2022/11/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にアッシュさんが現れました。
アッシュ > 「ああ、この辺で一休みしていくか。丁度良い具合に空も綺麗だ」

貧民地区の雑多な建物が密集しているその上、屋根伝いにどこからか歩いてきた男。
他より少しだけ低い建物の屋根の上、周りの壁に囲まれて、いい具合に落ち着く感じの場所を見つけ。
適度に緩く斜めになっている所へ腰を下ろせば頭上に輝く月を暫し眺めつつ、ちょいと休憩していくつもりらしい。
下からは勿論、周囲から見える位置ではないし、見咎める者も居ようわけもないだろう。
こんな場所で鉢合わせるとすれば、それこそ盗みの最中の悪党やら、よほど物好きな連中か、何にせよ酔狂なもの。

「……いやぁ、あれはなかなか良いもんだったな。声、掛けりゃよかったかな」

だらりと屋根の上で寝転がると、先日の探索で見かけた、わりと好みな子のことなどを考えている。
とは言え、こんなおじさんに声を掛けられても不審なだけだろうしなぁ、などと自分の事はわりと冷静に見ているから、ただ過ぎた時間を思い返しているに過ぎない。

アッシュ > ふと、ずっと下の方……通りの方から何かを探して回るような面々の声がする。
探せ、必ずどこかには居る筈だ、などと言っているそれらの声をなんとなく聞き流しつつ。

「いやいや、通りをいくら探してもおるまいよ。なんせ屋根の上だ」

犯人探し、とは言ってもどうせ建前程度のいい加減なものに過ぎないのは予想している。
なにせそもそも姿は見られていないし、気づけば動かなくなった男が寝室に転がっていた、と言うだけにしか見えない。
元々評判の良くないとある貴族の男ひとり、あまりの横暴に見かねた誰かが転がした、ぐらいの予測は付くかもしれないが。
警護させられていた、と言う体の面々が、一応仕事だからと探しに出た程度でしかないだろう。人望が無ければ犯人探しとて真面目にしてもらえるわけもなし。

「ま、この地区まで探し回りに来た努力はまぁ大したものだよ。屋根の上まで登って探しに来るほど熱心じゃぁなかろうがね」

アッシュ > 暫くそのまま寝転がっていれば、下の方のざわめきは遠ざかり、また元の静かな夜だ。
平然としていつつも、いつもより若干真面目な顔になっていたのを自分で気がついたのか、ぐにぐにと眉間を指先で押して。

「あー、やだやだ。おじさんはやっぱり毎日だらだらしている方がいいよ」

へら、と情けない顔になって伸ばした脚を組み替える。
面倒ごとにはなるべく関わらないようにしているつもりだったのだが、ちょっと許しがたい限度を超えることも時々はあったりしたようなのだ。
ぐぐっと寝転んだまま伸びをすれば、綺麗な空がまた視界に戻ってきたような気がする。

「一日ゆっくり寝てみるでもして、次の夜になりゃ……おお、そうだ干し肉のネタが無いんだよ。中断した狩りの続きもやらんとな」

面倒なら肉ぐらい買えばいいのだが、自分で狩ってくる方が美味く仕上がるような気がしている。まぁ自己満足の範囲だ。
先日、狩りの途中で別の事に気を取られて結局そのまま戻ってきてしまったのだった、と思い返し。

アッシュ > 「さて、ひと心地ついたことだしな。おお、書類の整理もまだだったかな?」

本業……そう、今の本業の探偵業の方、あれこれ集めた資料やらが纏まってないやつが残っていたような気がするじゃないか。
寝る前にそいつは片付けておかないと後が面倒だ。

ひょい、と跳ね上がるように起き上がり。
身の丈ほどの高さの差がある隣の建物の屋根へと、いとも軽々飛び移り。
そのまま屋根から屋根へ、ねぐらの近くまで歩いて行くのだ。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からアッシュさんが去りました。