2020/10/06 のログ
ご案内:「ル・リエーの水遊場/休憩室」にシュバルトさんが現れました。
シュバルト > 「はい、治療お終い。水際は濡れて滑るからほんときをつけてね?あとちゃんと救急のほうに行ってくださいね?」

白衣の袖から伸びる青白い腕をひらひらと手を振り利用者の一人を見送る。

どうも水際を駆けっこして滑って頭を打ったらしく、親御さんが焦った顔で駆け込んできたので対応したのだが、此処じゃなくてちゃんと医者と治癒魔術師が準備されている救急のほうに行ってほしかった。

だからって看ない訳には行かず魔導調律とそれの応用で脳に流れる血液に問題は無いか、他の部分にも同様に異常がないかを確認し、ちゃんと後で救急のほうに行ってください、と伝えて見送り、無事お仕事終りである。

「さーって偶には普通の仕事をしたいものだけど。」

王城でも結局来たのは今のお客様と同じ軽症の怪我とか、重症か否か判断付かず慌てて飛び込んできたお客様とか、普通に医者に見せればいいのにと思うが、医者に見せられない理由は諸々あるだろうし、と笑顔で応対していたが、自分が此処に招かれているのは医者の真似事ではなく、美容マッサージを施術するためであってだな……。

――そんな此処はル・リエーの水遊場の更衣室と同じ階層にある休憩所。
中は発汗作用のあるシナモンに似た香りのアロマが香り、シンプルに施術用のベッドと背凭れのない椅子が二組、机に無数の水差しに……諸々と休憩と言うよりも無料で受けられるマッサージルームといったところである。

今夜は此処で仕事。
お客様を見送り終えた後は椅子に座りなおして、白衣のポケットから革カバーの小説を取り出して、読書を始めるのであった。

部屋の入り口にはそんな読書家を呼び出す為の水晶で出来た呼鈴が置いてあり、直ぐ傍に『御用の方は鳴らすか、直接中へどうぞ』と書かれたメモが置いてある。

シュバルト > 「……はぁ………。」

既に読み終えた小説は三冊。
テーブルにはその読み終えた本を積んでいる。
さて、休憩室を閉めるにはまだ大分時間があるし、でも持ち込んだ本はもう全て読み終えてるし、と溜息。

仕事は仕事であるからして、もう流石に寝落ちは不味いと両腕を伸ばして背筋をぐーっと伸ばして、身体を解すと、ちょっとだけ面倒そうに持ち込んだローションなどの薬液の整理を始める。

どれもこれも一級品までは届かないがどれも中々レベルの高い品であるのは入れ物の瓶を見れば一目瞭然だろう。

ただただ時間だけが過ぎていく。