2022/12/03 のログ
タツミ > 街娼に対し料金を支払わないというのは、冒険者という安定しない仕事をメインにしていれば他人事ではなく。
依頼を受けて、踏み倒されたらと考えれば、怒りも想像つくという物で。
目元を綻ばせる少女に、此方も小さく笑みを返し。

「それは良かったです。そうですね、それほど良くはないと思いますけど」

少女の軽口に、苦笑して頷いて。

「色々あって苦手なんですよね、寒がって身を縮こませるとかはないですけど。良いですね、お酒でもココアでも温まるのを飲みましょう」

のむに、微妙な違いはあるがそこはあまり気にせずに。
少女にそう答えてから、一瞬どこがいいかと考え、直ぐに気を引き締めて。
そうして、少しして、犯人が少女へ声を掛ける。
しっかりと気を引き、素早く犯人の動きを抑える少女の声で、一気に飛び出し、確保して。
此方を罵る男の声を無視し、暴れる相手が力を入れづらくなるように、関節を足で抑えて。

此方の声に答え、ロープを取りに行く少女の言葉に。

「そうなんですか、生死不問では無くて、生け捕りでしたけど、まぁ…一寸の怪我は仕方ないですよね」

苦笑しながら、抑えていた手を曲がらない方向へ捩じり、反対の手で背中に強めの一撃を叩き込む。
力の入れにくい恰好で、暴れていた犯人が少し動きを弱め。
其処に少女の足が犯人に尻を踏みつけると。

「ヒールって凶器ですよね、実際」

少女にしても履きなれないという意味で踏まれる方には、その細い一点に力がかかるという点で、だが。

ティアフェル >  不届き者を踏ん縛るためにがんばる冒険者二名。
 多少の義憤を抱いたのを天は見ていたのか運よくことは運んだ。

 しかし彼は運は良いという訳でもないという返答。
 そうでもないと思うけどなと小首を傾げていたが。

「いろいろー? じゃ、今日は呑みながらそのイロイロを聞かせてもらおうじゃないの」

 彼のような体格の少年が寒がって身を縮めているとなんだかかわいい気はするがそこまでではないらしい。
 とかく。寒がりにも理由があるならぜひ聞いてみようと考えて。

 実に手際よく連携して下手人を捕らえること適えば、どたばたと口汚い言葉を吐き激しく暴れるのも意に介さず、抑え込んでいてもらったが。
 うーん。暴れてたら縛り難いー。
 大人しくお縄にならない場合は実力行使可、ということで、唆すと。

「そうそ。仕方ないですよー……でも、うん。殺しちゃだめだめ」

 生け捕りだけど、相手は犯罪者。無傷でという指示など出ている訳もなく。捕獲時の多少の怪我は仕方ない。
 手を捩られ、苦し気に身悶えし、背に一撃喰らって、がくん、と衝撃に上下する男の身体、大分ダメージなところにトドメのピンヒール。

「うふふ。そうね。こんな踏み倒し野郎はヒールの先でナニを潰してしまえばいいのよー」

 物騒で品のないことを大変屈託のない、無邪気ですらありそうな笑顔を浮かべてのたまうと、凶器で狂気なヒールで白目剥く男をぐりぐりやって。
 そして大人しくなった――むしろ気絶した――ところでロープでぐるぐると踏ん縛り堅く拘束極め。
 ぱんぱんっと手を払うと。

「いっちょ上がりー」

タツミ > 踏み倒し犯人に対しての囮捜査。
結果として、休憩前には探していた人物は少女へ声を掛けてきて。

その前の会話で、運の話などは悪いとは思わないが幸運かと言われると首を傾げて。

「良いですよ、話せる限りで良ければ、ですけど」

少女の言葉に苦笑しながら答えて。
街中でなら雪でも振らない限りは其処まで震える程ではないが、好きではないのも確かで。

声を掛けられて、少女が仕掛けて少し、しっかりと踏み倒し犯を確保して。
大声で喚く相手に対し、少女の言葉で、動きを止めるために打撃を加える。
普段は棍を使っているが、無手の方も十分行けるので、その打撃はしっかりとダメージを与えて。

「流石にそこまではしませんよ…捕える依頼ですしね」

殺してはダメと言われ、苦笑して。
流石に命に係わるレベルのダメージは与えないと告げる、逆に言えば痛むや苦しみだけを与えるのは、可能なのだが。
こういう時には、極め技などにも心得があるのが生きる物で。
そうして、抑えていると少女の容赦のないストンプが男を襲って。

「いや、それは…考えるだけで、僕も痛いんですけど」

踏む場所をナニにされたら犯人は男として終わりで。
そして、その痛みを想像すると、流石に寒いのに薄く汗をかいて。
ロープで縛られた男から手を離して、ふぅと息を付いて立ち上がり。

