2022/08/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区『路地』」にマーシュさんが現れました。
マーシュ > 「────はい、次の薬は────。解熱剤を少し多めに………」

使いとして送られたのは、貧民区にある施療院。
定期的に栽培した薬草や、簡易に精製した薬剤、包帯などを納めていた。
看護師といくらか言葉を交わし、必要な製剤を書き留め、次回の訪問時に渡せるようにと軽い打ち合わせを兼ねた雑談。

その中で己の顔色が多少悪いことを指摘されるとわずかに眉尻を下げて、多少寝不足が続いているだけだと告げる。
あまり根を詰めない様にと、医療従事者らしい言葉を向けられると、困ったような笑みを向けてあいまいに誤魔化した。

辞去の言葉を告げ、施療院の裏口の扉を抜けると、あとはもう帰城するのみ、だが。
いささか物憂いため息を零し、歩き出す。
平民区にいる時よりも少し、乱雑な路地。幾度か通い、道順は覚えているが───それよりも今は少し私事に心を囚われてもいた。

マーシュ > ────知らぬことが多すぎる。
けれど、ぬるま湯につかるように、無知であることが己を守ってもいたのだろう。
思わぬ方法で目隠しを取り払われ、見えてき始めてきたものに対して、己がどう対処するべきなのか、を判じあぐねている。

───それが、ここしばらくの睡眠不足の理由。

とはいえ、勤めをおろそかにするわけにもいかない。平素のように祈りと、奉仕は、信仰に寄り添う己にとっては水や空気と同じようにそこにあるものなのだから。

マーシュ > 「────」

俯きがちに歩を進めているも、別に足元に気遣っているわけではない所為か、平民地区に比べて舗装の悪くなった石畳に時折躓いてたたらを踏んだ。

その都度溜息はつくものの、今すぐに何かを変えられるわけもないことだけは確かで

「────」

もう何度目かわからない嘆息を零すと改めて顔を上げる。
一人鬱々としていてもしょうがないのは確かだからだ。
急ぐ必要のない帰路故に、考えをまとめるのにはちょうどいい。

マーシュ > 悩みつつもその歩調はゆっくりと城へと向かっていったのだった
ご案内:「王都マグメール 貧民地区『路地』」からマーシュさんが去りました。