2023/05/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にオウルさんが現れました。
■オウル > 流石に雨の日は貧民地区も静かなようで、娼館街の方から甘ったるい声が聞こえてくる以外は雨音よりも大きな音は聞こえてこない。
若干平民地区よりの貧民地区の数ある路地のひとつ。
少年はひとりで廃屋の庇の下で雨宿りをしている。
本当なら今頃平民地区の本屋にいる筈が、あっちの仕事が終わった報告と一旦保留になっているラジエル学院に潜入する件はどうなっているんだ?と確認していたら、こんな時間になってしまうし、気がつけば外は結構な雨で走ってみたものの……濡れ鼠になりごらんのありさまである。
外套はある程度防水加工はしているので直接濡れてはいないが、防水加工をもってもしても外套はほんのりと雨で濡れているし、フードをかぶってもフードから垂れる雨水が外套の中に入り込んだりと……「くしゅんっ。」中々に厄介。
「ギルドで雨宿りするのは仕事を押し付けられそうで嫌だし?
じゃあ平民地区の本屋まで、は遠すぎるし……。
どうすっかなぁー………。」
ため息を吐き、少し項垂れる。
体温が下がった所為で少しだけ紫色味を帯びた唇で自嘲気味に笑い、眉間に皺を寄せた不機嫌そうな顔をしてしまう。
本当にどうしたものだろうか。
ここらに知り合いなんぞいないし……。
■オウル > 思い切ってギルドに戻るのが吉か。
それとも平民地区に出て何処かの店に飛び込むのが吉か。
――雨脚はボチボチ、今なら走ればこれ以上は……。
「って、思うんだけど。
ずぶ濡れでお店にいれてくださーい、何て言って入れてくれねぇよなぁー……。」
左眼から貌の左側に装着している眼帯も濡れて微妙に気持ち悪い、少々外套の中にも雨水が入り込んできて少し寒い。
はぁー……と本日2回目の大きなため息を吐き出すと、こんな時期だというのに吐き出した吐息が白くて、嫌になる。
本当にどうしよう?どうすべきか……あーもう……。
雨雲分厚い夜空を見上げる。
自嘲気味になっていた笑みは自然としっかりと苦笑いになるのだった。
進むか戻るか、と考えれば進むを選ぶ。
気がつけば小雨となった雨脚の中を少年は駆けていくのだった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からオウルさんが去りました。