2022/03/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にミルフィリアさんが現れました。
■ミルフィリア > うらぶれた街並みが続く貧民街
活気など欠片も見当たりはしないけれど、こういう街だからこそ成り立つ商売もある。
特に後ろ盾のない新参者が商いをしようと思えば、表通りの正規店では相手にもされないために、こうした裏通りの店を頼ることになる。
とはいえ、後ろ暗い代物も扱う店だからこそ、交渉事もそう易々とはいかないのが常で。
「うぅ……あの薬の原価、どれだけすると思ってるんですか……」
そんな店のひとつから出てきたばかりの少女は、盛大に溜息を吐いて空を見上げる。
王都に来る道中で見つけた希少な薬草を使ったポーション
信用のある所に売ることができれば、ひと月は遊んで暮らせるだろう。
それが足元を見られて安く買い叩かれてしまい。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にルヴィエラさんが現れました。
■ルヴィエラ > (挨拶回りの帰路――ただの、きまぐれな散歩に過ぎない
地区の分かたれ方など差して気にも留めず、踏み込んで居た治安不良地域
とある店の前にて、こんな場所には少々似つかわしくない姿の少女を見かけたのは
恐らくは、非合法、少なくとも、真っ当では無かろう店の前
入店して行くのを見かけ、ふと、其の後ろをついて入った後
店内で繰り広げられた様々な交渉の会話へと、のんびり立てる聞き耳
内容を伺っても、本来ならそんな安価では出回らぬだろう薬が
余りに安く買われて仕舞った、その顛末を眺めて居ては
――ふむ、と。 肩を落として出て言った娘の、其の背中を見て
今しがた、随分と値切った店主の元へ、歩みを向けて。)
「―――――……失礼、其処のお嬢さん?」
(――暫く、経った後。
娘の背後から、そんな声が響く筈だ。)
「良い物を買わないかな。 ――今なら、破格の値段だ。」
(微笑みが、暗闇に浮かぶ。
其の手には、先刻娘が売り飛ばしたばかりの薬瓶が、ひとつ)。
■ミルフィリア > とりあえず当座の宿代に、背に腹は代えられず。
不服ながらも、店主を説き伏せることができなかったために、ほぼ相手の言い値で売る羽目になってしまった。
それでもしばらくは食い繋ぐことはできるだろう。
その間に近くの森で新しい薬草を見つけようと、気持ちを切り替えようとしたところで。
「……はい? 何かご用でしょうか?」
こんな場所で掛けられる声にしては、随分と紳士然とした物言い。
振り返ってみれば、やはり寂れた街並みには似合わない仕立ての良い服をきた男性が立っており。
「今はそんな余裕は……って、え? それって、私の―――」
押し売りかと判断すると、断りの言葉を紡ぎ掛け。
けれど、相手の手の内に見覚えのある薬瓶を見つけてしまう。
思わず前のめりになりかけて。
「んんっ……いえ、間に合ってますので。」
居住まいを正して、首を振る。
相手の思惑は分からないけれども、売ったばかりの品を逆に売りつけようとするくらいだから碌でもないだろう。
となれば関わり合いにならないほうが良いと、つれない返事を返し。
■ルヴィエラ > (勿論――怪しい事この上ない姿では在ろう
状況としても、娘が警戒して当然であり、無論其れは此方も判って居る。
されど、一度はその視線が、食い入る様に薬瓶を見つめた反応を見れば
ふ、と、微笑の儘で、其れを相手の目前に向けて。)
「おや、つれないね。 今なら何と、これだけだと言うのに。」
(――続いて示した、金額。 其れは、彼女が店に売り飛ばした金額の――凡そ、10%
只でさえ破格の値段が、殆ど投げ売りに近い金額となって提示される
買い戻して、再度売り飛ばせば、其れだけで黒字が加算出来る、が
逆に、どう考えても、其れは、売り手には何の利益も無い額であり。)
「――あの金額で売らせるには、惜しい出来だったのでね。
自信が在ったのだろう? ―――良い腕をしている。」
(――そんな事をしている、其の理由を、気まぐれの理由を、告げる。
手の中の小瓶、丁寧で精密な調合と、確かな素材の選別で完成された薬剤
その出来を褒め、認める言葉を紡いで――惜しまれる、と)。
■ミルフィリア > 断りの言葉だけを残してさっさと立ち去ろうとしたものの、聞いてもいないのに値段を示してくる相手。
その金額に踏み出そうとした足が止まる。
「……何を企んでるんですか?」
どう考えても、相手にメリットのない申し出は、良からぬことを企んでいるとしか思えない。
怪訝そうな表情から一転、警戒心剥き出しの、睨みつけるような表情へと変わる。
場所も場所ならば、手にした杖も構え。
「―――お褒めにいただき、どうも。
それだけ、とも思えないんですけど。」
相手が口にする理由を聞いても、構えた杖を下ろすことはせず。
そっけない口ぶりで礼ともつかない返事を返す。
相手の手の内で揺れる青い液体は、一見すればよくあるマナポーション。
けれど飲めば魔力を回復させられるばかりか、魔力の許容量を増幅させることができる代物で。
相手がそれを見抜いているかは知らないけれど、どちらにしても信用はならないとばかりの視線を向け。
■ルヴィエラ > 「――――企んで居た方が、寧ろ安心するかな?」
(相手が、其の方が納得する、と言うのであれば、其れでも構わない、と。
僅かに首を傾けて見せつつ、手の中で揺れる美しい色合いの小瓶を眺める
――魔術師にとっては、非常に有用であろう希少なポーション
此れだけの物を作成できるなら、其の時点で、如何に娘の腕は良いかは知れる
