2022/12/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にテンドンさんが現れました。
■テンドン > 「寒いーー!!!!!余りにも寒い!!!寒すぎる!!!つめたい!!!!」
王都マグメールの貧民地区、拓けた広場で叫ぶ声が響き渡る。
広場の中央には積み上げた廃材がキャンプファイアー宜しく燃え上がり。
その天をもつかん炎に必死になって当たっていた。がたがたぶるぶる。
■テンドン > 「ああああもおおお!!!廃屋の解体とか片付けしたらお金くれるって聞いて変な色気出すんじゃなかった!!凄い一杯あるジャン!!!無理無理こんなの一日で終わらせるって巨人でも連れて来ないとムーリーー!!!」
必死になって肉体労働に励み付近にある解体予定の居宅から壊した家の部品を引っ張り出してはその巨大な焚火にくべまくる。
洒落にならない寒さ、びゅうびゅう風が過る都度に凍り付かんばかりの冷気にぞくぞくと背筋が震え上がる!
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にジュンさんが現れました。
■テンドン > 「…ふゆ、ふゆ、嫌い、嫌い……でもこんな事言ってても夏になると今度は夏嫌いってゆってるんだよなあ…人間ってなんて贅沢な生き物……」
もくもくと煙の立ち昇る猛火の熱量に当たると同時に使えそうな毛布や古着の類を何枚も重ね着してもこもこに着ぶくれているのを通り越して軽く達磨のようなずんぐりむっくり。
火が移らないように気を付けて少し距離を取りながら、木乃伊男みたいにぐるぐる布を巻いた両手を着き出している。
ぱちぱち爆ぜる薪木の音、炎の明かりに当てられ濃い夜の暗がりにくっきりと影法師が伸びていた。
「炎って素敵……時々放火魔とかなんでこんなキチガイ居るの?ってしばしば思うけど、綺麗だよね、うん」
■ジュン > 「…ん?」
あくる日の暇つぶしのための散歩中
広間に足を踏み入れた途端突如として現れた炎と伸びた影法師に驚きつつ
「いったい何が起きてんだ?」
とその影法師の主へと近づいていけば、そこに見えたずんぐりむっくりな生物、とりあえず声をかけることにし
「えーと何やってるんだこんなとこで」
と一先ずの疑問を投げかけることに
■テンドン > 「あ?」
声がして振り返る。目をぱちくりしばたき
「え、何。いや、もう壊すよって聞いた家の解体作業のお手伝いだけれど。頼まれて……それでふぁっきんちょー寒いので壊した家の部品を燃してるところ、寒いし、寒いジャン?」
■ジュン > 「解体作業」
と、言われれば辺りを見渡し近くのおそらくそうであろう現場を見る
「なるほどね…いやまあ確かに寒いよなうん」
確かに近頃はすっかり寒くなったことだしそう答えるしかできず
「にしたってまあ…派手にやってんねぇ…」
とまさにキャンプファイヤーがごとき焚火を見比べ
ふと思巡し
「あーなんだ、手伝おうか?」
とそう申し出る
■テンドン > 「めちゃくちゃ寒い、冬の神様とか精霊とか頑張り過ぎ、もうちょっと控え目にして欲しいよね、本当に」
余りの寒さに地団太をふみふみとしながら話に耳を傾けていたが。
「え、え………な、なんで?」
困惑の面持ちに眉が揺れる。
■ジュン > 「まあなんというか…暇だから」
とまあ身も蓋もないこと言いだした
「それにどうせ一人じゃ大変でしょ、そんでこの寒さで効率も下がってるだろうし」
そういうともう手伝うつもり満々で解体現場に向かっていく
■テンドン > 「え、そ、そう……?暇?そういう理由で…」
相手の返事に呆気に取られてる面相で、焚火の前で棒立ち状態で見守っている他にない。
「な、何だか今日やたらボク、親切にされてるような気がするんだけれども…もしかして今、そういう慈善的な奴が街で流行中のムーブメント?」
■ジュン > 「さてね、まあみんな気まぐれなんじゃないだろうかね」
そう話しながら、その身からは想像つかない量を
軽々と運んではキャンプファイヤーに投げ込んでいく
「まあ何か気になるなら報酬でも要求しようか?勝手に始めてなんだけどさ」
そういっている間にサクサクと廃材を運んでいく
■テンドン > 「え?ヤダ。だってボク何も頼んでないもん。そんなの押し売りジャン。ペケペケ!!!」
頭の上にバッテンマークを手で描いて一歩二歩と達磨スタイルで後退徒歩。
「酔狂な人がちょこちょこいるのかな…貧民としてはありがたーい限りだけれども。あったか…力持ちなんだね、おにーさん」
