2019/09/02 のログ
■ミンティ > このまま、なにもしないで歩いているのも虚しい気がする。自分でも楽しめそうなものはないかと探して目をとめたのが、冷たい飲み物を売るお店だった。自分と同じくらいか、年上か年下でもあまり離れていない年齢層のお客が多いように見えて、すこし離れたところから様子を窺う。
どうやら南の国をイメージした鮮やかな色の飲み物に、冷たいクリームを浮かべた商品が人気らしい。おいしそうにストローを咥えている人たちを見ていると、自分の喉も、こく、と小さく鳴った。
かすかに聞こえてくる話の中で、今、すこしだけ話題にもなっているようだと知り、そのテントにおそるおそる歩み寄る。一人で遊びに来て泳ぎもしない可哀相な人、ではなくて、人気の飲み物を味わいにきたとみられる方が、精神的にすこし楽になる気がする。そもそも周囲の人たちが、自分の事を気にかけているわけもないと思うけれど。
「あの、一つください」
ちょうど列が短くなってきたところだから、あまり待たずに済んだ。順番が回ってくると、鮮やかな緑色をした飲み物を指さして注文する。
■ミンティ > 飲み物を購入して、周囲を見回す。すこし離れたところに白いベンチを見つけて、ちょうど人もすくなそうな場所だったから、あそこで休憩しようと歩き出す。途中、やっぱり泳ぐのも気持ちよさそうだと思いもしたけれど、この日は水着に着替える勇気も出ないまま…。
ご案内:「ル・リエーの水遊場」からミンティさんが去りました。
ご案内:「ル・リエーの水遊場」にラシュフェルさんが現れました。
■ラシュフェル > 水遊場という施設はまだ来ていなかった
温泉風の大浴場を自分の領地に持ち込み、公衆浴場にも導入した魔王は、視察に来ていた
目立たないように、少年の姿でプール施設を見て回る
ふむ――温泉とは違う文化で、こちらは楽しむ事を重きに置いてる
今は、チェアに寝そべって、ぶどう酒のソーダ水割りに口を付けて、まだ日差しの強い日光を浴びて
「こういう娯楽施設も悪くないね、うん」
領主としては、娯楽の提供も必要である
問題はここまで気温も日差しも強くないから、領民に人気が出るかどうか、だが
■ラシュフェル > さて――、一度魔族の国へ帰ろう
満足したように、少年は立ち上がり、プールを後にする
ご案内:「ル・リエーの水遊場」からラシュフェルさんが去りました。
ご案内:「ル・リエーの水遊場」にガルディさんが現れました。
■ガルディ > 広々と開放された下層で椅子に腰掛け、暑そうな陽射しを浴びる群衆を眺める男が一人。
陽射しは厳しいが、大きなプールを流れてくる風はそれなりに涼やか。
だというのに男の表情は苦々しく、今もまた大きな溜息を落としていた。
「……泣きっ面に蜂とはまさにこのことだな……」
地下の水遊場で仕上げを施していた『商品』の幾つかが、立て続けに不慮の事故によってさっぱり売り物にならなくなってしまった。
懐への打撃はそうないと言っても、手間暇を掛けた『商品』がゴミ同然とされてしまうのは胸が痛む。
それに、中途半端に熱を燻ぶらせて解散となった身体もそれなりにつらい。
最も人気の多い下層に留まるのは、その解消が主な理由。
誰かを待っているというわけでもない。ただ、今日はモットーもそっちのけに手持ちの駒を増やしたい荒れた気分。
地下で薬漬けになっている娼婦まがいなどではなく……獲物にできる少女でも居ないものか――視線を巡らせる。