2022/07/17 のログ
ティネ > 「狐人族~?」

耳慣れない種族名に、首を傾げる。
確かに、帽子を見れば髪の毛とは違う盛り上がりがあるのがわかる。
ミレーとは違うのだろうか?
とはいえ、あまり相手のプロフィールを詮索するような趣味もない。

「わ~、今の声ちょっと色っぽい~
 あ、すご~い結構しっかりしてる。
 鍛えてるんだねぇ~」

手をついて四つん這いの姿勢で、おなかの感触を楽しんでいる。
強く咎められないのをいいことに、おへその周辺をなぞったり
ハーフパンツと肌の隙間に手を突っ込んだり、やりたい放題である。
構わず水に落とすなり、つまみあげてどかすなりしてしまってもいいかもしれない……

クチナシ > 「ん、知らないか。
 ……まぁ、此処とは違う。海の向こうに住む種族の事だな。
 一見、ミレー族と間違われやすいのは否定しないけどな……。」

目の前の彼女が詮索するつもりがないのはわかっているからこそ、簡素な説明。
実際に、間違われる事は少なくない。寧ろ多く、それでいて絡んでくる男女もいる故に、訂正する訳で。

「……ふ、ぅ……まぁ、な。
 独り身で旅すれば、自然と鍛えられる。
 ……それはともかく、な。ティネ。」

基本的に温和であり、どうこうするつもりはない。
が、目の前の相手は自分の状況を知った上で、止める気配がない。
逆に腹に力を込めれば、撫でられただけで少し肌がむず痒い程度。
彼女が求めるような声は出す事はない……が。
―――流石にハーフパンツと肌の間に手を突っ込まれれば。

「やめんかぁっ!!!どこを触っておるか!」

ぱぁんっ!!と音を立てて炸裂する呪術の風が、瞬間的に風を巻き起こし、彼女の身体を自分の腹上から吹き飛ばす。
飛行できる妖精なら大したダメージにはならないだろう。そう考えての、妨害行為。

ティネ > 「へぇ~ ミレーに似た種族もいるんだねえ~」

素直に講釈を受けて頷く。
まぎらわしい存在だなあ~とは思うものの向こうも同じ気持ちだろう。
疑う理由もないので、言われるがままに受け入れる。

「きゃーっ!? 怒ったぁ!」

バシ~ンと吹っとばされる。
飛ぶのがそんなに上手ではないらしい妖精は、数秒宙を漂ったあとバランスを崩してばしゃんと水面に落ちてしまった。
それからいくらかもがき泳いだあと、水に浸かってる少年の足にすがりついて助けを求める。

「ごっ、ごめんなさ~い つい……」

ずぶ濡れになりながらエヘヘ……と笑っている。
ほんとうに反省しているのか?

クチナシ > 「そういうことだ。……そういう意味では、この国に来た時は驚いたものだ。
 何せ、そういった種族がそういった扱いを受けてると聞いたからな。
 まずはこう……違う種族だ。ということを伝えるために、こうな。」

拳を前に突き出せば、暴力を訴えた事を示す。
先程から踏み台にしている筋肉の事もあり、彼女にはちょっとした説得力が伝わるかもしれず。

それはそれとして。
小さな身体を軽い風が吹き飛ばす。あくまでも吹き飛ばすだけの殺傷力は皆無の風。
ぽちゃんと落ちた彼女を見下ろし、溜息を一つ。
足にしがみついてきたなら、再び風を起こし、ふわりと彼女の身体を浮かせよう。

