2021/05/20 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/女郎屋の奥」にビョルンさんが現れました。
ビョルン > どてり、と。

特殊嗜好の客を店の娼婦と一緒に送り出した後部屋へと踏み入れば東洋畳の上に膝を突いた。
己が酒臭いのがわかる。
そのまま横になって天井を仰いだ。

初老の客は、己にも男娼としての花代を支払った。
かといって、そういう事──ではなく。
まだ経歴の浅い娼婦と汲ませ、密室で差乍ら付き合いたてのアベックか何かのように振舞わせて其処へ乱入する、という所謂シナリオプレイを望んだ為である。

「当分、飲みたくない」

薄く瞼を閉じてぼやいた。
襟元を寛げたい、とは、思うだけ。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/女郎屋の奥」にアイリースさんが現れました。
アイリース > 「……」

たいてい、毎回のことというか。
この人がこうしてこんな感じになって来るときは。
何かしらあったんだよなぁ、と。
そういうことを察せるようには、私もなってきたわけで。

「……今日はお家の付き合いですか?
 それとも、それ以外のお付き合いで?」

とりあえず、いきなり現れた上にどさ、と倒れたので。
もう、いっそのこと、と。
布団を手早く敷き、相手のことをコロコロと転がして、そこに横たえてみせる。

「いまお水お持ちしますから。
 そのまま、休んでいてください」

この人の酒への耐性がそこまで高くない、というのは。
私も知っているので。すぐに水の用意をする。
ついでに、何かしら塩気のあるものも用意しておけば完璧だろうか。
そう思いつつ、厨房へと向かい、手早く部屋へと戻り。
相手の枕元に、とん、と。水の入ったグラスを置く。

ビョルン > 「今しがた、帰っ……」

今しがた帰った客の、と言おうとしたところ襲い来る倦怠感が玄関方向を指差した手を落とさせる。

ぅぁー……と呻きながら布団へと転がされていく。
そうして相手が厨房へ向かうならそこへ空になった五合徳利が2本と、切子硝子のぐい飲みがあることに気付くだろう。
そうして先程まで客の相手をしていた少女めいた娼婦によれば、それは男女ペアで身体を買い、客と女との色事に混じれとの符丁への謝絶に苦手な物を喫食させるといった趣旨のお遊びだったと知るかも知れない。

ともあれ。
アベックへの寝取り幻想や、見られれば燃えるという嗜好やら、嫌々飲酒する姿で気が晴れるだのと諸々拗らせた客であった。

枕元に何か置かれると片目を空けて見ては、身体を起こすのもだるそうに再び目を閉じた。

アイリース > 「あぁもう、ムリにしゃべらなくても結構です」

これはよほどだな、と思うので。
とりあえず、何も分からないけど分かった、と言っておく。
そうして台所に入れば……なるほど。
これはなかなかの状況。
その上、店の子から話を聞けば、大変さも理解できた。

「なんといいますか。
 ずいぶんな災難だったようですね」

せっかく水を用意したのに、飲む体力もなさそうなので。
私は、相手の服を軽く緩め、少しでも楽になるように、としていく。

「どうせでしたら、酒ではなく。
 何か、苦手な食い物にすればよろしかったでしょうに」

と、言っても。
この相手にも色々な立場やらなんやらがある。
今の内に、ある程度酒を飲みなれておく、というのも。
今後につながることではあろうと思うので。
あまり、世話役みたいな小言は言わないようにしつつ。