「お疲れ様です、靴だけでも換えます?」

ロープの端を持ち、逃がさない様にしてから。
靴擦れが痛いであろう少女に、問いかける。

ティアフェル >  首尾よく罠に掛けられて捕らえられた下手人。
 こうしてうまくいったのは決して自分だけの運ではない、と思えたので首をかしげる様子に、じゃあ今日は運が良かったね、と笑いかけ。

「ようし、それじゃ、語り明かし飲み明かしだー」

 一晩呑む気か。本気か冗談か至って軽い口調でそんなことを口ずさみ。
 うるさいなぁ、と暴言を喚き散らす男に顔をしかめたところで彼のナイスな一撃。
 うまい具合に動きは留めていただけた。

「はは、生きてても死んでても心底どーでもいいけど殺すのはねえー。寝覚め悪いよね」

 生死問わず、となっていても彼は殺さないようには思える。
 だから至って気楽に緊張感のない声で物騒な発言。
 何かと使える器用なスキル持ちな少年の手際に感心しつつ。
 ヒールで男を踏んずけて一応ちょっと満足したか。それ以上の追撃はなく。

「あはは、ごめんごめーん。しないよ。それは被害に遭った娼婦さんたちに譲るー」

 前半安心させるような科白と思いきや、後半彼の冷や汗を増長させるような言。

「お疲れさまー。いやー思ったより早く片付いてよかったね。
 ん、うんっ…もう、足、限界……履き替える……し、上着上着っ」

 寒い足痛い、そんな現状は変わらないのだから、急いで彼の潜んでいた物陰にロープと一緒に隠してあった履き慣れたブーツに、ずる剥けた踵を短詠唱で癒してから履き替え。
 さぶさぶっ、と上着を羽織ってひと心地。「はぁ~」と安堵の吐息。

タツミ > 運が良かったとの笑いかけに、そうですね、と頷く。
犯人を捕らえて、一息ついて。

「そうしますか、足休めて、体暖めながらゆっくりとしましょう」

少女に答えながら、男へ一撃、喚く事を止めて。
自分よりも、寒さや靴擦れなどでダメージ大きい少女の休息を目的にして、そうしようと頷く。

「まぁ…生きてる方が賞金高い事が多いですしね。そう、ですね、寝覚めが悪いですね」

生死不問でも、そうそう殺さないのは見透かされてそうだから苦笑しつつ。
甘いのは判っていても、寝覚めが悪い事には同意し、肩を竦め。
少女のヒールによる一撃で、沈黙した男に、内心で合唱しながら、自業自得でもあるなと考えて。

「はい、竹刀とは思ってました、ヨ?、そうですね、娼婦さんたちの方が恨み強いでしょうし」

前半への答えは少しぎこちなく、少女が言う通り、依頼主が細かい処遇は決めるだろうと。

「お疲れ様です、そうですね一回目の休憩より前ですし。
こっちは僕がみてますから、どうぞ、ゆっくりで平気ですよ」

物陰に駆け込み、ブーツを変える少女を横目に、ロープを手に巻き、男を断たせていく。
上着も羽織って、視線のやり場に困らなくなったあたりで、小さく『暖』と、唱える。
少女の周りが、少し暖まり、安堵の息の助けになればと、温度を上げる術を使って。

「それじゃ、突き出してから…酒場ですかね」

ティアフェル > 「うん、なんかハイヒールって脹脛にキくわー……足やたら疲れたー」

 踵が上がっているのだから筋肉への刺激にもなったかも知れない。何せ普段履かないもので。
 ゆっくりする……そんな単語が今は何より重要事項。
 とにかく一仕事終わったのだからこれから吞みいけるとにこにこテンション上げて。

「あら、賞金額の問題? 賞金額がどうであれタツミ君は無暗に殺生しなさそーだけどね」

 逆に必要があれば容赦しないようなそんな強い芯もある気はするが。
 二度と踏み倒すんじゃねえぞ、という気で男をヒール踏みしては。

「そうよねぇ? レディがそんなはしたない真似できませんわ。おほほ。――きっとこれから被害者たちにツブされることだろうし……」

 最後はぽそ、と真顔で恐いこと云った。被害に遭った街娼さんたちは相当お怒りの様子だった。一人ひと踏みされたとしても何せ被害件数が多いので、原型は留めないかも知れない。

「ねー。もう明け方まで粘るかと戦々恐々としてたけど。
 タツミ君が上手に捕まえてくれたしお陰様でかなーりスムーズでした。
 ――ぁ、ありがとー……もう、だいじょぶ」

 薄いドレスだけで凍えていたところ、白いコートを羽織って息をついていると、さらに少年の術で周囲がほんわり温まって、嬉しそうにほっこり目を細くし。

「あったかーい。ありがとー。ほかほかだ。
 うん! 呑もう呑もうー今日は祝杯よ!」

 男を引っ立てて行ってもらいながら大きく肯くと、そのままギルドへ突き出して、依頼達成となり。
 その後は楽しく祝杯を挙げて、あれやこれやと酒飲み話に花を咲かせるのである。

