2019/03/04 のログ
ご案内:「ル・リエーの水遊場」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
ギュンター・ホーレルヴァッハ > 王都での会談。各ギルドや貴族達への武具の搬入。社交界への挨拶回り。現場の将軍や兵士達との懇談会等々。
過密なスケジュールをこなし続けていたが、流石に本家の執事から苦情の手紙がやってきた。というか、執事長本人が来た。

曰く『休め』とただそれだけ。将来ホーレルヴァッハ家を背負う立場の自分が過労で倒れては元も子もない云々と言っていたが、心配はしてくれていたのだろう。後の予定はキャンセルと代わりの者を手配され、あっという間に白紙になったスケジュール。
というわけで――

「……休みと言っても…することもないのだが…」

こうして、ぷかぷかと浮いていた。
未だ冬の寒さが残る外とは無縁の程良い水温のプールの中で、何をする訳でもなくぼーっと漂っていた。
夜半という事もあってか、人の気配は少ない。穏やかな水面を漂いながら、気付けば仕事の事を考えていたりするのだが。

ご案内:「ル・リエーの水遊場」にルキオラさんが現れました。
ルキオラ > 「おやおや、ギュンター様ともあろうものが
 水遊場くんだりまで来てぼけーっとただ浮かぶだけとは……おいたわしや……」

プール近くのビーチチェアに明らかに規格の合わない小人がいわゆる海パン姿で寝そべっている。
ご丁寧に黒眼鏡まで身に着けている。神出鬼没であった。

「せめて金髪巨乳美女のひとつやふたつでもつけてあげましょう。
 ホホホホホ……」

などと宣うとプール近くのタイルから白皙の美女……
型の石人形を作り出してプール際で色気のあるポーズを取らせた。
遠目ならごまかせる出来だが、近くで見ると得も言われぬ不気味な顔をしている。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「……ほう。王族へ喧嘩を売るとは良い度胸だ。言い値で買ってやろうじゃないか」

揺蕩う意識を引き戻したのは、聞き慣れた小人の声。
しかし、その言葉と現れた石像を視界に捉えれば、浮かべるのはにこやかな笑み。
全く瞳が笑っていない状態で浮かべた完璧な社交スマイルのまま、すいすいとプールサイドまで近づいて上がる。

そのままビーチチェアまで近づくと、笑みを浮かべたままにこやかに、しかし静かにルキオラを見下ろして首を傾げているだろう。

ルキオラ > 「えっ……なんで怒ってるんですか?
 わたしはせっかく退屈そうなギュンター様の無聊を
 慰めてあげようと思っただけなのに……アハハ……」

ルキオラにはもともと王族を敬う心はない。資本に対してはある。
本音が三割おちょくりが七割ぐらいのセリフを言い終わらぬ間にルキオラの周囲を影が覆う。
慌てたあまり黒眼鏡もズレて、美女像のような何かはバランスを崩してぐにゃっと倒れた。散々である。
そのまま威圧し続けるならビーチチェアの上で土下座の姿勢を取るだろう。

ギュンター・ホーレルヴァッハ > 「…全く。もう良い。頭を上げよ。私は兎も角、揶揄う相手は選び給えよ。問答無用で手打ちにする者もいるでな」

暫く無言で見下ろしていたが、呆れた様に溜息を吐き出すと纏う空気を穏やかなものにする。
そして再びプールへと歩みを進めると、縁に腰掛けて足だけ水につけてそのままゆらゆらと。
髪から垂れる水滴を鬱陶しそうに手で払いのけ――

「…それで?わざわざ声をかけてきたという事は、研究の進捗状況でも報告に来たか。それとも、余暇の過ごし方も分からぬ私を笑いに来たか?」

小さく背伸びをしつつ、相手へと振り返って僅かに首を傾げる。
先程迄水面で揺蕩っていたからか、言葉遣いは兎も角、普段の高慢な態度は幾分和らいでいるだろう。