くべられる程に燃え上がる炎ににじりじりと近づいている。暖気の摂取。少し眉の曇りが晴れて気持ちよさそうに眦が下がる。
■ジュン > 「ちぇっ、ちょっとくらいいいじゃないの」
なんて言いつつ別に報酬が出ないからと手を抜くことはせず
「まあな、こう見えてもって奴だ一応普段から鍛えてはいるからな」
そういってぐっと力こぶを見せ
「いるんだろうなぁ、まあこの調子ならすぐ終わるだろ」
その言葉の通り見る見るうちに解体が進んでいく…
■テンドン > 「だーめーでーすー、ちゃんと正式な手続きでおにいさんはおにいさんで仕事をとってくーだーさーいー」
ぶるぶると首を横に振りながら、自分もその後を追い掛けて到底に適わないながらも少量の廃材を持ち運んで来て薪として炎の中に投入ぽいぽい。
「世にはつわもの達が求められている時代なのかな。腕っぷし強い人達が多いとこの王都も安泰だねえ…ボクもそーゆー人達に知らない間に守ってもらってるのかも。また傭兵さんか何か?」
御話を継続しながらとすんと炎の前に座り込むようにして蹲って火当たりモード。
■ジュン > 「けち臭いねぇ」
冗談らしく大げさにやだやだと首を振りつつ
「現状じゃ強い方がよくはあるだろうな…ん?俺は…まあ傭兵…も似たようなもんか、一応冒険者だけど」
いつの間にやら廃材も残り少なくしており少し雑談モード
■テンドン > 「ケチでけっこー!下手に踏み込んで来るのを簡単に赦すと身を滅ぼすからあんたみたいな子は慎重に振舞って気を付けないといけないよ、いひひひひ!って占いのおばーちゃんが言ってたもんねー」
んべーと赤い舌先を突き出して、その後に笑う。
「ああ、冒険者なんだ。道理で。ふーん。冒険者ってお仕事何してるの?ぎんゆーしじんの人が言ってるようにドラゴン退治とか悪い魔族をやっつけたり?」
■ジュン > 「なんとまあしっかりしてますことで」
そういう教えを受けているのならば仕方ないとばかりに応えて
「お仕事ねぇ、それこそいろいろあるからねやれ特殊な薬草取ってきてくれとか、やれダンジョンのお宝取って来てくれだとか、魔物退治してくれだとかな」
指折り自分のやって来た仕事を数えつつ
「んでまードラゴンは…こっちでは今のところ見てねえな、もしかしたら他のやつらが行ってるのかもしれないが」
■テンドン > 「奴隷市場や娼婦街に流れたくナイノデー、にしし」
にっこり笑顔を湛えつつも僅かに警戒している証左に距離は少し遠い。
「…それで今は暇してる、と。冒険者も冬になるとお仕事が減っちゃうのかな。熊も巣ごもりをする時期だし、竜も寝ちゃうよね、きっと。このまま怪物とかは春まで冬眠してて欲しいナー。冒険者さんとしてはそれだと商売あがったりだろうけど。今みたいに」
■ジュン > 「それは確かにそう、そうなったら買うかもしれんが」
警戒されてるなーとは思いつつそうもなるかと距離を詰めるでもなく
「ま、そんなとこ、別に稼ぐのはどうにでもなるんだが
なんにせよ危険な生物が大人しくしてくれるのはいいことだわ」
ポイっと焚火に廃材を追加しながら
■テンドン > 「え、ええ……平穏な時世で普通に御話してた子と、そういう場所で遭遇するってすっごく気まずくナイ?ボクもしもお兄さんが男娼とかで働いてたら、お、おう、ってなっちゃうよ、きっと」
目をぱちぱちしばたいて。
「おーおー、稼ぐ才能に溢れている人はいいデスナー。多少仕事が欠けていても食うには足りる訳ダネ。でも此処の解体のお仕事はボクのでーす」
にまーと満面を弛めて悪戯っぽく笑う。
■ジュン > 「それもそうね」
そういって顎に手を当てながらそういう状況を想像していた
多分狙ってたら逆に声かけてそうとか思いつつ
「まぁな、おかげで不自由もないもんで
でもまそのお仕事もしっか完遂しないとお金も貰えないわけだがっと」
そういって再び立ち上がり
さっさと終わらせるぞとばかりに作業再開
■テンドン > 「それもそうだよ」
こくんとうなずきながらゆったりと腰を浮かせ。
「じゃあ、頑張って片付けようか。もしも終わったらちょー特別にボクの行き付けのお店で奢ってあげちゃおう。気張って働くよーーーにっ!」
そして相手の従事する仕事に併せて自分自身も動き出し、住居の不要な解体品を引っ張り出しては手を合わせて仕事に明け暮れる事になるのであった。
全ては、ささやかな夜の一幕の出来事となる。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からテンドンさんが去りました。
