2022/10/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にアーシャさんが現れました。
■アーシャ > 平民地区の住人より遥かに性質の悪い人間達の坩堝である貧民地区。
今夜もあっちを向けば酔っ払いが殴りあい、こっちを向けば娼婦が客引き、と平民地区とは全く違った喧騒に包まれている。
昨晩は辛うじてあの二人組みから逃れて一夜を過ごしたが、今夜は今夜でまた自分だけの隠れ家に帰ろうとしたら、居た…あの二人が、あの日あんなに喧嘩していた二人が仲良く刃物を構えて待っていた。
だもんで、今夜も帰ることが出来る安全な場所がなく、仕方なしにまた比較的人気がなくて安全そうな路地に身を潜める事にした。
とは言え、昨晩と同じ路地にいたら見つかってしまうのは間違いない、ヘタをすると小額ではあるが貧民地区で賞金首になってる可能性すらある、今のところは仲間からそんな情報は入ってきていないが、此処までしつこいと可能性を考えた方がいい、と考える。
今いる路地は平民地区の人間も出入りするような路地。
今も奴隷を買いにか娼婦を買いにかわからないが若い男とすれ違ったくらいに出入りのある路地裏。
今夜はもうやってられないと、路地の壁に背中をつけて地面で胡坐をかいて座り込んでいる――…最悪此処で一夜を過ごすしかないと覚悟を決めながら。
「……………クソくだらねぇ時だけ仲良くしてんじゃねぇよ。財布の件は諦めちまってくれよほんと………。」
ハァー……と大げさなほどに大きなため息を吐き出すと、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべ、今夜も狭い路地から夜空を見上げる。
こんな時に限って時折小雨が降りそうなくらいに夜空は曇り、路地に吹き込む風は少し寒くて、思わず身震いをしてしまうのだった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にノーマさんが現れました。
■ノーマ > 面倒な貧民地区での仕事を終え、色々な揉め事や喧騒が起きている通りを歩く。
貧民地区での仕事は儲けはよいのだが危険も多いので帰りは特に気を使うと息を吐き。
現に今も普段使う道は刃物を持った二人組がおり、通ろうとする者に対して怒声のような声で何かを問いかけているのを見ればそこは避けるしかなく。
「こっちは別な意味で遠くなるのですよ、まったく…」
真っ直ぐに平民地区に戻るのならば良いが向かう先は別なのでつい愚痴をこぼし。
そして路地に入り足を進めれば壁に背を預け座り込んでいる人影を見つめてしまい。
「どうしましたかって……貴方ですか。こんな場所でどうしましたか?」
もしかして平民地区からの迷子か貧民地区の飢えた子供かと思い声をかければ、何度か貧民地区で見かけた事のある少年。
苦虫を潰しているような顔を見れば何があったのかと気になり近づいて問いかけていく。
■アーシャ > 逃走の為に張り詰めていた神経は、うす曇の空を見上げてため息を吐くたびに緩み、普段であれば人の足音や人の気配、或いは聞き覚えのある声には反応できるものに反応できず、その聞き覚えのある声に、夜空を見上げていた首を戻して――…ため息を吐く、このため息は緩んだ気持ちを引き締めたと同時にその必要性がないとわかってのため息であった。
「……あー……奴らかと思った……。メイドさんじゃん……何迷子になった?それとも奉仕活動中って奴?」
何度か見かけて幾らか言葉を交わしたことがある相手の顔を忘れるはずもないし、特に今声をかけてくれた年上のメイドさんは間違いなく忘れられない……この界隈で貧民地区でメイド服姿なんて視線の先にいるメイドさんしか居ないし、少なくとも自分の中ではそれ以外に見たことない。
と一先ず問いかけに対してさらりと答えてから、両膝に力を込めて立ち上がると、地面に座り込んだ所為で砂埃のついた自分のズボンの尻を叩いてそれを落としながら、遠くより聞こえる聞き覚えたくない聞き覚えのある二人組みの怒声のする方にちらりと視線を向け、両肩を落とす……此処まで来たのかと、表情は苦虫どころか、辛子まで一緒に含んだレベルで引きつった笑みを浮かべるしかなく、誰が見ても厄介ごとを抱えて、その要因が近くで怒声をあげている二人組みにありますといわんばかりの態度を見せた。
■ノーマ > 「私ですよ。ここから真っ直ぐに歩けば平民地区につきますよ。
仕事帰りです、先ほどまで配給の手伝いをしてたんです」
この貧民地区での知り合いはそう多くはないが、この少年は仕事先やそれ以外で何度か顔を合わせている仲。
そして普段からの仕事着であるメイド服が貧民地区ではよく目立つことを教えてくれた相手でもあって。
「それで…奴らとは、あっちで剣を持ってた二人組ですね。今度は何をしたのです?」
