたジュースに藁のストローを差し込み、少女はホクホク顔で柔らかい芝生と砂の敷地を歩きながら一口すする。
たまに水遊場に居る人達の近くを通って、さぞ美味しそうにひんやりした息を吐きながら……。
■フェリーチェ > 多少恥ずかしい格好で歩きまわらされたけれど、かねがね平和的に時は過ぎ……。
依頼を恙無く勤め上げた少女は日が落ちる前に帰っていく。
ご案内:「ル・リエーの水遊場」からフェリーチェさんが去りました。