2020/08/02 のログ
ご案内:「ル・リエーの水遊場 上層 貴族向け/流れるプール」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ > 王都近郊に建設された騎士らの水泳練習は平民から貴族までが愛用する常夏の水場へと変貌した
貴族向けの上層にて、平民よりも魔術や鍛えた身体でズルをしなければ太刀打ちできないような、流れるプールは鍛えたい猛者が
奴隷や手持ちの駒で賭け事をする貴族が使う以外は、弱めな流れの中で悠々と泳ぐためのもの。

プールの周りは観戦用にくつろげるビーチチェアやテーブルが置かれ、夏向けのドリンクや酒精、軽食で利用者を楽しませる。
メイラもまた、ここ20年で様変わりした水遊びの場へと水着を購入してやってきていた。
見た目はシルエットを意識し、ふたなりを隠蔽しているものの両腕と両脚、そして臀部の割れ目上から背中へ虎皮模様や蛇の胴体頭部のタトゥー紋。
遊び好きを思わせる姿ながら、貴族の中にいると少し浮いているだろう。
腹筋や二の腕、二の脚に浮かぶ上がる筋質から、ただの遊び好きではないとは目利きの利く貴族や商人らは知れているかもしれない。

「面白い仕掛けですわね。
 最強設定はデッドプールにでもなるんですの?」

一人で出向いた折、トロピカルグラスに飾られた果物と管の先。
ちゅぅ~とドリンク寄りな酒精を口にしながら、あの流れで筋肉お化けがバタフライやクロールで競うと思うとみてみたくもある。
ドリンクを差し出したスタッフは、どこまで強くなるのかはわからない、と言っていた。
魔導仕掛けも業が深いものですわ、とチラリと流し。

メイラ・ダンタリオ > 半分ほど残したグラスの中身を脇に置き、今は利用者もいないプールの飛び込み台に立つメイラ。
ペタペタと飛び込み台に近づく前に、設定をやや強め。
弱くもなく強すぎることもなくを選択した。
ならば、と流れるプールは意識的に強められたものではなく、何もない溝を大量の水が緩やかに力強く流れていくような光景になる。
まるで縦に回転しているようにすら見えるプールの淵で、グッグッと身体を解す。
両腕を伸ばし、両足をまっすぐそろえ、折り曲げた上半身の胸元が膝に押し潰れるくらいにし、両足を抱くよう。
柔軟な身体を起こしながら、いつのまにか周囲には賭けではなく純粋な暇つぶしで集まる物好きな強き勢が数人。

「フフッ」

何も賭けないからこその自由参加か、とするものの、アピールでもあるかもしれない。
他の勢は金持ちに売り込むことで、賭けに参加しスポンサーを見つけることを望んでいるやも。
純粋な勝利か わざと負けて賭けをずらし大穴を巡らせるか。
どのみち見せつけなければ始まらないといったところで、四肢に刻まれた紋が肌上に浮かぶ。
まるで手甲と脚甲 そしてずるりと尾のように揺らめく蛇が尻際に。
周囲が障り鳴る中、興に乗った貴族の付き添いの高級娼婦か、端で声を出す。

『位置について! よぉい!                  どんっ!』

 姿勢を構え   足が力を込め                飛び込んだ。

水の飛沫は激しくいくものから、するりと入り込むように入るものまで。
メイラは水の中に鋭く入り込み、水中で潜水泳で蛇の尾をくねらせる。
全身がまるで蛇のように身体を伸ばし、揺らめく体は澄んだ温水の中で気泡と波打つ反射以外はない。
バシャバシャとなる水面を覗きながら、一人の丈夫体躯にウィンクを向け、半ばまで進んだ所で顔を出す。
両腕で掻き分け、上半身が水面から飛び出る泳法。
前半とは違う荒々しいそれは、蛇の尾のような浮き上がる紋の実体化がより支えになり、跳ね飛ぶよう。
結果は騎士でもしていたのか、肉体美の丈夫とのタイ。

腐敗していると呼ばれるメイラ達なら、蛇のようなそれで足を絡ませ引きずることもできたものの、ただの遊び。
水面から上がれば、髪を両手でバサリと背中に広げなおしながら水気を掃う。
前髪をかき上げ、滴る中で口笛や拍手の中、肌の中へ沁み込むように戻った四肢と尾の紋

「タイ……気に入りませんわね。」

負けず嫌いな性格が、赤い瞳を細めてギザ歯を見せて笑った。
向こうも挑発的な笑みなものの、売り込みはできたのか満足気にお互い逆向きに歩き出しては、スタッフの差し出したタオルを使い
身体の水気をさらに掃うだろう。

メイラ・ダンタリオ > 泳ぎやくつろぎを堪能したところで、いったんここから退こうと適当な就寝場所を探そうか。
ゴルドを掃えば抱き枕だろうが、閨の相手だろうがどうとでもなる。
嗚呼、でも、休暇を楽しみすぎたせいか 体が持て余して仕方がない……。

ご案内:「ル・リエーの水遊場 上層 貴族向け/流れるプール」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。