2022/11/12 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にアーシャさんが現れました。
■アーシャ > 怠惰と欺瞞と暴力に溢れる路地裏は今夜も賑やかである。
いつもの面々で暴れる酔っ払い、今夜は客が引けなかったのか肩を落とす娼婦の姉さん方、あと珍しく奴隷商人が奴隷を引いて路地を歩いている。
いつもなら、奴隷市場のほうにしか見ない顔に多少首を傾げたが、まったく自分に関係がないと思い直すと、今夜もやること無しで、路地の壁に背中を預けて地面に座り込む。
乞食紛いの事をするならそこらの兄さん方の懐から財布を借りるんで、足元に空き缶を置かずに胡坐をかいて座り、自分の膝に肘を置いて頬杖をつき、辺りをぐるーと眺めて、財布が重そうな獲物……住人を最悪の坩堝に迷い込んだ鴨を、探して視線をあっちこっちに向ける、不審者極まりない。
「前に失敗してんだよなぁー………アレ。」
眉間に皺をキュと寄せて思い出すのは二人組みの仲裁をしつつ、お財布をお借りした件である。
あれの御蔭で暫くは貧民地区を歩けない、それ以上に隠れ家の一つを壊され燃やされた、結局収支はマイナス。
次は上手くやりたいもので、獲物を確りと選別するところから今宵は始めているのだ。
■アーシャ > 今夜はどうにも獲物になりそうな人間は通らないようで、両膝に力を入れて立ち上がると、大あくびを零しながら貧民地区から平民地区へと向かい歩き出す。
なんにせよ隠れ家がどうにも確保できない限りは、また何処かの孤児院か教会に入り込むしかなく、今夜はどこにしようかと、何度も欠伸を零しながら歩き、路地の闇へと消えていく。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からアーシャさんが去りました。