■ジュン > 「そいつはありがたいことで」
そう零せば仕事を手伝って
現場をすっかり更地にすることができただろう
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からジュンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区のとある店」にアシュベールさんが現れました。
■アシュベール > ―――今日も一日が始まる。
貧民地区にあるとある店。知る人ぞ知る魔具店。
店のカーテンを開け、薄暗い太陽の光を店の中に取り込み、軽く埃を叩いてから、扉に立て掛けられている札を裏返す。
『CLOSED』⇒『OPEN』
既に夜も遅い。そんな時間に開店した理由は―――。
「ふあぁぁ…………ねーみ……。」
この時間まで熟睡していたから。
未だ眠たさを含んだ瞼を擦り、よたよたとゆっくりと店内の様子を見て、品物の状態を見る。
ポーション……品質良し。劣化や気化した様子もない。回復用から媚薬入りのものまで取り揃えてます。
爆薬……品質よし。湿気ってもいない。魔力を通すことで大爆発を起こすもの。取り扱い注意。
魔物の材料を使った魔法の媒体……品質ヨシ。お供のスライムの核を利用して作った宝玉。武器にエンチャントすれば、水の力を得る事ができる。
濃厚な魔力を零すローブ……品質ヨシ。呪われているし、着用した瞬間大変なことになるが、まぁ、よし。
―――いざって時の更衣室やそういった部屋も綺麗にしてある。準備万端。
「さー……今日は人、来るかなー……。
よってらっしゃーい。みてらっしゃーい。」
店内の机に身体を預け、温かなココアを片手に入口を見遣り、来店者を待つ。それが自分の日常。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区のとある店」にパットさんが現れました。
■パット > 変わった物を扱う店を探し、勘に従って貧民地区にまで足を運ぶ。
そうして探して歩くがそれっぽい店も見つけれず、そろそろ帰ろうかと思った時にその店を発見。
もう遅い時間なのでやっていないかと思ったが扉に立掛けられた札を見て開いているのが判れば迷わずに。
「こんな店があったんだ」
扉を開け店の中へと入れば目に入るのが様々な品物。
細かな事は近くで見なければ判らないがパッと見ただけでも品ぞろえの良さはよくわかり。
そうして店内を見回せば机に身を預けている少年に気が付き、笑みを向けて軽く手を振り。
「お邪魔させてもらうね。ポーションはっと」
笑顔と共にそう声をかけては探すのはポーション。
冒険者向けな店を見つければ先ず見るのはポーション、それで店の良し悪しを決めている。
なので先ずはそこから見て行こうとしてポーションが行かれている場所に足を向けていく。
■アシュベール > 彼女が扉を潜れば『りん、りぃん―――。』―――心地よい音色が響き渡る。
これも魔具。どんなに店主が眠っていても、すぅっと目覚める事が出来る魔法の鐘。素材はコカトリスの喉仏と白銀となっております。
眠たげな目をゆっくりと開き、両手はあたたかなココアの入ったマグカップに添えたまま。
「いらっしゃーい。……おー? ポーションがお望みー?
……ポーションはね。そっちだよー。」
彼女の呟きを耳を揺らして捉え、そっと指さして見せる。
既に彼女は気付いてたかもしれないけど、店主として店案内の一つは行うのです。
其処に鎮座するのは、平民の店に並んでいても遜色はない品質のものたち。
薄緑色……薬草とスライムの肉を混ぜ込み、熟成させた回復のポーション。
濃青色……月光を帯びた薬草と高純度の水を混ぜ込んだ魔力回復のポーション。
他にも、赤。紫。色とりどり。体力回復や毒消しなど。無駄にたくさんの種類が並んでいて。
それが彼女のお眼鏡に適うかどうか。
■パット > 「こっち?ありがとうね」
店内を眺めてある場所は目についていたが少年の声と指にお礼を返し。
そちらへと向かい商品を見れば良い物ばかり。
よく見れば平民地区でよく買い物をする店よりも良い品質がいくつもあり。
回復のポーションがあればいいなと思っていたが、その品揃えは予想以上。
毒消しだけでなく魔力や体力の回復するものまであり、どれもが高品質に見える。
「この店は当たりだね。これとこれ……っと」
勘の通りに探して大正解と笑みを深くして回復のポーションを二つ、魔力回復、毒消しを一つ持てば机にいる少年の元にと向かい。
「ここって何時もこんなに良い品揃え?