タツミ > 「履きなれてないと、大変そうですよね、ハイヒール……それで一日中居られる人はある意味で尊敬しますね。
ティアフェルさんもお疲れ様です…大変そうでしたね」

男である自分などは履く機会もないが、女性の中には一日中履いたままの人もいると聞いて、頭が下がる思いで。
少女も短時間なのにかなり疲れていた様子をみて、此方も感心と共に労いの思いを強め。

「あはは、そうかもしれませんね…殺生沙汰は苦手ですし」

やはり見透かされたなと、頬をかいて、戦うだけならまだしも殺すのは理由などが必要で。
少女の踏みつけが、中々の威力だと見てとって。

「まあ、男相手には一番効くと思いますけどね。あぁ、確かにそうなりそうですね…まあ自業自得ですけど」

男には一番効くうえ、他人がされてても見ると自分も痛む様な気がする訳で。
自分の責任とはいえ、男がこれから辿る事を考えて、苦笑し。

「明け方までは、足が持たなかったかもですね。
ティアフェルさんが、機先を制してくれたので、此方も楽でしたよ。
いえ、これ位は簡単ですから…さっきみたいな事情が無ければ、ですけど」

嬉しそうの笑みを浮かべる少女に、此方も笑みを返しながら。

「温度調整はある程度できので、言って下さいね。
えぇ、そうしましょう、お互いに奢りで」

依頼を終え、そのまま呑みへと向かう二人。
互いに酒を奢り、飯を食って、今回の依頼の話や、少年の事情など簡単に話したりして。
後日、街娼達や、その黄連客などからも礼として、酒や果物、甘味などを送られて山分けしたりもして。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からタツミさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にクレイさんが現れました。
クレイ >  
 貧民地区。とある建物……と呼んで良いかはわからない。もはやそこは廃墟と呼ぶべきかもしれない。
 外装が壊れているとかそういう意味ではない。戦闘の跡だからだ。

「……ただのフリーの傭兵1人。どうとでも出し抜けると思ったか?」

 両手に剣を持った男が裕福そうな服を着た死体を踏みつけながら言い放つ。
 簡単に言ってしまえばここは犯罪組織のアジトだった。だがある事情のせいで自身との戦闘に突入。結果壊滅という憂き目にあった。

「さって……戦後処理だな」

 これだけの事件を隠蔽するのは流石に不可能だ。衛兵にはこの組織を破壊したという手柄と組織が蓄えていたこのアジトの中の金を渡せば黙るだろうが、問題はこの組織の背後だ。この組織がどことつながりがあるか。それをしらないと自分の敵がわからない。
 だからそれを調べるべく建物の中を調べて回る。書類、情報を知ってる上からの援軍。どれかが見つかるあるいは来る可能性を考えて。
 ついでに探すのは飼われていた奴隷。それらは情報を知ってる可能性もあるが、それ以上に衛兵に必要以上のプレゼントを贈る必要はない。もし見つかれば衛兵の玩具だ。それは色々と気に入らなかった。

クレイ >  
 アジトを粗方洗ったが、特に人影はなく、増援の類も無い。書類はいくつか見つかった。これだけあれば専門家ならすぐに洗い出せるはずだ。

「大将に相談だなこりゃ」

 となれば自分の出番はここまで、そういう専門家は大将の方が色々と知っている。
 それを懐に忍ばせればこの場を後にする。
 衛兵には金を握らせた上でお前の手柄にしろと伝え、自分は元の日常へと。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からクレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にヴェルソートさんが現れました。
ヴェルソート > 貧民地区の路地裏…少し注意してみれば、片方だけ落ちた子供靴に女性もののハンカチ…何かを破いた布地の後…乾いて黒くこびりついた血痕らしきもの…様々な「犯罪」の痕が残る薄暗い道を、ぼんやりと歩く男一人。
艶のあるシャツを草臥れたコートで隠すように羽織った姿は地味だが、それ以上に片腕が肩から先がないのが目立つ。
ハシバミ色の髪を緩く掻きながら、この辺りでいいかと少し広くなった空間で、一度足を止めた。
特に何がしたいわけでもない…今日は仕事もないし、適当に歩き、適当に歌でも披露しようか、なんて考えで気の向くままにうろついた先。
近くにあったボロボロの木箱に腰かけて、ンンッ…と少しばかりのほこりっぽさを感じながら、喉を整える。
すぅ…と息を吸い、紡いだのは甘いテノール。

『一つ目の夜 いずこから小石が世界に落ちた。
 二つ目の夜 二人が手をとりワルツを描いた。
 三つ目の夜 水飛沫を上げて船を漕ぎだした。』

しっとりと歌う数え歌…音に魔力が籠もるまで磨かれた歌声は、じんわりと…鼓膜から人の心に染み入るような響きを伴って…。