2023/07/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にエリビオさんが現れました。
■エリビオ > 貧民地区までの配達業で大分帰りが遅れた。
報酬の金貨袋をつめた腰の革袋を重たげに揺らしながら急ぎ足で帰路を目指す。
路地裏から値踏みするかの入れ墨入りの男や、薄紅の怪しき明かりが灯る店の数々に
視線を合わせることがないように足を運び帽子を目深く被っていたのだが。
「あっ」
つい声があがった。露出多き既知なる人の姿が目に入ってしまう。
暫く様子を伺えば、何処に向かうでもない、何かを探すようにうろつく姿に娼店目当てかと思えど。
「やぁ、アストラ。元気?」
声をかけずには立ち去れず、にっ、と笑みを携えて挨拶を。
迷惑そうならば立ち去ろう。
■アストラ > 名前を呼ばれて、長くうねる蒼銀の髪をなびかせて振り返る。
そこにいたのはいつぞや会って筆おろしをしてあげた年若い少年だ。
相変わらず快活に笑う少年にアストラはにこりと微笑みを返しながら、僅かに上向くように視線を上げて頬に手を当てる。
「あらエリビオ、久しぶりねぇ。
ええ、元気よ。そっちはどうかしら?」
そんな風に知古への返事を返しつつ、彼の顔から腰元まで軽く視線を落とす。
不意にぐっと体を寄せれば、あっという間に二人の間の距離を詰めて、相変わらず露出の多い豊満な胸元を押し付けるように密着し、彼の脇腹から腰裏をくすぐるようにやんわりと撫でた。
「今日は娼館探しかしら? ふふ、君も遊ぶようになったのねぇ」
と笑いつつ、そっと顔を寄せて声を潜める。
「でもこの場所では、財産は分けてお持ちなさいな。悪い人に取られてしまうわよ?」
と、重い音を鳴らしている革袋をマントの下に伸ばした手で軽くじゃらりと揺らして告げる。
王侯貴族も通うという噂の娯楽施設が多い場所とは言え、貧民地区なのだからと軽い忠告だ。
案の定というか、アストラと同じく音を聞いて少年を追いかけてきていたらしい男たちを見ながら、少年と密着したまま腰を引いて歩き出そう。
娼婦のような姿のアストラと共に連れ込み宿にでも入れば、流石に諦めるだろう。
「今日はお姉さんが、守ってあげる」
■エリビオ > 「ぼちぼちでんがな?」
慣れぬ言葉に語尾を釣り上げながら、あはっ、と明朗な声をあげた。
「ははっ、知り合いの変な喋り方真似してみた。
こっちも元気だよ。」
戯言交わして微笑みは深める。言葉の交接は大好きだ。
また、不意に距離を近寄り艶然とした笑みには――
「いや、俺はギルド依頼の帰りで……エッチなのは嫌いじゃないけれど。君の姿が見えたから挨拶しておこうと思ったんだ」
脇腹にふれる淡い慰撫に目元を赤く染め、言い訳まがいに長いまつげを伏し気味に俯く。体の交接もまた好む所で、興奮してしまう。
「あ……いつのまに?」
報酬の麻色の金貨袋、確りと注意していたのにいつの間にか触れられるのには、照れよりも驚きに目を丸く。
そして背後から迫るさっきに身を翻し、彼女の盾になろうとするが。
「っと!ちょっと。」
あれよあれよと守るどころか連れ子のように宿屋へと。
初めて入る娼婦宿は普通と変わらぬ。されど隣から聞こえてくる嬌声に、また熱くなる目頭を指の背で擦って。
「あはは、つけられてたんだね俺。ありがと……でも、男なのに守られるのってなんか、情けない」
小さく舌を出して照れ笑い――彼女の妖艶な姿ではなく、雄の羞恥を擽られて居心地悪く腕枕して佇んでいたが。
すぐに革袋から金貨を取り出し、それを半分ほど真白の袋に詰め直す。
「はい。俺を守ってくれたお礼。分けといたほうがいいんでしょ?」
財産分与を分け与えると勘違いした少年は、愚かにもその真白の袋を差し出した。
■アストラ > 相変わらず親し気に話しかける少年に誘うように微笑を浮かべながら反応を伺いつつ、追われている事に気付いたのなら追手に反応してしまうのは良くない。
避けられるものであるなら賢く避けるべき、というように彼を引きつれて、近くの連れ込み宿へと入っていく。
こういう場所に不慣れなのか、エッチなことは好きと言いながらも聞こえてくる嬌声にどこか恥ずかしそうにする様子には小さく笑って。
部屋に入り、施錠すればそのままベッドの方へと歩いていき──。
「別にいいじゃない、知人を守るのに男も女もないわ。
────……あらあら、まぁ。君は底抜けのお人好しなのかしら?」
何か音がすると思ったら、金貨を分けて差し出していた。
呆れたように腰に手を当てながら、金貨の袋はそのまま机へ置き直し、彼の腕を引っ張ってベッドへとぽいっとしてしまおう。
大人しくベッドへ座ったら、鎖骨から胸のあたりの地肌に触れて、彼の脚の上へ跨るように乗り上げて。
「お礼なら今から頂くわ。……身体で、ね?」
妖艶に笑みを浮かべて、明かりを落とす。
ギッと軽くベッドを軋ませる音を立てながら押し倒して、淫靡な夜は更けていくだろう──。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からアストラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からエリビオさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区・娼館通り」にヴェルソートさんが現れました。
■ヴェルソート > 「今日のお仕事おしまいーっとな。」
そういって、貧民地区にある娼館通り…華やかに着飾った女性が道行く男に声をかける場所でぐぅっ、と伸びをする隻腕の小柄な男。
パキ、となる体をほぐしながらも仕事…昼間の地区の見回りを終えて、ふぅ、と息を吐く。
自警団だけでは手が足りないらしく、時折冒険者ギルドに依頼がやってくるのをたまたま引き受けたのだ。
貧民地区はたまに散歩しているので、いつもの散歩で金がもらえると思えばお小遣い稼ぎにちょうどいい。
あとは明日ギルドで報告して報酬をもらえばおしまいだ。
「あんまり呑むと酒焼けしちまうから酒はなしにしても…夜はどうするかな。」
またどこかを散歩して歌でも唄っておひねりでも集めるか、それとも別の仕事を受けようか…。
榛色の髪をゆらしながら頭を捻り…ひらひらと同業者に挨拶代わりに手を振りながら歩く男の声は、歌唄いの甘やかなテノールを響かせて。
■ヴェルソート > 「…そういや、ジーゴの奴、昨日は帰ってこなかったな…またどっか入り浸ってるのかねぇ。」
鼻歌交じりに歩きながらも、ふとなんとなく思い出したのは、同居人のミレーの少年。
今何してるんだろうなぁ…となんとはなく気にはなったものの…居場所を知ってるわけでもないのだ、じき帰ってくるだろうと、スタスタ歩く足取りは、少し落ちただけで止まりはせずに。
■ヴェルソート > 「…帰るか。」
なんか少し…胸騒ぎがするから…宿に戻ろう。すこしだけ、足早に……。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区・娼館通り」からヴェルソートさんが去りました。