2021/03/08 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」に黒須さんが現れました。
黒須 > (薄暗い灰色の空の下
いつも通りの風景が続く貧民地区。
治安は悪く、住む人々は全て希望を失い、泥水を啜りながら過ごしていた。)

「…はぁ」

(ため息を漏らす、街の中ではまだ身なりのいい男が歩いていた。
手元には何かのリスト、しかもかなりの厚さであった。)

「滞納者がこんなにもか…ったく、めんどくせぇ…。」

(咥えているタバコを噛みながら苛立ちを見せて頭を掻きむしっていた。
ひとまず1人目の契約者から回収に回り始める。)

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にヴェルソートさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からヴェルソートさんが去りました。
黒須 > (見つけた1件目で交渉を行い回収に
面倒臭い仕事は続くのであった)

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」から黒須さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にイグナスさんが現れました。
イグナス > 夕刻、そろそろ陽が落ちていこうという頃合い。
静かに落ちていく夕日が、もう差さないような場所。
貧民地区の奥、あまり人が知ることのない書庫――薄暗く、しかし案外広い。
建物の一部は崩れかけの古めかしい…というよりは、ボロい店だった。

「なァ。……なンでこの店は、こんな本が揃ってンだ。」

店の棚を眺めながら、大きな男がぼやいた。それこそ、小さな店の天井に背が届きそうな体躯
どこか呆れたような声音で店主に声を掛けるが、返事は返ってこない。
稀覯本…というだけではない。禁書や魔書の類が、ちらほら見掛ける。
最近の週刊誌もなぜか、陳列されてていたが。

結局店主からの返事はなかった。やれやれと肩を竦めて、本を眺めた
一部の好事家からは、どうも重宝されそうな店だ。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にランディさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からランディさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にランディさんが現れました。
ランディ > 「……わ、わ…シュレーゼの魔素分析論がある!あ、こっちはベルトシュの魔法文学論…! あぁぁ宝の山だぁ…!」
棚を隔てた向こう側から、感極まったような声が響く。そそくさと入ってきていたらしいその声の主は、小柄な体をいっぱいに伸ばして、高いところにある目当ての本を取ろうと躍起になっていた。
稀覯本、魔導書、焚書本…どれがあるにしろ、この学者には宝の山だった。
偶然見かけて入った店だが、大当たりすぎて震えそうなのはこいつくらいだろう。
ぐいぐい、と白衣に包んだ小さな体躯を精一杯伸ばすが…あと5cmか10cmほど、背丈が足りない。

「あ、あとちょっと…もう、ちょっと……んんぅぅ~!」
先客の見ている棚の向こう側から、なんとも必死な声を響かせては、店主に鬱陶しそうに見られる始末で。

イグナス > 騒いでいる声が聞こえる。煩いと言ってしまえばそれまでだが。
こんな店に、己以外がいるとは思わなかった。音とあわせて、どういうことかと。
――見れば棚の向こうに、何やら困っている声。

「あン?………なんだ、取れねェか。」

身を乗り出して、手を伸ばす。当たり前だが圧倒的に巨大な体躯。
腕を伸ばして、欲しがっている本を取る。
ほら、と彼に本を手渡しながら、クツリ、喉を鳴らして笑って

「あんま無理すると頭ッから本が落ちてくるぞ。」

ランディ > 「も、ちょっと…もすこし、ぃ…っ!」
見れば、おそらくはミレーなのだろう茶色の獣毛に包まれた耳を生やした緑髪の白衣姿が、必死に体を伸ばして棚の上の本を取ろうとしている。踏み台でも探せばいいだろうに、もう目の前の本しか見えていないようで…。

「……あ。」
ひょいと取られた本、一瞬絶望したような顔をしたのは、その手が本を持っていくと思ったからで。
しかし、自分の目の前に差し出されると、数瞬だけ疑問符を浮かべてから、パァァ、とそれはもう嬉しそうに本を受け取った。

「あ…ありがとうございます!ぁ…あの、キミは…?」
お礼を言って始めて目を向けた相手は…それこそ見上げんばかりの巨躯で…つま先から頭の天辺まで、ついまじまじと、観察してしまう。
別に何か意図したわけではないが、自分の一応むっちりとした体躯ではあるが、彼と比べて明らかに貧相な体躯と見比べたりして。

イグナス > ちゃんと相手に本が届けば満足そうに。
この手の視線には慣れてる。少しだけ意地悪く、にまりとわらった。


「おれか?おれも客だよ、客。冒険者で半巨人の、イグナスってンだ。
 ――ここはどうも、珍しい本が多い。ちと、面白くてな。」

改めて書籍に視線を向ける。彼の言っていたあまり専門的な内容はわからないが。
とはいえ、下手をすれば素人でもわかりそうな希少本の数々だ。
中には禁忌に触れる書物も――大丈夫だろうかこの店、そろそろ心配げに九bうぃお傾げるが。

