2023/06/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にホウセンさんが現れました。
■ホウセン > 夜の王都。
日が落ちて寝静まるどころか、繁華街で活況を示すのは貴賤を問わずらしい。
そんな喧騒が立ち込める一角から、少し裏に入った辺り。
住む者がいなくなって久しいのか、住んでいても手入れをする余裕がないのか。
ところどころ朽ちた趣のある家屋が見え隠れするエリアに小柄な妖仙の姿。
今宵は訪問者、来店者という趣ではなく。
誘蛾灯が如く、観音開きの木戸の上に掲げられた青紫色の魔法仕掛けの灯。
斯様な設えの”店”の受付の中に。
「試みとしては間々良い出来の類ではあろうが、客が来ぬ間の手持ち無沙汰は如何ともし難いのぅ。」
カウンターに半ば突っ伏して、足の長いスツールのせいで床につかぬつま先をプラプラ。
店内は仄明るい程度の明度で、受付スペースから真っ直ぐ店の奥へ廊下が続いている。
一直線の通路の左右に個室への入口らしい扉が姿を見せているものの、入店直後に見えるのはそれぐらいのものだ。
看板も店内も一見さんお断りの不親切仕様この上ない。
「とは言うても、ここに客が鈴なり…というのは、ちぃとばかりこの国の行く末が心配になってしまおうが。」
自分の遊興以外のことに執心しない妖仙が、心にもない良識的な戯言を吐くのはいつものこと。
ではここが何かといえば、ストレスやら疲労やらを霧散させる施設――という触れ込みを流布している。
その癖、情報源たる客たちは、一様に如何なる手段が用いられているかを絶対に口外しない。
呪術による制約か、それともこの店で起きたことを明かされての社会的抹殺を恐れてか。
そうやって、この”遊び場”は維持されており。
■ホウセン > その日、妖仙の毒牙に掛った者は――
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からホウセンさんが去りました。