2020/01/03 のログ
ご案内:「ル・リエーの水遊場」にセイン=ディバンさんが現れました。
■セイン=ディバン > 「……ふぅっ!」
ル・リエーの水遊場。施設内の競泳用プールゾーン。
一人の男が、長く泳ぎ、ざば、とプールサイドに上がる。
本日は、趣向を変えて、泳ぎによる訓練を行っていた。
「……っかぁぁぁ~っ。
やっぱ、喫煙辞めるかねぇ……」
長時間の水泳により、自身の体について把握していく男。
明らかに、心肺機能が衰えているな、と自覚しつつ。
男は体の水滴を拭いていく。
「……にしても。この季節に泳ぎ、ってのもいいもんだ」
プールサイドで一息吐きながら、周囲を見る男。
主に見ているのは、水着の女性。本当に、ブレない男である。
「……貧乳も、巨乳も、爆乳も、無乳も。
どれもすばらしいものです」
などと、鼻の下を伸ばしながら言う男。
完全にエロ親父丸出しであった。
■セイン=ディバン > 本当に、もう教科書に載せたいくらいにだらしない女好きな男ではあるが。
女性の水着姿を見ても、股間を膨らませるような無様は晒さない。
「ん~。見てるだけってのもアレですが。
まぁ、それはそれで……」
プールサイドに備え付けられたイスに座りつつ。
男は近くを通る女性を見て、うんうん、とか頷いている。
「とはいえ! 触れればもっといいのですが!」
どうでしょうか! などと近くに居るスタッフに声をかける男だが。
スタッフの男性は『ソウッスネー』などと、塩対応であった。
■セイン=ディバン > 「……と、言っても。
一応は訓練で来てる、という名目上。
そうそう女性に声をかけるわけにもいかず?」
う~ん、と男は体を伸ばし、体の疲労を抜いていくが。
近くに居た男性スタッフは『どっちかって言うと、その傷が問題っすねー』などと余計な一言を口にする。
「……うるせーやい」
その指摘に、男は困ったような表情になるが。
スタッフはとことこと離れていってしまう。
確かに。男の体は、冒険者ということもあり、傷だらけである。
寝室、ベッドの上なら照明が暗くて気にならないかもしれないが。
明るい施設内では、どうしても厳つさ、怖さが際立ってしまうだろう。
「うぅ、オレの渋い中年の魅力も。
この傷のせいで台無しかよ」
しょんぼり、と。うなだれてしまう男。
とはいえ、こればかりはどうしようもない部分ではある。
ご案内:「ル・リエーの水遊場」にヴェルソートさんが現れました。
■ヴェルソート > 水遊場のいわゆるプールサイドの椅子に腰掛けている男…すぅはぁと呼吸を整え…片腕しかないその手に持った七色に光を反射する指揮棒を気歩く振ると…ポン、とピアノの音がどこからか。
そのまま、指揮棒をリズム良く振るとピアノの伴奏が水遊場に響き渡り。
『夢を見てる 貴方が見る 月は煌めく
水に映る 夜の鏡 私を映した♪』
水遊場にしっとりと聞いた耳が濡れるような錯覚すら覚える低く甘い歌声が響き渡れば…寄り添っていた男女がどこか周囲を気にするような姿が増えだし…そっと、話し合って暗がりに消えていくような…いわゆる「その気になった」客が増えたようで…。
■セイン=ディバン > 「ん……この声」
近くで響いた歌声、そしてピアノの音に。
男は、むむっ? と上半身起こし、周囲を見る。
周囲の客は、連れ立って暗がりに向かっていったりしている。
もしや、と思いつつ、周囲を観察し続ける男であったが。
「……なぁ。そこの……人。
今乗って、アンタの歌声かい?」
オッサン、と言おうとして。自分自身もオッサンだ、と思い直し。
無難な声かけをする男。
近くに、いつの間にか。なにやら男性が立っており。
男としては、連れ立って消えていないこの男性こそ、歌声の主じゃないか、と予想したのである。
■ヴェルソート > 『あぁ、貴方と私 鏡合わせに手を合わせ
夜心地 夢心地 水に浮かぶように…♪』
まあ、高らかに歌っているのだから目でも耳でも、歌声の主はわかるだろう。
オッサン、と呼ぶには少し小柄で童顔な男は、歌で塞がっている唇の代わりに、笑みを浮かべて肯定を返し、一曲をゆっくりと歌い上げて。
ゆっくりと最後の一振りで、指揮棒からポロン…とピアノの余韻が漏れれば…息を吐き出す音と共に、パチパチと僅かながら拍手が聞こえたりして。
「ふぅ……あぁ、悪いね。返事できなくて…そうそう、今日はここの賑やかしを頼まれたものでね。」
へらりと緩やかに懐っこい笑みを浮かべる仕草も声も、どこか柔らかく、そして艶があり。
■セイン=ディバン > 歌声の方向に視線を向け、じぃ、と観察した後。
相手が歌い終わるか、というタイミングで声をかければ。
「……へぇ、そうなのか。仕事、って訳だ。
……なぁ、もしかしてアンタ、ヴェルソートか?」