立ち上がった少年から一歩下がって奴らという言葉に心あたりがあったのでそれを口にし。
そして先ほどよりも近くに聞こえる怒声、そして少年の視線がそちらを向き両肩を落とした様子で何かをしたのだと察し。
それが剣を抜くような事なので余程に大きなことと考え。
「…とりあえずはここを離れましょう。知り合いを引き渡すのも気が引けますし。
行く当てはあるのでしょう?付き合いますよ。」
そう少年に声をかけては、その場所まで突き合いますと提案をして。
最悪は逃がすぐらいの時間は作りますと。
■アーシャ > ……こう連日追い回されるのが続くと流石に消耗激しく、普段ならメイド服に包まれた柔らかそうなメイドさんのお尻を撫でようと狙うが、今日は複雑な引きつった笑みを浮かべるので精一杯で、辛うじて虚勢を張るために立ち上がるまで、しか出来ない。
それに、メイドさん……ノーマ姉さんからかけてくれた問いかけへの返答すら、忘れてしまい始末で、少し気合を入れるために自分の頬を両手でパンパンと叩いて気合を入れなおす。
「悪い、ノーマ姉さん、お詫びにお尻のひとつでも撫でてやるから勘弁して……まずはアレだ何をしていたかって奴だけど、ビンゴ……あの喧しい二人組みに追われて、で、今隠れてる……までは行かないんだけど、まあ休憩してたところかなぁ?ん…でー………。」
と少々歯切れの悪い笑みを浮かべると、顔を合わせて言葉を幾度か交わしてる仲としては一度たりとも成功していないメイドさんのお尻を撫でようと、そ~っと手を伸ばすのだが、途中でピタっと手を止めてから、歯切れ悪かった言葉の続きを話すと共にメイドさんからの提案に思案するように、後頭部を髪をガシガシっと掻き毟る。
「まあ、ノーマ姉さんなら大丈夫だろ。いやさー……あの騒がしい二人がさー仲良しそうに見えて、実は殴り合いしててさー……あまりに隙だらけなのでちょっとお小遣いをもらっちゃった次第で……。あっーマジで?行く宛てはあるっちゃあるけど、いや……あれはあれで…あるっていうのかなぁ……。」
前半こそ、気だるそうに露骨に表情に気まずそうな物を浮かべて視線をつぃーっとノーマ姉さんの視線から外して泳がせながら、言葉もまた気まずそうにさーさーと言葉を濁しつつ、答えはしたがそれを聞いてのノーマ姉さんの反応を見るのが怖くて視線を合わせない。
けどもだ。
善意なのだろう自分のいく宛てがあるという場所まで付き合ってくれると言われると、そりゃもう大歓迎しかない。
すくなくとも魔力なし、戦闘力なし、武器もない、自分では見つかれば両腕とおさらばする事になるだろうし、とそうなれば此処はひとつノーマ姉さんに甘える事にする。
ただ視線は気まずそうに逸らしたまま、善意のノーマ姉さんのお尻に手は伸ばしたまま、……けれど、声だけは軽く弾ませ、露骨に誰かといられることを喜ぶのだった。
なおも聞こえてくる二人組みの怒声。
だんだん近づいてきているのもわかる。
だから、その声より逃げようとノーマ姉さんを置いていかないように、大事な護衛……とも言えなくもない相手を置き去らないように歩き始めるのだった。
■ノーマ > 出会えばセクハラの一つでも行ってくる少年にその様子がない事に余程に疲れているのだと見て取り。
頬を叩く姿に大丈夫なのかと心配そうに見て。
「それはお詫びになっていませんよ。そんな事を言えるのなら余裕はありますね。
あの二人に何かした訳ですか。かなり殺気立ってましたよ?」
歯切れの悪い笑みと共にお尻をと言えば呆れた目で見て、十分に余裕があると溜息を吐き。
手が延ばされている事に気が付けば払おうとするが、その動きが止まったのでそうはせず、何かを考え出したそうに頭を掻くのを静かに眺めて。
「アーシャ君が何かをするのは今更ですから。あの二人が?凄く仲がいい様に見えましたけど。
……つまりは財布を丸ごと持っていってバレた訳ですか。
あるならそこに行きましょう、あの二人に捕まったら殺されますよ」
気まずそうに視線を逸らせる少年の説明、殴り合いの最中に財布を持ってかれたならああもなると納得してしまい。
多少の事には仕方がないという大らかさもあるが、あの様子ではやりすぎですと目で告げるように見つめて。
叱られてきなさいと放り出せば次に生きて会えるのかもわからず。
それはそれで後味も悪く、何より知り合いを見捨てる薄情さもなく。
マジと聞かれては本当ですと頷き、視線を逸らせる少年に手を引っ込めなさいと告げて。
そうする間も近づいてくることにあまり時間はなく。
少年が歩き出せばその後を追うように歩き出して。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からアーシャさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からノーマさんが去りました。