ビョルン > 娼館の和室。
プレイ用の布団が敷かれた枕元に丹塗りの膳が置かれ、そこへちんまりと座って都合一升の酒を。

「意味が、わからない。
 店の女と客の組んづ解れつを見せられるとか」

シュールな眺めだろう。
客が女の尻を軽く打てば己の名が呼ばれ、お断りの一杯を手酌して飲み下す。

「これでも、譲歩させたんだ──最初は俺にもドレス着ろとかかつら被れと言って、」

そうして動きづらい頭でつれつれ考えるに、己の苦手な食べ物とは何だったろうか。
あったとしても普段はこの女が食卓からさっと下げているような気がする。

「嗚呼、稚児趣味なんかもあるんだろうか」

客の視線を思い出してまた愚痴り、服の締め付けが緩まるとふうと息をつく。

アイリース > 「……まぁ~、そうですね。
 私たちみたいに、女性に見せつけるならまぁ。
 まだしも、ですけれども」

それにしたって、なかなか変なプレイなのだが。
男性相手に見せ付けるとか。
変わってる、というレベルですらない。

「……」

続いての衝撃発言に。
私は、どう反応していいか困ってしまう。
笑い飛ばすべきなのか、とも思ったが。
そうした場合、なんだか相手が怒りそうである。

「それはわかりませんけれども……。
 なんにせよ、お疲れ様でございましたね」

相手の味わった境遇のつらさに関して、少し同情しつつ。
私は、相手の頭を軽く撫でる。
いや、撫でる、というよりは。
髪を梳く感覚で頭に触れる。

ビョルン > 「うん、どうせなら女2人買う。
 ただしお遊びは時間差、だ──逸物は2本もない」

男女のカップルを買うとか。
疑似的なものであってもサフィズムに溺れる姉妹の態を成す2人の間に割り込みたいだとか。
何年経ってもわかる気がしない、けれどこの程度までは太い顧客の要望には応えてもよいのだろう。

薄眼を開けて水の入ったグラスを持てば寝たまま、その底を己の頬へと当てる。
相手の指が己の髪を梳けば柔く目を細める。

「膝」

空いた手でぽんと己の頭の横に触れて暗に膝枕を要求する。

アイリース > 「まぁ、世界は広いですから。
 多種多様に、色々な趣味の人がいらっしゃいますよね」

私としては、理解はできるが共感はできない。
そもそも、そういった色事に狂ってる対象を欺くのが仕事なので。
どうしても、そういう話を聞くと冷めた目で見てしまう部分がある。

「……はぁ」

もそもそしたかと思えば、水を飲むでなく頬を冷やして。
あまつさえ、膝枕の要求であった。
なんというか、我侭と評するべきか。
それとも可愛らしいと言うべきなのだろうか。

「どうぞ」

とはいえ、ハッキリとした要求なので。
あと、断る理由も無いので。
私は、相手の枕元に近づき、膝枕の体勢を取る。
……まぁ、これくらいで相手の疲れが癒せるのなら。
お安い御用、ということで。

ビョルン > 「遊びだから、というからまだ弁えてはいるのかな」

示し合わせた娼館の中以外で、逢瀬中のカップルに乱入して襲いたいだとかいう趣味は──お世辞にも宜しくない。

「あと塩昆布を一切れ口に入れてくれれば完璧だ」

身を起こす気力もないがどうにも口渇が気にかかり視界の隅に入った小皿を捉えて要求する。

「このまま寝たら、
 嗚呼、良い匂いがする」

グラスを床の上へ手放して女の膝の上、脈絡のない二言呟いて目を伏せる。

アイリース > 「あ、それはあるかもしれないですね」

案外、そういう部分で線をしっかり引く、というのは。
遊び人にはそういう人は結構いる。

「……はぁ……。
 まぁいいですけれども」

さらに要求を付け足されたので。
私は、ちょっと脱力しながら、ちょい、と。
小皿へと手を伸ばし、引き寄せ。
相手の口に、塩昆布をぺちっ、と入れる。

「いいですけど。
 寝たら、そのまま布団に戻しますからね?」

いつまでも膝枕をしているわけにもいかないので。
ほどほどにしたら、普通に寝てもらうつもり。
やはり、本来なら布団でしっかりと寝てもらうのが一番なのだから。
そう思いつつも、ついつい相手の頭を撫でてしまう。

ビョルン > 「となれば商売っ気で応えるしか」

けれど次回は己の花代は値上げするし麦酒程度で済ませたいものだ。
目を閉じたまま、塩昆布を口に含んでいればだいぶ喋りやすくなった。
相手が己を撫でながら話す言葉には、不服そうに口を尖らせる。

「嫌だ……。
 酔いが醒めてくると寒くなるんだもの」

酔って奇行に走ったり記憶を飛ばすことはない。
けれど醒め始めた瞬間から、ガタガタと震えることがある。
片手で相手の腿と尻を撫で上げる。

「今日は肉布団で」

もうひとつ要求して、味のなくなった昆布を噛み下す。

アイリース > 「そうなりますねぇ」

なんというか、つくづく難儀な人である。
とはいえ、そういう所が素敵であるとは思うし。
支えていきたいとも思う部分でもあるのだが。

「それはわかりますけどね。
 私だって仕事ってものが……」

相手の要求も分かるのだが。
ずっとこうしているわけにもいかないのだが……。
そう考えていれば、相手が体に触れてくるので。
ぺち、とその手を軽く叩く。

「……今日はずいぶんと甘えてきますね。
 ……はぁ、わかりましたよ。
 ……私も。まぁ、たまには?
 アナタと添い寝したいときがあるといいますかなんといいますか……」