「まったく。自分ならともかく、他のものなら潰されてもしょうがないぞ?
 ……ただでさえ小さな妖精なのだからな?」

同時に指を翳し、風に混ぜ込むのは呪術で作り出した炎。
出来上がったのは温風。濡れた彼女を少しだけ温めるように。

ティネ > 「お、お?」

浮かび上がらせられたと思ったら、温かい空気が流れ込んでくる。
濡れて冷えてしまった身体はすぐにあたたまるだろう。

「まほーってやつだ~。
 まほー使えるのに腕っぷしも鍛えてるんだねえ。
 すご~」

そういった術師はひょろひょろのもやしという偏見があるようだ。
たしなめるような言葉にうなだれる。

「うう~わかってますって。
 気をつけます。潰されないように……」

ともあれ、妖精が邪魔をしていない今なら浮き輪から抜け出すこともできるだろう……

クチナシ > 「魔法ではないんだが……まぁ、それはそれとして、だ。
 吹き飛ばしたのは事実だからな。少し、詫びぐらいはするさ。」

自身の妖力を媒体にした温風。傍から見れば、彼女の言葉通り、生活魔法の一部としか見えないが。
そのまま、掌を小さな頭に乗せ、まるでドライヤーで髪を乾かすように、かるくわしゃわしゃ。とくすぐってみせて。

「当然だろう?……こういったものは自身の妖力がなくなれば、回復するまで使えない。
 ならばどうするか?……自身を鍛えるということよ。
 ――よし、分かればよい。……ん、せ……っ。」

そして、彼女が少しだけ項垂れている間に、僅かに風を水面に送り、身体を浮かせ、浮き輪から臀部を這い出させる。
彼女の身体が乗る足辺りは、出来る限り揺らさないようにして……脱出完了。

「ふぅ……まぁ、お主は賢そうだ。
 その辺り、選んでやってるように見えるがな。」

ティネ > 「ん~? 違うんだ~」

この妖精は魔法について特に詳しいというわけでもないので
そのあたりの違いはよくわからないでいる。
掌でくすぐられれば、逃げることもなく心地よさそうに受け入れる。

「きみならいたずらしてもそんなには怒らないかな~って
 見込んでやったのは確かかな!
 見た目、こどもだし」

悪びれもせずに言うと、今度はよじ登った脚から腰へとネズミみたいに身体を伝って回り込み、
臀部をぺたぺたと触りだす。
尻尾がないかを確認したいらしい。

クチナシ > 「ああ、これも……ミレー族と自分らの種族と同じで、
 細かいところが違う。というだけなのだがな……まぁ、近しいものだと憶えておけば良い。」

そういったものに詳しい者ならば、その違いに関してもワカルのだろうが――。
目の前の彼女は恐らく気付かない存在。だから、最低限の事を伝えるだけで終わる。
その代わりと言わんばかりに、彼女の黄金色の髪の毛を指でくしゅくしゅと梳かし、
温風でふわふわに整えていって――。

「別に人をクッションにする程度では怒らんが……。
 いきなり水着の間に手を突っ込もうとすれば怒るぞ。
 ……まぁ、そうさなぁ。子供なのは否定せんよ。……だから、なぁ。
 そうやってちょっかいを出そうとするでない。……小さな浮き輪の上ぞ?」

――もはや、本来の口調を隠していない。臀部に関しては、特注のズボンから食み出でる数本のしっぽを、
いい感じに浮き輪のポケットに沈み込ませているという状態なため、根本はぎりぎり見えるが……といったところ。

「見たければ陸に付いてからだ。……少し飛ばすぞ?
 捕まってると良い。……ほっ。」

その瞬間、再び風を後方へ巻き起こし、推進力を浮き輪に付与。
まるでジェットスキーのように浮き輪に乗った自分達は岸の方へと滑走していく。
……その際、彼女がどうなるかはわからないし。
本当にしっぽを見せたかは、また別の話で。

ティネ > 「んい~~~」

変な鳴き声を上げて、髪の毛をいじられる。
撫でられる飼い猫のようなしぐさ。
初対面の相手に優しくて、本気で怒ったりしない。
なんだかおじいちゃんのような人だなとティネは思う。

「うわっ!? ひゃ~~~~~……」

いたずらだか遠慮のないスキンシップだかわからないものをしていたら、急加速する浮き輪。
必死に少年の身体にしがみつく。
上がる悲鳴もなんだか楽しそうだったという……。

ご案内:「ル・リエーの水遊場」からクチナシさんが去りました。
ご案内:「ル・リエーの水遊場」からティネさんが去りました。