だから――また、小さく笑って見せれば。)
「では、遠回しなデートの御誘い、と言う事ではダメかな?」
(戯言めいて、そんな事を告げる。
杖を構える相手にも、欠片も臆する様子を見せぬまま
相手の瞳を、そっと覗き込む様に、其の紅の瞳を翳しては。
――刹那、娘の鼓膜に、其れ迄の会話とは明確に異なる響きが
言葉が、声が、流れ込み。 思考へと、染み込む様に。)
「――――……私が気に入った。 ……其れだけの事だよ、お嬢さん。」
■ミルフィリア > 杖を構えて威嚇はするものの、その実、大した攻撃魔法は扱えない。
せいぜいが目潰しが良いところ。それにしたとしても、タイミングが物を言う。
ちらりと周囲に視線を向けて退路を確認する。
幸いにも袋小路にはなっておらず、時を稼げれば路地裏に逃げることはできるだろう。
ぐっと杖を握る手に力を籠め――
「…え? 何の冗談……です、か……」
覗き込むように見つめられる紅色の瞳に見入ってしまう。
脳裏に、相手の紡いだその言葉が何度も反響するかのように響き。
「そ、そう…なんだ……
それなら、仕方ない…の、かな……?」
瞳の焦点がぶれて、虚ろになる。
けれども、それはほんのわずかの間のこと。
瞬きを繰り返して、軽く首を振ると、その名残はもうどこにも残ってはおらず。
どことなく釈然としない表情を浮かべながらも、構えていた杖を下ろして。
■ルヴィエラ > 「おや、デートは別に、冗談では無いよ?」
(――娘の瞳に一瞬、虚ろが浮かぶ
不自然な間が空き、そして、再び娘が声を取り戻した其の時
其れ迄露わにしていた警戒心が解け、納得を示した事を
もし、他の誰かが見ていたら、違和感を感じたやも知れぬ
――片掌が、相手の肩に乗せられる。
手にして居た小瓶を、相手の胸元へと差し出しながら、受け取るように促せば
先刻と変わらぬ、間近に寄せた瞳と声が、相変わらず其の鼓膜を甘く揺らし。)
「……確かな腕が在る。 其れが正当な評価を受けぬのは勿体無い、だろう?
もし、其れで納得出来ぬのなら。 ……金額以外を値に乗せても良いがね。」
(――納得、の意味を。 すり替える。
決して釣り合って居ないポーションと其の売値の代わりに
別の何かを――釣り合う形で、天秤に乗せても緩和無い、と
するり、肩に乗せた掌が、娘の背に、そして、腰元に滑り落ちる
触れた、其の場所から。 娘の肌に、胎に――魔力の繋がりを、造ろうとしながら)。
■ミルフィリア > 「えと、いきなりデートとか、言われましても……」
なんだか頭がぼーっとする。
気を抜くと、ぼんやりしてしまいそうで、意識して相手の言葉に集中する。
冗談ではないと言われたものの、ナンパなんてものは悉く断り続けてきたせいで、どうあしらってよいのか分からない。
何故だか、意識の内から断るという選択肢がなくなっていることには気づきもせず。
「評価してもらえるのは嬉しいんですけど……
え? 金額以外って……どういうこと……んっ……ですか?」
気付くと相手との距離が驚くほどに近くなっていた。
普段なら間違いなく杖を振りかぶっているだろう距離だけれど、それを許すばかりか、差し出された薬瓶を何の疑いもなく受け取ってしまって。
耳元で響く、どこか甘やかな声音に、思考がままならない。
服の上から背を、腰を撫でるように、滑り落ちる掌の感覚に、反射的に小さな声が漏れる。
散漫になっている意識では、そこに込められた魔力を感知できず。
小さく身じろぎして、深く考えられないままに、鸚鵡返しに訊ね。
■ルヴィエラ > 「ふふ、まぁ、深く考える事でも無いからね。
簡単だ、私の戯れに付き合ってくれるなら、其れで対価としよう。」
(――娘が、言葉を意識しようとすればするほどに、声は、其の意識の深層に染み込んで行く
抵抗、と言える反応を示す事が無くなった娘が、己が腕の中へと納まる形と為れば
相変わらず、掴み処の無い言葉で、娘を翻弄しながらに
――魔力が、娘と繋がりを得た、其の刹那から。
衣服に隠された娘の胎の奥に、印が、紋様が、刻まれ始めるだろう。)
「――……連れて行こう。 此処では、ゆっくりと話も出来ぬからね。
ほら、其れは大事に仕舞って置きなさい。 ……夜は、永くなるからね。」
(静かに、刻印が進む度に、娘の胎に、そして理性に、湧き出す様な疼きが齎される
そうして、曖昧となった娘の理性に、連れて行くと一言、宣告したなら
叶うなら其の儘、娘を連れ。 まるで夜の影に融け込む様に――其の姿を、路地から、消して――)。
■ミルフィリア > 「え…? あれ……対価? 私が払う、方になってる…?」
ぼんやりとした思考にも、違和感を感じる。
けれども耳元に響く声が心地良くて、その違和感を突き詰めることはせず。
ゆっくりと侵食してくる魔力が、抗い難い熱を帯びていき。
むしろこのまま相手の腕の中に納まっていてもいいかとさえ思ってしまう。
「んっ……ふぁ…
あ、はい……ありがとう、ございます。」
じわりと下半身に滲む快楽に戸惑うことも忘れて、ただただ素直に受け止める。
耳元で「連れて行く」と言われると、先程までの威嚇はどこへやら。
どこか甘える仕草でこくんと小さく頷きを返して、身を預けてしまい。
その直後、その場にはまるで誰もいなかったかのように二人の姿は消えてなくなり―――
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からミルフィリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からルヴィエラさんが去りました。