あ、それと魔法のアクセサリーとかって扱ってる?」
それらを机に置いて購入する仕草を見せつつ。
装備や魔法の媒体は目にしたがそう言うのは目に付かず、そう言うのもある?と問いかけて。
■アシュベール > 「やーやー。どーも。
まー、ひとつひとつ。丹精込めて作ってるからねー。ふぁぁ……。」
感謝の言葉と、当たり。という呟き。
普段、人の出入りがないからこそ自分の作った道具を褒められるのは悪い気はしない。
単純に薬草を煎じたものじゃなく、魔物の素材も利用しているからこその効能。
毒消しに関しても、ポイズンサーペントの血液を少しもらったり、それを複製して作ったし。
体力回復はミノタウロスの―――素材に関しては黙秘させてもらおう。
複数の瓶を持ってきた彼女の様子に気付けば、カウンターから取り出すのは木製の籠。
「はい、此処に入れてねー。落としたら大変だろーし……んぁ?
……うん。【シャイターン】の品揃えはいつもこんな品揃え。―――もし、オーダーメイドで作って欲しいのがあれば、特別価格でー……んぉ。
あるっちゃー。ある。けど、どういったアクセがお望みー?
何処につけるか。どういった効果かー。」
―――ここは一応、店長らしく。顧客の求めるものを問いかけよう。
■パット > 丹精を込めてる食っているという言葉に少年が作っていると知れば驚き。
見た目は自分よりも店番ではなく製造をしているのと見てしまい。
まさかポーションの材料に魔物の素材が使われているなどとは思いもせず、
普通の製法でこんなのを作っていると勘違いをしていて。
「サービスもいいんだ、ありがとう。
何時もこの品揃えならまた来れるね。ここに並んでいる意外だとどんなのが作れたりするの?
あ、あるんだ。
そうだね……ネックレスか腕輪の形で体力や魔力の回復が早くなるのってあったりする?」
少年の問いかけにあれば欲しいものと形状をあげ。
本当にしっかりとしているなと感心したように見てしまって。
■アシュベール > 「あー。店長です。どーもどーも。」
驚くのも無理はない。見た目からすれば、ただの子供。
それがこの魔具を販売する店を販売から管理までしているなんて、初見では気付け無い。
勿論、身体に害がないようにしているので品質は安心。
ただ材料を聞くと皆嫌な顔をするから、わざわざ言わないようにしているのです。
「まー、普通だよー。あんまり人が来る場所でもないしねー……?
どーぞ、ごひーきに。んー、そうだねぇ……。
所謂、ハイポーションから、フルポーション。もっと品質高めの奴。
それと、クイックポーション……。神経が過敏になって、体感速度が早くなるやーつ……。
後はねぇー……魔力を媒介にして筋力を増強させるのだけど……女の子には推奨しないなー……。」
――どれもこれも飲んだら、即時性があるものだからこそ。店舗には置けないのである。念のため。
「――なーるほーど。あるねー。
ちょい待ってねー。」
彼女の提示した条件は自分が容易く満たせるもの。
ひゅっ!と机の下に引っ込んだかと思えば、がたごとと音を響かせて……。
「ほーい。名前は無いけど……こんなのはどーうよ。」
ことん。と差し出したのは薄銀色の腕輪。
其処の中央には薄緑色の魔石が嵌め込まれ、さり気なく呪印が刻まれているもの。
空気に僅かに宿る魔力を材料にして、使用者の肉体の治癒力を増加させるバングルである。
「起動させたら、そこいらの魔力を使ってキズを癒やす腕輪ー。ててーん。……どーすか?」
■パット > 「え?店長なの?凄いね、君」
告げられた言葉に何度目かの驚き。
こんなに品揃えが良い店の店長が少年と聞けば今日一番の驚き。
これだけの品を揃え作成し、しかも店を管理しているのだから凄すぎると。
そんな良質なポーションの材料を仮に聞いたとしても嫌な顔よりも関心するのだが。
「人が来ない場所で揃えてるのが凄いよ、私はそう思うし。
これからも来させて貰うね。
そう言うのもあるんだ……じゃ、ハイポーションとクイックポーションも1個づつ欲しいかな。
筋力はちょっと……ね?」
自分の細い腕を見て筋力はと困った顔になり。
ハイポーションとクイックポーションは欲しいかなと告げて。
そして欲しいものを告げれば机の下に引っ込んでしまった少年。
ガタゴトと聞こえる音に下に倉庫でもあるのかと覗きこもうとしたが。
「早いね。あ、綺麗」
覗き込む前に少年が顔を出し身を引き。
差し出された薄銀色の腕輪を見ては綺麗を瞳を輝かせる。
薄緑色の魔石に呪印が刻まれた腕輪は本当に綺麗、魔法の品というよりも高価なアクセサリーにも見えてしまって。
「私は魔力には自信があるから丁度いいね。うん、それも貰うね」
