2023/04/09 のログ
ご案内:「王都貧民地区/魔具店『シャイターン』」にアシュベールさんが現れました。
■アシュベール > 「んー……むむむ。ふーむ……?」
春が近付き、暖かくなってきた今日此の頃。
冬の季節中はまるで冬眠の如く、不定期開店だった魔具店も、ようやく本来の時間に店を開けることが出来た。
そんな濃厚な魔力が立ち上る店の中で、カウンターに並ぶ道具を見据える一人の少年。
この店の店主であり、魔族である存在は――。
「うーん、いい仕事してるねぇ……。」
冒険者から依頼を受けた道具の鑑定を行っていた。
普通なら鑑定屋。買取屋。なんならギルドへの持ち込みでやろうものだが、足を付けたくない存在だって居るだろう。
そういう存在のために此処でも行っているのだが――……持ち込まれたそれは、中々に面白い。
鑑定能力を持つモノクルを左目に付け、エンチャントされた効果に目を滑らせ。
「この腕輪。呪いを増幅させるとかまーじでガチの呪いのアイテムだぁね。
ただ、良い呪いもあるし、そういうのと重ねがけしたら面白そうだな……んー、呪術はあんまり得意じゃないけど、なんかあったかなぁ~……。」
鈍い色の腕輪を指でくるくると回しつつ、足元に居るミミックの魔物にアイコンタクト。
それと共に差し出されるのは――ネックレス。ハートをあしらったそれは確か、そう。
「あー、そうそう。催淫の呪い。うへ……ミミっくん、マジで酷い事考えるねぇ。
やられた側、二度と呪いから戻ってこられないっしょ、それー。」
などと、魔物と談話しながら、鑑定作業中。
ちなみに、この2つのアクセサリを重ねがけすると、ただでさえ発情や排卵という効果が発生する呪いが強化され、
恐らく呪いの対象はとんでもないことになる。というものである。鑑定依頼者にそれを説明するかは、まぁ、さておき。
■アシュベール > ―――そんな風に、魔具の検品や鑑定を行い続ける休日の一幕。
この後も、普段どおりあまり人は来ずとも、
のんびりとした時間を過ごしてるに違いないのである。
ご案内:「王都貧民地区/魔具店『シャイターン』」からアシュベールさんが去りました。