2023/04/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にオウルさんが現れました。
オウル > 仕事の準備期間とはいえ暇なものは暇である。
今夜はその暇を何とかすべく片手までやれる仕事をギルドより請け負ったのだが、以前と変わらぬ『飴玉』配りである。

ギルドマスター曰く、次の仕事の際に自由に使える小遣いくらいにはなるだろうとの事。

外套のポケットに『飴玉』が詰まった皮袋をギルドではなく、貧民地区のとあるお店より受け取ると、配布するために平民地区のほうへと抜ける道を歩く。

いつも以上に耳障りなほどに賑やかな貧民地区。
外套をみにつけた少年は一人地区と地区の境界線の方に向けて歩いている。

時折欠伸を噛み締める仕草を見せるのは周囲の視線を油断させるためか、ただただ怠惰な性格なだけか、たぶん後者かもしれない。

オウル > ――この仕事が終われば次なる仕事が待っている。
派遣先は『王立コクマー・ラジエル学院』。
生徒として所属して生徒として活動し、貴族階級のボンボンに飴玉を広めるのが次なる仕事である。

現地でスティールを使い小遣い稼ぎは許可されているが、なるべく目立たない生徒として活動して欲しいとの事。
そこで条件がひとつ加わっているが、それは今は忘れておこう、忘れておきたい、無かった事にしたい。

「……スティール練習しておく?」

自分が所有している数少ない異能力。
スティール、何を盗めるかは無差別であるが対象より身につけているものをひとつ奪う特殊な能力。

多用するとあらぬ疑いをかけられる可能性が高まる為に普段はなるべく使わないようにしているが、一度此処で練習しておくのも悪くない、と思うのだが……喧騒されど辺りに人はいない。

対象も出来れば男ではなく女がいい。
何故なら対象の身につけている物をひとつ奪う
ただし『ランダム』で、男に使ってパンツなんて盗んでしまった日にはトラウマ物である。

なんで早く平民地区のほうに足を伸ばして、盗み甲斐のありそうな人を見つけるか、此処貧民地区に迷い込んでくる人がいるのを探すべきか、ともかく歩くのは止めず黙々と歩くのだった。

オウル > そうと決まれば善は急げである。
――悪は急げか?

とにかく、此処にいても仕方ない。
此処で得られるのは何もないと判断すると少年の足取りは少しだけ速くなる。

少年は平民地区の通りへと消えていくのであった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からオウルさんが去りました。