是非に欲しいと告げて購入を決意。
ただその値段までは考えていなくて。
■アシュベール > 「基本的に自分で色々してるからねー……。
ま、裏方には色々やってくれる人が居るから、お飾りみたいなもんだよー。」
―――色々やってくれる人。それは自分が使役する魔物、魔族たち。
けど、結局のところ。そんな子たちに店番は行わせられない。結果、自分がやっているのである。
一応、一人ではない。ということを視線と共に告げて。
「まー。穴場みたいな? 平民地区だと競争店が多いからねぇー……。
どーも、どーも。今後とも、ごひーきに。
―――はいはーい。お買い上げ、どーもどーも。よっこいしょ……。」
感謝の言葉と共に、再び机の下に。
瓶がかしゃんっと揺れる音と共に取り出したのは、彼女が先程選んだポーションよりも色濃い緑のハイポーション。
それと、金色の輝きを見せるクイックポーション。それを彼女用の籠の中に入れて。
「うん、おすすめしないねー。何せ魔力を燃料にするからさー……。
魔法使いの人にはちょい、後遺症があるかもしれないわけー。魔力使わない前衛向けのやつよー。」
そんな、商品説明と共に道具を選定し終えた。
旗から見れば、ただのバングル。魔石がワンポイントになっていて、綺麗。という彼女の言葉は丁度適しているかも知れず。
「お、それはよかったー。はい、おかいあげー。
――えっとー。ポーション2本。魔力回復ポーション、アンチドート、ハイポ、クイックが1本ずつとー。腕輪かー。」
――東洋の方にあるソロバンをぱちぱちと叩き……。
「……このぐらいでどーうよ? まぁ、初回特典ってことで、ちょいお安くしておくよー。」
さらさらと、領収書を用意し、彼女に提示する。
それは明らかに―――安い。おそらく同量のポーションを平民地区の雑貨屋で購入した時と同じぐらいか。
■パット > 「それでも自分でやってることも多いみたいだし凄いよ。
裏方の人も君だから頑張ってくれるんだよ、きっと」
裏方がいると聞くとそれもそうかと納得。
こんなに品揃えがいい店が貧民地区にあれば強盗なども来る筈。
そういう対処もしてくれているのだろうと少年の言葉に納得し。
「あっちは見た目は良いけど品質がいまいちも多いんだよ。
この店が平民地区にあれば凄いことになりそうだけどね。
御贔屓にしちゃうよ、いい品があるし店長さんは可愛いし」
もう一度机の下に潜っていく少年。
今度はそれは覗こうとはせずに静かに待ち、色濃い緑と金色の輝きを見せるポーションを籠に入れてもらえると笑みを返し。
「それってどんな後遺症だったりするの?」
これでも後衛、魔法職なので副作用は気になり。
ただそんなに大したことでなければ気にしないのだが。
見繕って貰ったバングルは本当に綺麗で何時も付けて居ようと思えるほどで。
そうして少年がよくわからない道具。
多分計算に使うものを扱うのを眺めて。
「これでいいの?私としては助かるけど……損にならない?」
見せられた領収書の金額を見ればあまりに安い。
平民地区でポーションを買った程度の金額に、本当に良いのと少年の顔を覗き込むように身を倒しては問いかけして。
■アシュベール > 「そーだといいけどねー。とのことだよー。」
と、視線を後ろに向けてみれば。
扉辺りからひょこっと執事服のような袖を通した白手袋つきの手が出て、手を振って見てる。
―――多分、低級悪魔辺りが反応したんだと思う。
「まーねー。ああいう場所って商品の回転率はいいけどー。
やっぱその分、求められる素材の量が多いからねぇー。
……いやぁー。それはそれで素材集めが大変でねー。……材料係が文字通り、身を削る思いをしないといけないからねー……。
―――うへへ。どーも、どーも。こっちも、可愛い女の子が贔屓してくれるならありがたいねー。」
―――材料係。薬草を手に入れるトレントや、その身を削って素材となっているスライム。
彼らの負担的に此処の方がいいんだろうと思っている。そんな気持ち。
「魔力を通す場所を無理に活発化させるんでー……。
普段は大丈夫なんだけど。魔法を使おうとするとー……身動き出来ないぐらい痛む。
……飲ませるなら、魔法使わない戦士とか。タンクの盾持ちさんとか、エンチャントしない弓兵さんにどーぞ。」
――腕輪に関してはちらちらと視線を感じる。
それだけ気に入ってくれたならこっちとしても、見繕ったかいがある。
だからまぁ、採算度外視で値段を出したら。驚かれた。
「あー、だいじょーぶだいじょーぶ。
素材、だいたい自分らで採ってきてるから。ぶっちゃけ原価なんてあんま高くないんだよねぇ。うへへ。