男が歌声の主として確認したのは、俄かには歌声の美しさを信じられなかったからである。
人の心を掴み、動かすその声。
おおよそ、人間離れしたクオリティに、思わず歌っているのを確認しながらも、問うてしまった訳である。
そうして、男は相手の素性について、予想を立て、これまた質問をしてみせる。
■ヴェルソート > 「そうそう……って、ん?俺のこと知ってるのかい?」
名前を問いかけられ、首を傾げながらもゆるりと頷く仕草も、見た目はくたびれた風体ながらもどこか躾けられた所作があって。
呪歌で戦場を動かす吟遊詩人の最上位「歌姫【ディーヴァ】」の位を得た高級男娼は、柔らかな笑みを浮かべる。
「生憎と、こちらはそちらに心当たりが無くてねぇ…どこかであっただろうか?一応、顔を見た客は全員覚えてたつもりなんだが…。」
と、すまなそうに眉尻を下げて今度はこちらが問いかけようか。、
■セイン=ディバン > 「そりゃまぁ。オレだって冒険者だ。
様々な技能の持ち主、特に実力者については情報は仕入れてるさ」
それこそ、噂から何からな、と笑いつつ。男は相手に向かい、軽く片手を、シュタッ、と上げ挨拶の構え。
「セイン=ディバンだ。まぁ、アンタよりは無名かもな。
しかしまぁ。吟遊詩人の歌ってのは、改めて聞くと凄いな。
効果がある、なんて物じゃない」
男も、ある程度有名とはいえ。まだまだ国内トップランカーとはいかない。
せいぜい、男の評価というのは『国内で一番強い冒険者って誰かな』みたいな、酒場の話題になった時。
本当に時々名が挙がる程度のレベルである。
■ヴェルソート > 「まあ、おじさんは冒険者は副業なんだけどね。
でも実力があるって評価されてるのは嬉しいね。」
隻腕だとそれだけで評価に響くから特にね、なんて軽く笑いながら、楽器を鳴らす代わりに振っていたタクトをホルスターにしまい。
「セイン…あぁ、少し前にランクが上がったっていう。へぇ…初めて会う、かな? 俺がヴェルソートだ、よろしく。」
とさっきまで指揮棒を振っていた手を差し出して人懐っこい笑みを浮かべて。
「そうかい? といっても、さっき歌ったのはただの『歌』だけどね。もともとその気だったのに、歌に流されて火がついたんだろうさ。」
流石に公共の場で呪歌を唄う程見境なくはないよ?と苦笑いする男の声は、しかし聞いているだけでも気持ちが沸き立つような心地よさがあって。
■セイン=ディバン > 「らしいね。アンタの吟遊詩人の腕前の評価は良く聞く。
けれど、アンタと組んで仕事した、って話はあんまり聞かないからなぁ」
単純に、吟遊詩人としてかなりの実力である相手。
そんな相手と組むには、それなりに、金とか、実力とか、信用とかがいる訳で。
そういうところからも、冒険者が副業であるということは理解できた。
「あぁ、はじめましてだな。
こちらこそ、よろしくだ」
相手に手を差し出されれば、軽く握手。
吟遊詩人の知り合いというのは、そこまで多くはいないので。
貴重な出会い、というヤツであった。
「だとすりゃ、なおさらアンタの実力が凄いんだな。
単純な歌でムード高めるなんて、そこいらのヤツにはできないさ」
相手の苦笑に、男も苦笑を返す。ふむ、と顎をさすりつつ。
相手を見て、男は疑問を口にする。
「ちなみに、呪歌ってのは、アンタはどんな系統のを歌えるんだ?」
なんでも、吟遊詩人が歌う力持つ歌というものは、様々な種類、系統があるらしい。
男はその辺は疎いので、率直に聞いてみた。
■ヴェルソート > 「いや、別に俺は来るもの拒んだ覚えはないんだけども…そもそも俺は後ろで歌ってるべきなんだし。前衛欲しい前衛。」
組んで仕事を嫌がった覚えはないのだ…組む相手に恵まれなかっただけだと言い張ってみる。
まあ、己の声に惑わされた連中が空中分解起こしたことは、ごくごくたまーになくもなかったが。
「ははっ、ありがとな。歌を褒められると嬉しくなるねぇ…。
ん?あ~…まあ、おまじないみたいな効果から、天候や空間を弄るレベルまであるけども。全部合わせたら、100曲くらい…?」
まあ、もちろん条件付きの歌などもあるのだけども…一つ一つ説明するのが面倒になる程度にはレパートリーはあるらしい。
■セイン=ディバン > 「だとすりゃ、アンタの実力に及び腰になってるヤツが多いんだろ」
この辺りは難しい話。あまりにも実力が高い相手と組んだ場合。
仕事が成功しても、自身の評価が上がらないばかりか、逆に評価が下がることだってあるのだ。
「……凄いな。何でも、噂によると、本当に魔術的な歌もあるんだろ?
攻撃魔法みたいなやつ。……ふむぅ。興味深いな」
相手の発言に、男は驚いたような表情になる。
なにせ、呪歌についてはあまり知識がないので。
ただただ驚くのみ、というヤツである。