2021/07/05 のログ
ご案内:「ル・リエーの水遊場」に竜胆さんが現れました。
竜胆 > ル・リエーの水遊場、この国、マグメールでは珍しい公共の遊場と言える場所である。
 年中暖かな水で泳ぎを楽しむことの出来る場所、海に行かずとも水泳を楽しむことの出来る場所である。
 そんな場所に、竜の翼を、竜の尾をもつ一人の少女がやって来た。
 平民たちが入れる安い場所ではなく、貴族用に作られている高級プールの方。
 其れをするだけの財力が、在るからしていると言わんばかりの少女だ。
 しかし、人間至上主義の貴族……この場所で販売されている水着は、人間用の物が殆どであり、ドラゴン用の水着などは在りはしない。
 そして、竜胆の竜であるという、そのプライドから、その少女は己を人に転じる術を知りつつも、己を変化させることを良しとしなかった。

 その結果、全裸で水場にやって来てる少女が発生する。
 歩くたびに、その乳房はプルン、たゆんと揺れて、形のいいお尻も―――お尻は尻尾で隠れて良く見えないが。
 ただ、何処からどう見ても、全裸であり、しかしその異形、背中の竜の翼も、尻尾もあるので声を掛けに来る者はいない。

 竜胆と名乗る少女、トゥルネソルの次女は人の多い水場を眺める。
 彼らの視線など、意に介する様子もなく、見たければ見れば良いじゃないと言わんばかり。
 プールの縁を歩き、人の少ない―――人の目を避けるのではなく、自分が泳ぎやすい場所を探し、歩いていく。

竜胆 > 「……思ったよりも、人が多い。」

 ぽそりと呟く声は、小さく誰にも届かない。とは言え、遊び場であり、人気のスポットに来ているのだから、人が多い事自体可笑しい事ではない。
 誰かがこの声を聞けば何を当然の事をと思うだろうが、今現状、此処にいる人は居ないのだ。
 なので、少女の声は、喧騒に消えて去っていく。
 貴族達は、特に男共は、屹度竜胆の体を見て目を丸くするのだろう。
 裸と先程説明したが、説明忘れている部分があった、股間にブランと垂れさがる一物。
 女性的な体に、大きなそれは両性を持つ者であり、人外だと判れば納得もしやすいだろうが、大きさが大きさで。
 並の男性では、己のそれと比べて萎縮してしまうのだろう。
 と言うか、ぶらりぶらぶらして居れば、何かしらを思うやつがいるだろう。
 しかし、竜胆の背中の翼と尻尾があるからか、声を掛けてくるというも差はいない。

 青い瞳が横目で彼らを見れば、慌てて目を逸らす始末。
 関わり合いになりたくないという雰囲気であれば、声を掛けることも無く。
 さて、と、人の少なめな場所を見つけて、プールにちゃぷり、と足から入っていく。

「本当、生ぬるいのね。」

 謳われていたように、温水でつくられているプール。
 感心しながら、肩まで浸かり、ちゃぷり、と水を掻き分ける、久しぶりに泳ぐわ、と、水の中、すいすい、と腕を、足を動かして。