ま。なんで……今回はお安め。これで気に入ってくれたならー……今後ともごひーきに。」
ここでネタバラシ。だから気にしないでいい。というように―――ゆるぅく、微笑みを返して。
■パット > 後ろを向いた少年の視線を追えば執事服のような袖と白手袋が見える。
手を振っている姿にそっちにいたのかと気配がしなかったので、もしかして手練れ?と見てしまい。
「気を付けないと探し物もないよね。
あ、それは確かにありそう……これだけの品質なら素材も沢山使うって訳なんだ。
そんな事言われると嬉しくなっちゃうよ」
きっと森や山で材料を探しているのだと思えば、そんな依頼をメインで行っているので大変だと直ぐに判り。
まさかトレントやスライムがとは思いもせずに。
「それだと飲んだ時は魔法が使えないんだ。
私も使う時は魔法を使わない時にしないとね」
購入を決めてしまえば腕輪は早速右腕に装着。
やっぱり綺麗だなと瞳を輝かせてみてしまって。
「君がそういうなら今回は甘えちゃうね。
また来るよ、君みたいな可愛い店主さんがいるんだし。
それとね、私もそういう依頼をよく受けるから必要なら引き受けるよ」
ネタバラシにそれで安くできるのかと、そして今回は少年のやさしさに甘える事にして。
その緩い微笑みに手を伸ばして頭を撫でようとし、できるならそのまま抱きしめてしまおうとする。
■アシュベール > ――気配を消していたのではなく、自分の眷属召喚で、その場に呼び出しただけ。
と言っても、挨拶するだけですぐに戻っていった様子。もう其処に気配は感じられない。
「後、単純に消費量の問題だぁねー。
向こうが1000本売れて、1000本分の素材を集めるのと、こっちが50本売れて、50本分の素材を集めるのならー……。
まー、向こうは何処かで品質悪いものが混ざったりしちゃうんだろねー……。
うへへ。事実、言っただけだけどねぇ。」
―――実際は、魔物たちが身を削って素材にしていたり、魔物たちが擬態しながら集めに言っているのは秘密。
「そういうこと。だから、お客さんには普通に魔力回復ポーション使ったりしてー……風魔法なりで加速するのが一番じゃあないかな。
……はい、まいどありー。」
――これで会計終了。引き出しを開けて、支払い分のゴルドを区分ければ、店番終わり。
ふあぁ。とあくびを零し、少しだけ冷めたココアを一口―――。
「どーぞどーぞ。
あー、けど。ストックはあんまないから、まとめ買いはおすすめしませーんってねー。
……――わぁ、だいたーん。」
寝惚けたような瞳が上を仰げば、伸ばされた掌に返すさらさらした髪の毛の質感。
勿論、抵抗はしないし―――抱き寄せられたなら、その胸元に顔を埋めるように抱き着き返そう。
ぽんぽんと背中を撫で返し、彼女の熱をほんのすこし奪うように。
■パット > 感じた気配は直ぐいなくなってしまい。
自分が気配が判らないほどの手練れならと完全に勘違いをしてしまい。
「その数の違いなら平民地区で飼うと品質が悪いのは混ざるよね。
やっぱりいい店を見つけちゃったよ。
君も可愛いよ…なんか照れちゃいそう」
少年の言葉に平民地区で飼うと確かにそういう事もある。
品質に拘ってるのだと思ってしまい。
「そうなっちゃうね。これは誰かと組んだ時にするね」
こんなにいいポーションを見せれば驚くな、と時折に組む同業の顔を思い浮かべ。
「でも次はちゃんとした値段でね?
私はその時に使う分しか買わないから安心していいよ。
だって、今の顔がね、凄く可愛かったからつい」
見上げられているのに気はつくが手は止めれずに少年の頭を撫で。
そのさらさらとした手触りに頬が緩み。
そのまま抱き寄せて薄い胸に少年の顔が埋まり抱き着き返されると可愛いと小さく口から零し。
背中な撫でられる感触がひんやりとして心地よくて。
「あ、私はパット。名前教えてくれる、かわいい店主さん」
■アシュベール > 「そういうことー。……まー、いざって時に不良品混ざったら厄介だし。勿論、そういう店は一握りだけどねー。
……どーもどーも。ごひーきに。
……よいぞよいぞー。もっと照れるといいよー。なんてねー。」
自分の行動、言葉にそうやって反応する相手。
声に混ざるのは僅かな楽しさ。何度目かわからない、どうも。とご贔屓に。を繰り返しつつ―――。
彼女の言葉には大きく頷いた。見た限り、細身の相手が肉弾戦を好むとは思えない。
なら、誰に使うか?きっと、自分の言葉の通り……彼女と組んだ前衛の戦士だろう、と。
「もちろん。流石にずぅっと安くしてたら、他のお客さんに申し訳ないからねぇ。
―――ならよかった。まあ、数本ずつぐらいならちゃーんと貯蓄あるから。いつでも、どーぞ?
