2019/08/02 のログ
ご案内:「ル・リエーの水遊場「地下」」にイリーナさんが現れました。
イリーナ > 夏、真っ盛り。

涼しさとロマンスを求めてか、上層から下層まで人がごった返すル・リエーの水遊場。

入場門からは今から楽しそうに遊ぶのを抑えきれない人の流れが続いていく。

その、横。
目立たないようになんてこともない普通の扉が一つ。

「関係者以外立ち入り禁止」とかかれたソレとその横にたたずむ一人の女。

支給された係員用のパーカーは前を開き、下に着ているレオタードはやけに胸が強調されている。
後ろで短めに結んだ銀の髪をだるそうに揺らしながら佇んで。

そんな女の前に現れるのは随分と恰幅のいい中年男性。
手首に巻かれた招待客用のバンドを確認すれば小さくうなずき。

「足元暗いので気を付けて。 最初は更衣室だけど――たぶんおっぱじめてるでしょ」

そんな女の言葉に男は唇の緩みを隠し切れない。
ノリでか、お姉ちゃんもどうだ?とばかりに声をかけるが。

「気分がのったらと、よさそうな相手がみつかったらね」

ドアノブを引きながらそんな言葉でお断りの一言を。

わずかに開かれた扉の隙間から。
聞こえてくるのは艶やかな女の声。
漂うは汗と、精液と愛液の濃厚な臭い。

「それじゃあ、楽しんで」

辛抱たまらんと歩幅小さくその中に飛び込んでいく男を見送りながら。

キィ。 軽く丁寧に扉を閉めれば、元通りのル・リエー。
今ので何人目だったか。と壁に背中を預けながら入っていた男達、女たちを指折り数えはじめようか。

イリーナ > 地下には更衣室、地上のものとも変わらない温水プール、サウナにジャグジー……マットプレイもできる個室に……。

男女ともにそれぞれ両手では足りない人数が降りている。
外の熱さとはまるで違う、人間が発し交わる熱を考えると少し目が眩もうか。


そんな時に、自分と同じようにパーカーを羽織る係員の手を引きながらやってくる男が一人。
後ろにいる女に目を向ければ頷かれることを同意と理解し。

「ごゆっくりー」

招待客に、噂を聞きつけてチケットを買った男。
両腕に女を侍らせる軍人たち、特殊プレイのスパイスとしてのカップル。
はたまた、火遊びを求めての貴族様。

順当にソレを捌きながら入場門にある待ち合わせに使われる時計台を見上げよう。

そろそろ交代の時間だが――このまま降りるのもありかもしれない。
なんて、扉を開くたびに聞こえてくる男達と女たちの交わりにあてられたのだろうか。


「一人で行ってもねー」

まぁ、ともかく。今は交代の時間までこのお仕事を全うしなければならないのだが……。

ご案内:「ル・リエーの水遊場「地下」」にランバルディアさんが現れました。
ランバルディア > 交代時間も間近に迫り、恐らくは最後の招待客の男が姿を現す。

傍らには係員の目印であるパーカーを羽織った女を侍らせていた。
その女は、今現在扉の前に立っている女と交代する予定である筈だった人物。

しかし、扉の前にまで来ても男の傍から離れる素振りがない。
交代時間だと声をかけるべきところをすっとぼけ、扉の前に立つ女と視線を合わせようとせず。
男に連れられるまま、降りてしまおうとしている。

そんなシフトまで知ったことではない男は手首のバンドを見せて、開門を求めていた。

イリーナ > 「あ」

そろそろ交代の時間である――。
と、女を侍らせてやってくる男と自分と同じパーカーを羽織る女。

「はい、ようこそ――。足元は暗いので気をつけてくださいね」

男のバンドを確認すれば、今日最後のやり取りを終えて一息。
あとは、交代するだけなのだが――。

「交代……よね?」

目を合わせようともしない女性に、困ったとばかりに両手を広げてため息。

「……査定、引かれちゃうわよ?」

あからさまに不機嫌そうな視線をぶつけられる。
黙って通せばいいのよ、なんてそんな視線だ。

とはいえ、招待客である彼を待たせるのも従業員としては申し訳がない。

「えー、えー。 お見苦しいところ申し訳ないですが……おひとりで、というのは?」

あくまでも選ぶのはこの招待客である男。
男の意向次第では自分がそのまま残業してもいいのだが。
なんて、問いかけながら紅い眼が男を眺めて。

ランバルディア > バンドを掲げてのやり取りを終えて、扉が開くのを待つばかり。

侍らせた女と、もうひとりの女のやり取りを肩を揺らし小さく笑って眺める。
急かしもしなかいのは――同じ目的地に向かっている所に声を掛けた、故に。
同じパーカーを羽織った女の姿を見た時点で、察していたからだ。

自分と時間を過ごそうという為に不利益も辞さない様子というのは、見ていてとても気分のいいもの。

「……ん?……その聞き方、ヤダ、ってのわかってて言ってんだろ」

問いかけ方は柔らかく、自分に選択権を委ねた言葉に機嫌良さげに視線を細める。
金の瞳が女を見返して、口端を上げて笑みを浮かべ。
腕に絡みつく女の背中から撫でて、まあるい尻をパシンと叩く。

「代替を用意してくれるってんなら……まあ?中に入ってからいちいち探すなんてのは、客のヤることじゃねえなあ。」

たった今顔を合わせたばかりの女に、そこまで執着があるわけじゃない。
なんなら、代わりに紅眼の彼女が連れ込まれてくれるというのであればと思えるだけの器量はある。
強調された胸と、すらりと伸びた足に蛇のような視線を流して。

イリーナ > ちら、と赤い視線が男をとらえる。
このやり取りには――どうやら楽しんで眺めているようでありまずは一安心。

クレームになんてなったらそれこそ大ごとだからだ。

「……そうよねー」

中は文字通りの酒池肉林、より取り見取りではあるだろうけれども。

「一応、私は交代できればフリーだけれど……」

向けられる金の瞳。

はぁ、と一つ面倒そうに息をはけば。

「その子か、私か。お好みなほうでどうぞ」

どっちが選ばれたとしても面倒ごとは避けられないと女は理解してか投げやり気味に問いかける。

選ばれることを信じているのか、そんな視線を侍らされた彼女は向けているけれども。

ランバルディア > 選り取り見取りではあるが、常に誰かの手付きだという雰囲気も拭えない。
誰かの奴隷やもしれないし、無礼講の酒池肉林といえど男の側には男の側で面倒事がチラつくのである。

尤も、如何なしがらみを持っていたとしても相手を雌に落とすだけの自信はあるが――。

「……んじゃ、銀髪の綺麗なお前さんの方で」

小脇に絡みつく女の背を、尻を押して彼女の、扉の方へと差し出した。
男が選んだのは、気怠げな印象の抜けない銀の髪した彼女の方。

「ヤケクソ気味なのは気に入らないが、そんな様子でどんな声を出すのか興味がある」

傍らから向けられている媚びた視線は、もうその後どうなるかが解りやす過ぎた。
だから――お前だ、と一歩前に出て彼女に迫り。

「ほら、いい加減扉を開けてくれ――お前さんが、自分で」

侍らせていた女はそっちのけ。
淫蕩な場への扉を彼女自らに開くよう求める。