2022/12/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にアシュベールさんが現れました。
アシュベール > 「……どーもどーも。魔具店シャイターンの店主でーす。あ、これ、お届けの品。……良い夜を~。」

寒空の中、貧民地区の住宅街の扉を1件、また1件と周り、歩く小さな影。
そこで渡すのは―――カラフルなラッピングがされた四角い箱。

そう。この時期ならではのプレゼントである。

東方。またはもっと別の国では、この時期になると子供にプレゼントを渡す習わしがあるらしい。
そんなことを店に来てくれた人に行ったところ――なんかこう、作って!みたいな流れになり、当日の深夜。子供の寝静まった頃にお届けにきたのである。
もっと早く渡せばいい?確かにその通り。けど、下手な時間に受け取ると怪しまれるとかなんとか。

「―――やー、夜行性の魔族でよかったよかった。さて、あらかた配り終えた、かなー……あれ。」

がさっ。
腕に抱く宝箱のミミックが――ぱかっとその口を開く。
其処には、配り損ねた箱。

「……多く作りすぎたかなー……。」

アシュベール > 「持ち帰る―――ってのも、なんだーね……。というか、中身なんだっけ……基本的に、子供と大人向けの玩具とかお菓子とか突っ込んどいたっけー……。」

その箱を受け取り、ぺろっと中身を捲ってみる。中身は―――菓子だった。
家事が出来る魔物。もとい、妖精であるキルムーリを呼び出し、作り上げたブッシュ・ド・ノエル。
さり気なくマンドラゴラを隠し味にしたそれは、糖分たっぷり。カロリーたっぷり。栄養素たっぷり。子供に大受けに違いない逸品。

「あー。まー、ここで大々的にケーキ食べるー。って人はあんまいなかったかー。……ふむー。」

そのまま、歩いて向かうのは、帰路。しかしただの帰路ではない。
ミミックの中からフォークとナイフを取り出し、一度彼はお店に送還。
そして、ぱかっ。と箱を開け、ケーキを片手に。空箱を片手に。―――ごうっ!!指輪の輝きと共に空箱を灰にすれば、自由になった手にナイフとフォーク。
切り株のようなそれはこの寒空の中、クリームのカタチ一つ崩していない。其処に切れ味の良いナイフを通し、一切れ。
それを、口元へ―――もぐり。

「あーむ…………んむ。やば、うま。」

人気の少ない貧民地区―――。ケーキをかじって嬉しそうにする魔族がひとり。

アシュベール > 「―――もぐ。ひ、かし……この時間にこれを食べたら……朝飯はいらないなー……。というかー……眠ったら太るかー……。
 ……うし。帰ったら、ちょい朝までメンテナンスして……夜まで眠る、かー……。」

カロリー爆弾を食べてすぐに眠ったら、太るかもしれない。後、朝ごはんいらない。
ならば、カロリーが消費されるまで起き、眠り、夜行性の通りに動けばいい。逆転の発想。

我ながら名案―――と言わんばかりに、食べる手と足が進む。
もうしばらくすれば……我が城。もとい、お店だ。
着いたら温かい飲み物でも飲みながら、実践しよう――。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からアシュベールさんが去りました。