そかそかー……んー。」
髪の毛を撫でられながら、自分の頬は彼女の胸元へ。
起伏は少なめだけれど、頬を擦らせるたびに伝わるのは、確かな柔らかさ。
その指先に付けられた無数の指輪が、少しじゃりじゃりして変な感じかもしれないけど。それは、それ。
「―――おっと、自己紹介が。
……アシュベール。知り合いはアッシュとか、アシュとか、ベルって呼ぶよー。……パットさんのお好きなよーに、どーぞ?」
言葉を紡ぐ度、胸元の生地に熱い吐息を伝えながら、
そっと上目遣いで――そう自己紹介をして。
■パット > 「平民地区で不良品が混じってても文句を言うと逆にこっちに文句が来る店があるんだ。
ここみたいに品質が良いならその心配はないから安心だね。
私を照れさせても何も出ないよ?何か買っちゃうかもだけど」
何度目かの御贔屓にという言葉に、何度も、そうする、と嬉しそうに頷き。
褒められる事には慣れているが可愛いと思える少年に言われては照れてしまい。
「それに商売にもならないよね。
一度に買っても今ぐらいだし、無くなったら来るよ。
もし店番なんてしてなかったらお持ち帰りしてたかも」
胸元に頬を寄せられくすぐったく感じるが髪を撫で続け。
柄中を撫でる手、指につけられた指輪の感触もあるがそれはそれ。
撫でられ熱が奪われることを心地よく感じて。
「じゃ、ベル君って呼ぶね」
胸元に感じる熱い吐息に少しだけ身じろぎをし。
上目使いの視線を見ろしてそう呼ぶと告げて。
■アシュベール > 「それは……なんともはや。まー、実際に言いがかりしてくる人もいるからなんだろけどねー……。
まー。品質には自信あるからねぇ。うへへ。――んー、じゃあ、次回のお買い物を期待しておこーか。」
――なにか買っちゃう。なんて言われたら、ついついそんな言葉も溢れたりする。
まいどありー。なんて、抱き締め続ける彼女の胸元に、嬉しげな声と吐息を吐きつけたりして。
「そーいうこと。慈善事業じゃーないからね。
まー。素材どうこうはおいといても。売上が儲かるのは嬉しいことだけどねー。なんなら、パットさんが仲間内に紹介してもらってもー?
……うへへ。直球だねぇ。……確かに、開店したばっかりだから。今日は難しいなー。」
―――持ち帰り。を本気なのか違うのか分からない言葉と共にふわふわ受け止め。
お持ち帰り出来ない代わりに。とでも言うように、指輪から放つ焔の魔力が自分の肌を僅かに温めて。
その状態できゅ―――ぅ。抱き締める力をほんの少し強めれば、熱を奪った彼女に、子供特有というにはもう少し温かな、肌の熱を伝えてみせて。
「―――ん、どーぞ。はふー……。
お得意様、ひとりみっけ、ってねー。」
此処で漸く、自分の腕をするり、と離して見せて――。
■パット > 「その時は変わった外套とか防護系の護符があると嬉しいかも」
言いがかりという言葉に確かに居そうだと考え。
次の買い物を期待しておくと言われると、欲しい希望を告げて置き。
胸元に嬉し気な言葉と共に吐息を吐きつけられて震えて。
「むしろね、こんなに良い品物なんだから少しぐらい高くてもよくない?
私の仲間に?うん、紹介しておくね。
だって可愛い子は好きだから。そうだよね、邪魔はできないよね」
割と本気な言葉ではあったが開店したばかりと聞けばあっさりと諦め。
抱きしめられる力が少し強くなり、少年の暖かな体温を感じては心地よさそうな吐息を吐いて。
「ん……変な気持ちになっちゃいそう…。
私も良い店を見つけちゃった。
これ以上いると邪魔になっちゃいそうだね」
少年の腕が離れると名残惜しそうに抱きしめていた腕を解いて身を離し。
今は他のお客は来ていないがこれ以上は邪魔になりそうだと口にして。
■アシュベール > 「おー。お目が高いねー。
……護符系は比較的安いけど、外套はちょい、値が張るから注意だーね……。」
一応、そんな注意を。比較的安めな設定をしてるとはいえ、
一張羅になる外套は矢張りその中でも値が張るもの。―――実際、先程彼女が目に入れなかった呪いの逸品は、先程のポーションが50本は買えるほど。
「いやぁ。客が来た時に、高くね?やーめよー。ってならないための処置みたいなー?
