2022/10/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にアーシャさんが現れました。
■アーシャ > 口元から零れそうな欠伸を全力で抑えながら、今夜も悪い意味で賑やか過ぎる貧民地区の大通りをすり抜け、貧民地区でも安全ではないが、不気味すぎてあまり人通りの少ない路地を歩いていた。
誰も居ないところが物好きな人間や悪事を働いて逃げ隠れてる奴や或いは……迷子か、それくらいしか人が寄らぬ路地裏、そういうところだからこそ、新たな隠れ家を見つけられるというものだが――幽霊やら何やらが出るという噂もある。
「……遭遇するのは怖いけどもー?屋根のある家がないのはもっとヤバいし、それで病気なんぞしたら目も当てられないし、逃げ足だけは自信があるからさ、いける、いける…。」
独り言は己への鼓舞である。
と言うくらいに今夜は雲が厚く月の輝きが見えない夜。
なんでこんな時間に行動してるんだろう?と自問しながらも、歩く……歩くのだ。
しかし、ぼろ小屋、朽ち欠けた建物諸々は見えるが、どうも屋根のありそうな場所は見当たらない、となると本格的に冒険者への道を考えなければならない程追い詰められてしまうし、最悪……落ちてはいけないところまで落ちねばならない、そうしなければ生き延びられそうもなかった。
ただそれでも人を殺すのはなるべく避けたい。
まだ其処まで堕ちていないし、理性はある。
だがそれでも、それでも……。
■アーシャ > ……ああもうひとつだけあった、が条件が困難だが。
それは王立コクマー・ラジエル学院に通うという手段である。
これは娼婦の姉さん方が得た情報で、それを教えてもらったというより行けと通っとけと言われたのを思い出した。
――しかしその困難条件というのは金である。
授業料、それにとは別に生活費、寮に上手く滑り込めればいいが、それにも何か条件が有るのだろうか、と考えなければいけない事が多々ある。
知り合いに通う人、或いは教員がいれば良かったが貧民地区にしか知り合いのいない自分にはどうしていいのやら。
「……前途多難もいいところだよほんと……。」
安定した生活、安全な住居、可愛いか美人かどちらでもいいが、都合よくヤレる相手に苦労しなければ何でも良い。
ひとまず、色々な手法は考えておくとして今夜の寝床を…。
右を見ても左を見ても屋根のありそうな場所はない。
何度見てもぼろ小屋ばかりで、何ともなりそうも無い。
防水布さえあれば屋根を作ってとか考えられるんだけども、そんなのが入手できる金と伝があればこんな所にはいないのだ。
引き続き、貧民地区の路地裏を一人歩き続け、夜の闇に消えるのだった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からアーシャさんが去りました。