2023/02/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にミュゼットさんが現れました。
ミュゼット > 陽が落ちて久しい時間帯
夜の帳がすっかり辺りを覆い、灯りさえも眠りに落ちたように感じられる。
はらはらと白い雪が舞う夜空は、幻想的ともいえるかもしれない。
奉仕活動からの帰り道―――打ち捨てられたような区画には人の気配も薄く。
けれど、静寂に包まれる路地裏に、小さく仔猫の鳴き声が聞こえた。

「―――どこ?」

暗闇の中で耳を澄まして慎重にその声の主を探す。
消え入りそうな、弱々しい声は、放っておいたらどうなるか察するまでもなく。
焦りの滲んだ呟きを漏らしながら、ガラクタの積み上げられた物陰を覗き込み。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にアシュベールさんが現れました。
アシュベール > ―――貧民地区。その魔族が根城としている店がある地区。
店のための材料集めを終え、陽も落ちたのもあり、さて早めに帰路に向かうかと、人気の無い路を歩く。

そんな中、ふと聞こえた声に足を止める。それはまったくの偶然だったかもしれないが。

「…………ん?」

小さな、動物の声。それと、鈴の音のような少女の声。
風に乗って届いた音に釣られて歩いていくと、その正体を見つけた。
溢れる白い雪をその身体に受けつつ、同じく純白のシスター服を纏った身体を無防備にして、瓦礫の山を覗き込む小さな少女の姿を。
声も、外見も、見覚えがある。顔が見えていないとしても、その名を呼ぶ事が出来るから。ので、口を開いて紡ぐ。

「おぉい、どうしたんだぁい―――ミュゼット。探しものかなー…?」

あの逢瀬の後、名前を伝え合い、後日、時間がある時に店に呼ぼうとしていたバイト(予定)の少女の名前を―――。

アシュベール > ―――返事はない。
小さく聞こえる動物の声。その音の意味を理解すれば、ふわりと口元を緩めた。
それだけ、彼女は集中してるんだろう。
優しい子だなぁ。と――此処で手助けをしても良いが、自分が邪魔になるかもしれない。そう考え。

「―――頑張ってね。だいじょーぶ。君ならねぇ。」

一言。その言葉と、人を救う聖女である彼女なら問題ないと。
瞬間、くるり。と手に持ったのは、1本の杖。エルダートレントと呼ばれる魔物の素材を利用して作ったそれは、高純度の魔力媒体。
それに魔力を通し――この区域に展開するのは、癒やしの陣だ。
彼女が目的の存在を捕まえ、処置を行うまで、きっとその弱々しく、消え入りそうな声が――音を、鼓動を奏でるようにと、祈りを込めて。

そして、少年は帰路に付く。不安はない。彼女なら大丈夫。助けられる。そう、想いを馳せながら。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からアシュベールさんが去りました。
ご案内:「」にミュゼットさんが現れました。
ご案内:「」にミュゼットさんが現れました。