最後のほうは、ちょっと照れてしまう言葉だが。
相手の要求に応えることを決める。
まぁ、どうせ今日はそろそろ店じまいだし。
問題はないだろう。

ビョルン > 「俺のお守りに優先する仕事あるの?」

何処か得意そうにふふんと息を弾ませてにやつきながら問い掛ける。
尻を撫でた手がお仕置きされればまた口元緩めた。

「そりゃあそうさ。
 たま、とも言わず三日と空けず?
 こちとら、お前の胸に溺れながら寝たいんだもの」

そのしっとりした肌に触れて体温を感じていたい。
酔っている風なれば、言えた言葉に此方も又はにかむ語尾に笑う声が乗る。
改めて一度、ンフフと含み笑いを零し。

アイリース > 「……ないですねぇ」

鋭い指摘に、思わず首を傾げつつ、苦笑してしまう。
事実、私にとって最優先の任務は。
この人をお守りすることなのだから。

「その割には……。
 手は出してくれないですよねぇ……」

なかなかに大胆な発言。当然、嬉しくないわけでもないのだが。
そういったことはあまりしてくれない相手に。
思わず、唇尖らせて、不満を言ってしまう。
だが、やはり。うん。
嬉しさが勝ってしまい、少しずつ、にやにや笑いが湧き出てきてしまいそうになるので。
おほん、と。一度咳払いをして、表情を引き締める。

「なんにせよ。今日はゆっくりお休みください。
 疲れを残していては、明日に響きますから」

しっかりと水を飲んで。ぐっすりと眠ってもらう。
それこそが、一番である、と相手に釘をさしておく。

ビョルン > 「そこはそれ」

んー、と少し考えてから笑う。

「あるじとは言え、襲って骨抜きにしてくれたら何でも言うこと聞いて扱いやすくなるかもしれないぜ?」

悪戯そうに笑えば、腹を決めたように身を起こしてグラスの中の水を飲み干す。
シャツの襟元をボタン2つ3つと開けて立ち上がる。
一升酒を飲んだのだった、厠には行かねば寝れぬ。

そうしている間に寝支度は整うのだろうか。

アイリース > 「……」

一瞬、考える。
相手の言うこと。それが可能かどうか、ということに関して。
だが……。

「……それはいい考えかもしれないですけれどもね。
 主に忠義尽くす忍が主を襲うとか。
 普通に忍失格で、里の人間に殺されかねませんので」

そう言って、相手が立ち上がるのを見送る。
……とはいえ。いざという時は。それもありか、と。
少しだけ心揺れるのを感じつつ、改めて布団をしっかりと準備。
相手が戻ってくるまでに、店の子に、店じまいにして。
後片付けなどをするように、と指示を出しておく。

ビョルン > 「んー」

言い方が違ったかな、と部屋を離れる間は考えている。
用を足して手を濯いで戻れば寝衣に着替えながらぼそりと。

「襲っちゃいたいくらい可愛く思えた男がたまたま主だった……、
 なんてことは」

そもそもその立場が逆だったような出会いだったが故に、そう思いついて発した。
もう一杯水を飲んで布団へと横たわる。
そういえば、寝衣の裾から足首が覗くようになってしまった。
夏の洋袴もまた、作り直さなければならないのだろう。

アイリース > そうして、さぁ寝ましょうか、と。
準備を終えて相手を迎えれば。
相手がつぶやくのが聞こえ。

「……いや、それを言われますと。
 結果としてそうであったことは否定はしませんが」

その辺り、難しいなぁ、と思いつつ。
相手のすぐ横へと寄り添い。

「……えい」

と、一言声を上げ、相手に思いっきり抱きついてみる。
腕だけではなく、足まで絡ませてのハグだ。

ビョルン > 「後付けの言い訳だろうと、
 最後の帳尻が合えばどんな事情でもヌルリとまかり通るってね」

閨の中、女の手足が強く絡めば抱き返して体温を分け合う。
そうしている間に次第と重なる吐息に湿り気が混じり始める。

どちらからともなく唇が合えば、女の着物の打ち合わせを開けさせて素肌に触れた。
快い疲労に瞼が落ちるまで二人だけの夜は秘めやかに流れ──。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/女郎屋の奥」からアイリースさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/女郎屋の奥」からビョルンさんが去りました。