2022/07/03 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区「骨董屋」」にシシィさんが現れました。
シシィ > 「こんばんは、少しは在庫は片付きまして?」

おっとりとした声音とともに、通いなれた店の扉を叩く。
店の中は薄暗く、埃っぽく。棚には価値があるのかないのかよくわからないものが、店主の基準によって値札がつけられている。

純粋に古びたもの、美しいもの、壊れているようにしか見えないものも雑然と、ひとしく棚に並んでいるのを、細めた眼差しが面白がるように視線で撫でて、軋む床板の上をゆったりと進む。
店の奥にいるだろう店主への声かけはとくに返事を期待したものではなく、ただ馴染みの店の店主への挨拶がわり。

どこぞの遺跡から出土した陶器の欠片、という但し書きのついたものに視線を止めて、こびりついた土の名残を愛おしむ様に見つめ。

シシィ > 看板はでているが、そっけない。
知る人ぞ知る、というよりは純粋に商売気が無いのだとも思う。
鑑定もされているのかどうかあいまいなその釣り書きは、興味のないものにとってはがらくたでしかないと断じられても致し方がない。

己にとっては、興味をそそるものもそこそこにはあるのだが。
触れて、品物を傷めるわけにもいかない。最低限以下の照明の中、真贋を見極めるのはお互いの信頼関係もものをいう。

悪質な店ではないが、時折妙なものを法外な値段で置いていることもままあるのは、こういった店特有のものなのだろう。

曇ったガラスに、真鍮の細工が施されたそれは、数世代前の貴族の持ち物だったとか。

縫い合わされた革の縫い目も生々しい装丁のいかにもな書籍は、中に悪魔が閉じ込められているだとか。

玉石混交のそれらをただ眺めるだけでもいい時間つぶしにはなる。
結局何も買わないと、さすがに機嫌を損ねるだろうから、そこそこのものをそこそこの値段でもらい受けるのがいつものパターンと化している。

シシィ > ──────しばらく目線をさまよわせていたが、そのうち棚に並べられていた乾燥した草の束を一つ取り上げるとそれを手に。

所謂薬草だが、この季節には生育しないものだというのを記憶している。
これとともに魔法薬を煎じると、素材の効力を倍加する、とかで重宝されているものだ。
手ごろな価格と、乾燥され、色あせつつも種類に間違いがないことを確認して、代金を払う。

己の顧客の中には、こういったものを欲する相手もいるため、手土産がわりにはなるだろう。

「またそのうち伺いますね、その時は買い取りをお願いするかもしれませんが────その時はよしなにしていただければと思います」

柔らかで穏やかな声音が、商い人らしい言葉を告げて、ひとまずの分かれの挨拶に代える。
ぎし、と古ぼけた床板を踏み抜かないように注意を払いつつ、異邦の商売人は骨董店を後にするのだった───。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区「骨董屋」」からシシィさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/裏通り」にスミデーさんが現れました。
スミデー > (王都でも特に治安の宜しくない貧民地区、その裏通りは表通りよりも危険が多い通りであり、そこをゆっくりと歩いている。
危険が多いところはちょっとした小銭を稼ぐのにも良く、またここで人が行方不明になったとしても、誰にも探されることがない為、人をかどわかすにはちょうど良い場所であり、苗床として女を入手するのにも良い場所である)

「とはいえ、こういうところだけに女そのものがなかなかいないんだけどな。
まぁ、だからこそこういうところだと攫いやすいんだが……後は奴隷を買いに行くかなんだよな。
そろそろ、貧民地区とはいえ行方不明者が多発してるって調査がくるかもだし」

(力づくでも金を渡してでも良く、ここにいるのと自分の館で苗床として魔物と交わることと、どちらがいいんだろうな、と内心で思いながら歩いている。
そしてさらった人数が増えれば、幾らここであっても調査に来る相手がいてもおかしくないだろうと、そろそろ奴隷都市の方に行こうかと思案する)

スミデー > (それから暫く裏通りを歩き、何人か見つけた候補に話をして金をいくばくか支払うことで仕事をして貰うと言い、今回は攫うのではなく雇うという形で館に連れていくことにして、転移魔法で館へと帰っていった)
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/裏通り」からスミデーさんが去りました。