2023/06/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/廃教会」にボスさんが現れました。
ボス > 昼間だというのに、廃教会を中心とした半径50m以内に人の気配はない。
年々拡大する貧民地区を平民地区へと戻そうとでもいうのか、区画整理が行われている。
この廃教会は所有者が不明のため取り壊されずに残っているが、おそらくそれも時間の問題だろう。

「やれやれ。どんどん居場所がなくなってくねぇ」

落ち着いた声を煙とともに吐き出したのは黒髪黒眼鏡の女。若くはないが、年老いてもいない。
己の家のようにくつろぎながら長椅子に背中を預ける。
首だけ巡らせて扉に視線を向けた。これだけ静かならば、人の身でも近づく者の気配を察知できるだろう。

ボス > 時は過ぎ、日暮れが近づく。
廃教会はいつの間にか無人になっていた。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/廃教会」からボスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にコルボさんが現れました。
コルボ > 平民地区の大通りで露店から食事を買い、飲み食いしてから貧民地区の路地裏へ向かう。
軽い腹ごしらえを済ませて、相手を待つ。

渡す情報を変えて、周囲に売る情報を変えて、己を利用しようとした馬鹿な貴族を失脚させた。
この腐敗した国では弱みを見せたものから貧民も貴族も周囲から食いちぎられるいつもの光景。

その代価として、その貴族の差し金で撒かれた告知。

己の首に生死問わずかけられた報奨金。
貴族の家が潰れるまでの間だが、それでもその間は”容疑”は有効で。

「面倒くせえなったく……」

そう言いつつ、路地裏の数か所に護符、コモンルーン、他にもアナログな簡易罠を仕掛けてその奥に。
最初から真面目に応対する気などない。

それなりの報奨金につられる相手などたかが知れてる、
もしくは金などどうでもいい、あらぬことを吹き込まれた正義感に満ちた誰かしら。

どちらにせよ自分の敵ではないし、女なら、少し相手をするのも楽しいだろうとやがて鼻歌を交えて。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からコルボさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にオウルさんが現れました。
オウル > 今夜は本当に珍しくギルドの仕事で貧民地区にいる。
ギルドと一言でいうが今夜は冒険者ギルドの依頼で、凄く普通で凄く真面目な仕事なのである。

平民地区寄りの貧民地区の狭い路地で少年は一人壁に寄りかかっている。

所属ギルドの仕事を完全に抜けたわけではなく、平民地区で使うに綺麗なゴルドを手に入れようとして選んだ仕事であり、決して見知った路地だし?仕事として簡単で?寝てたってバレやしない、何て理由で選んだわけではない。

「……迷子の案内、そう案内。
 稀にくるんだよなー貧民地区と知らないで此処に来る奴。
 あとは炊き出しや施しのシスターさん方とか……。
 稀に学生さんも迷い込んでくるとか?」

暇のあまりに独り言でべらべらといない誰かにむけて今夜の仕事の内容を説明してしまったが、そう、それが仕事であり、適当なタイミングで切り上げて最後に冒険者ギルドに報告すれば代わりの人員が来るというシステム。

途中で同じ仕事を選んだ冒険者も来る事があるらしく、そうしたらその場で手伝うか交代してもよいそうだ。

(――まー……こんな仕事はねぇ、安全っちゃ安全だけど、あまり選らばねぇよなー……。)

掌を口元に当てて大あくび。
視線はあたりを見ているようで見ておらず。
眼帯をつけた左眼と裸眼の右の両方で時折あたりを見回したり、こんな場所でも綺麗な夜空を見上げて、また大あくび。

オウル > ――話し相手もいない、迷子もこない、仕事が無い。
そうしていると口寂しくなって、ズボンのポケットに手を入れると事前にいくつか購入しておいた棒つきの飴を1本だけ取りだすと、味も確かめずに包み紙をあけて飴を口に入れる。

最初は甘いだけだが次第に果実のフレーバーが出てくるのだが、それを味わうよりも先に包み紙をくしゃくしゃにしてポケットにしまいこむと、早く表層の甘いだけの部分が溶けないかなと口の中で飴を転がすのだった。

傍から見れば少年が煙草でも咥えているように見えるかもしれないが、これは立派な飴であり、何ならねだれば1本くらいわけてくれるだろう。

「………に、しても……暇が過ぎる。」

飴を舌で軽く押えて器用に独り言を呟くと、どうしたもんかねぇ……と愚痴りながら両手の指同士を絡めて内から外へと腕を伸ばすようにしてポキポキと手の指を鳴らし、何事も発生しない暇な時間をだらだらと過ごすのだった。

体感的にはもう帰ってもいい時間だろう。
交代要員もくる気配もないし、冒険者ギルドに立ち寄ってから帰る事にする。


まあまあ貧民地区の界隈を知っている人間でこの仕事を選ぶ人間が少なかったようで、次回も頼まれたが……適当に愛想笑いしてごまかした。
こうして少年の1日は終わる少々のゴルドと共に。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からオウルさんが去りました。