2019/08/01 のログ
■アマーリエ > 眼下を流れるプールは際立って深くない。もとより、水練用ではない遊戯用となればこの位が妥当だろう。
泳ぐ速さ等を競うようなものが欲しいならば、別のところにあるものを使えばいい。
「ん、ッ」
故にサンダルを脱いで、無造作な足取りで踏み出せば水しぶきと共に盛大に水中に沈む。
火照った肌を水が直ぐに冷やして熱を奪う。
その感覚に一瞬寒気を覚えながら、水面に顔を出して獣が遣るように首を振る。
纏わり付いた水気を飛ばし、目元に掛かった金糸を掻き上げる。プールの底を蹴って、流れに身を任せながら身体を浮かせる。
「楽で良いわね。大きな浮きにしがみついて流れてるのを見たけど、流されていくが愉しいのも……ん、ありそう」
立ち泳ぎの感覚で流れ、流れる。
泳ぎなれていないと思しい恰幅の良い男女が、寝そべれそうな浮きに捕まって歓声を上げていた様を先ほど見かけたがこういう具合か。
こうも最近暑ければ、水気による清涼感を得たいという感覚は分からなくもない。
水の中で腰に巻いた布や髪の先が、それこそクラゲの如く揺蕩い、波打つ。心地としては似たようなものだ。
■アマーリエ > 「――……でも、流されてばかりなのも性に合わないわね」
流れの方向は――こっちか。
流水の向きとは逆に身を回し、手刀を切って水を掻く。
奔魚の如くというには足りないけれども、しなやかに身をくねらせて泳ぐ。
程良い具合だ。滝を登れという荒行には及ぶべくもないが、これはこれでいい。いい運動になる。
水の流れに程々に逆らい、時折不精して流れに流されて。そうやって遊んでいれば日は沈む。
泳ぎ疲れれば水から上がって酒を呑み、どうするかを思いながら時を過ごそう。そうやって休日は過ぎゆく――。
ご案内:「ル・リエーの水遊場」からアマーリエさんが去りました。
ご案内:「ル・リエーの水遊場」にレーナさんが現れました。
■レーナ > 近頃は諸事情であまり仕事を受ける事が出来なくなり代わりに足を運ぶのは水遊場。
しかも泳ぐ訳ではなく人の少ないプールで身体を浮かべて涼しさを楽しむためだけ。
今日もそんな理由で足を運んで冷たい水に身を浮かべているだけ。
「この暑さはたまらんな……」
ここにいる間は涼しくてよいのだが出れば地獄。
かと言い、ここにある施設に宿泊するには持ち金は心ともない。
帰るまではこうして堪能しよう、それしかないとゆったりとした時間を過ごして。
ご案内:「ル・リエーの水遊場」にエズラさんが現れました。
■エズラ > 「よっ、レーナ」
水面に浮かぶ女の視界に、笑みを浮かべた男の顔が映る。
時折この水遊場に彼女が来ていることは知っていた――特に、人気の少ない場所を好むということも。
「魔族でも、暑さには慣れねぇもんなのか?」
■レーナ > 「……よく会うな、エズラ」
気持ちよさげに水に浮いていれば直によく知った男の顔。
時々思うのだが行動パターンを読まれているのかと考えながら金と赤の瞳を細めて見返す。
「当たり前だ。暑さはどの種族も勝てない最小の敵だ」
お前もだろう?と問いかける様に見れば飛び込れてはたまらないと場所を少しだけ移動する。
■エズラ > 「確かに、ここんとこの暑さにゃ参るぜ」
こちらが飛び込むのを警戒してか、少し離れた位置へ移動するのを見て、プールの縁に腰かけ、脚ばかりを水に浸ける。
仰向けに浮かぶ彼女の肢体、特に水の上に出ている部分をムフフと笑みを絶やさず眺めている――
「――遊泳場も良いが、よけりゃもっと涼めるとこに案内するがよ――来るか?」
■レーナ > 「お前が暑いのは別な理由がありそうだが?」
前に飛び込まれた時にずぶぬれにされた記憶は新しい。
それゆえの警戒ではあるが飛び込まない事に意外そうに底に脚をつけて立ち上がる。
いい加減慣れた視線ではあるがそれから少しでも身体を隠そうとする時悪でもあり。
「もっとか……何を考えているかは判ってはいるが…。良いだろう、そこに案内してもらおうか」
男のいう事だから直ぐに検討は付く、しかし熱さに耐えかねて話に乗って。
■エズラ > 「ああ、今一段と暑くなったとこだぜ」
ゆらゆらと水の中で両脚を遊ばせながら、彼女の皮肉を受け止めて。
そのまま水の中へ滑り込むと、その背を抱くように――
「ムフフ、そうと決まりゃ善は急げってな――」
そうして、水遊場から攫っていくのであった――
ご案内:「ル・リエーの水遊場」からエズラさんが去りました。
■レーナ > 「私としては涼しくなるまで何処かに避難も今は考えているな…」
皮肉も通じない男の姿に口では勝てないかと肩を落とし。
背を抱かれるような事ももはや慣れた事と好きにとさせ。
「こういう行動力は……ま、待て…!」
そして産む藻岩座主に攫われていくのであった。
ご案内:「ル・リエーの水遊場」からレーナさんが去りました。