……おー。ありがたい。……商売繁盛こそ、だからねー。
――まぁ、そーだねぇ……。」
頭上で暖かな吐息を吐き出し、僅かに身体を揺らす相手が、ゆるりとその腕を解く。
たっぷりとその薄い胸の感触を味わった顔は、先程までより熱を灯していて、赤らんでおり。
「―――店を空けることは出来ないけど、なんなら奥でゆっくりしていかないー?
ま、そゆことは……まだお仕事中だから、ちょい出来ないけどねぇ。うへへ。
けど……美味しいお茶と茶請けがあるよー? なんてねー……?」
そのまま、名残惜しそうな表情を浮かべてた彼女に、店の奥を示した。
つまり、次のお客が来るまで。お茶でもどう?というお誘いだ。ベルがあるため、誰かが来れば迎えるから。
此処まで良くしてくれた彼女と、もう少しぐらいのんびりして――仲良くなるのもいいだろう。
■パット > 「身を守るものは出来るだけ優先で揃えてるんだ。
外套はやっぱり高いんだね」
それだと護符を優先かなと買う順番を決め。
気が付いていなかった呪いの逸品の値段を知れば購入は諦めてしまったのだが。
「考えてるんだね。そんなお客もいるよね。
私もこんなにいい店を知れたし、知り合いには知ってほしいから」
至福の時間は大事ではあるが、それで店の邪魔をしては意味はなく。
上客ではなく迷惑客になるのだけは避けたく、離れた少年の顔を見れば赤らんでいることに気が付いて。
「開けて直ぐだしね。……いいの?
お茶とお茶請けだけで十分だよ」
店の奥を示されると良いの?と少年を見て。
出来ないという言葉には分かってるというように頷き。
お茶とお茶請けで十分すぎると笑えば、誘いに乗って。
■アシュベール > 「消耗品より一品物。耐性付与するのにはそれなりの素材が必要だからねー……。
他にも杖とか、剣とか。まー、色々とあるからねー。今度よかったら見ていったらどーう?」
そうやって、興味を刺激する言葉で、再び此処にやってくる時、彼女の目を楽しませるのである。
「―――まー。此処は貧民地区だからねー。
あんま品の良くないお客も来るからねー。ま、なにかしようって時には店長権限使うんだけど。
……うへへ。どーもどーも。」
買い物をしてくれて、仲間にも教えてくれる。
これからも常連になってくれた人を、少し名残惜しそうな表情で帰すなんて、魔王の名が廃る。
だからこそのお誘いに。彼女は乗ってくれた。
―――ここから続くのは、きっと他愛無く、温かいお茶やココア等を飲んでののんびりとした歓談だけど。
「もちろん。―――だから、今後とも。魔具店……シャイターンをご贔屓にー。
てことで、一名様ごあんなーい。……あ、護符の好みとかも教えてほしいなー。」
少し演技っぽく頭をゆるりと下げたなら、先程、袖がひょろっと見えた店の奥に彼女を誘う。
先程の主もおらず、何故か店長しかいない静かな奥間で。
―――言葉通り、美味なお茶を振る舞ったり、のんびりしたり。
もしかしたら膝枕とか所望したり。相手がいい子なのをいいことにしてしまったりするかもしれないけど。
―――それはまた、別のお話。
少なくとも、この店長は。彼女が再びこの扉を潜る時、笑顔で居てくれるのを望むのであった。
■パット > 少年の説明、消耗品よりは耐性の付与されたものの方が作るのに素材は必要。
杖や剣と聞けば次の時に見ようと決め、今からでも楽しみに思えてしまって。
「品の良くないお客が殆どだったりしない?
店長権限でどうにかなるの?
良いお店ってやっぱり紹介したくなるよね」
知り合いには大怪我や死んで欲しくはなく、それを防げるような良質な品がそろうのなら是非に教えたく。
そして自分もこれからも何度も通おうと、買い物だけでなく可愛い店長さんの顔を見たいと思って。
そして帰ろうとしたがお誘いを受ければ直ぐにそれを受け。
普通に他愛のない話をお茶を飲みながら楽しむというだけでも十分なご褒美であり。
「御贔屓にしちゃうから安心してね。
お邪魔するね。護符はね……」
先ほど袖が見えた奥に誘われると少年と共にそちらへ。
そこは誰もいない静かな奥間でさっきの人はとつい探してしまい。
そうしてお茶を振舞って貰い、のんびろとしたり話をしたり。
膝枕などを所望されれば笑顔で受けてしまうのだけど。
そうして楽し気な時間を過ごしていって。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区のとある店」からアシュベールさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区のとある店」からパットさんが去りました。