「そういうお前は。
 …学生か学者か、ああ、魔導士とか。」

ランディ > 思わず見上げてしまった巨体の持ち主が意地悪そうににまりと笑うと、返すようにヘラリと、なんとも気の抜けるような笑みを浮かべ。

「あ、ご丁寧にどうも……ぼくは、そうそう、魔法学者のランディだよ。
 冒険者も最近始めたから、イグナスくんは先輩になるのかな?うん、よろしくね。」
名乗られると、柔らかい笑みを浮かべて名乗り返し、冒険者と聞けば嬉しそうに自分もそうだと話したりして。

「だよね、ほんと…これ一回読みたかったんだぁ…あ、お金払わなきゃ。」
取ってもらえた事に喜んでいたが、金をまだ払っていない。
そそくさと店主のもとへ行き…お代を聞いて…一瞬顔がひきつる。

「ぐ…うぅ、高い……いやでも、むぅ……よし、ください!」
予想外にお高い出費だったが、お仕事頑張って、節約すればなんとかなると思い直したのか…ごそごそと財布代わりの革袋を店主に差し出していた。

イグナス > 「魔法、学者。はあ、なるほど、ランディ?
 ……なんだ、だいぶひ弱ッそうだが、戦えンのか、お前。」

何も冒険者=全部戦いではないけど、相手のどこか、頼りない空気。
もちろん前衛ではないだろうが、からかい半分、心配半分に。

「読みてェのがあったなら、そりゃ、よかった。
 ……そらまァ、そうだろ。
 むしろ安いンじゃあねえのかー?
 ……まともな店にだしゃ、もちっとかかるぞ、これ。」

とはいえ安い値段ではない。無造作に置かれてるがそれぞれ、なかなかの額だ。
しっかりと財布の革袋を出すシーンには、おおー、って感嘆の声。
勇気を持って買うのかどうか、ニマニマとやっぱり意地悪くしながら、眺める。
店主はぼそぼそと会計――お金がカウンターの中に吸い込まれて句

ランディ > 「うぐ……戦うのは、ちょっと…狩りならそこそこなんだけどなぁ。
 キミはなんていうか…うん、強そうだよね。」
これでも半分はエルフだ、狩りと弓の腕なら割とそれなりである。もちろん魔法も心得ているが、どちらかというと、遺跡の調査などがしたいのと研究費の捻出のために冒険者をはじめたクチだ。
どう誇張しても「戦闘が得意」です、とは言い難い。

「ふふ、ありがとう。
 ぐ、そう言われると…そう、だよね。
 確かにこれは安い…大丈夫、いざとなれば食費を削れば…よし。」
そして、やはりイジワルな視線に見られながら…しっかり出したサイフ、しかし少し未練があるのか吸い込まれていくお金とすっからかんになったサイフにちょっとだけションボリしながらも、目当ての本は手に入れた。

「他にも欲しい本があるけど…うぐぐ、お金足りない……。」
やはり、研究費を稼がなければ…ハーフミレーの貧乏学者は決意するのであった。

イグナス > 「狩り、ねェ。やっぱ何をするにも、遺跡にもぐったりもあッからなあ。
 ……おう、俺ァ、強いぞ、最強だ。」

狩りだってほんとーにできるのか?って胡乱な視線もちょっと向けつつ。
強そうという言葉には自慢げに、ぐいと力こぶを作って見せる。
傷の走る腕は単純に、力だけでなく、ここまでの戦いの様子を表してもいて。

「……ふむ。
 やれ、やれ、こりゃァ、確かに無理して冒険でもして金稼がねェとだな。」

学者とは言うが、どれくらいのもなのか、どうやら貧乏学者の類のようだ。
会計済ませる様子に、ご愁傷様と人ごとに。
でも最後に、クエストくらいなら付き合ってやる、と。
頑張って稼げと伝えて。

ランディ > 「むぐ……これでも片親はエルフだから、弓の嗜みくらいは持ってるよ!」
ぶぅ!と胡乱な視線に少しプリプリ怒ったりしつつも、彼がぐいと力こぶを見せれば…もりっ、と傷跡ごと盛り上がる上腕におぉ、と驚きながらも…嫌がらないならペタペタと興味本位に触ってみようか。そして素直に感心して、すごいすごいと囃し立てるのだ。

「最強かぁ…凄いねぇ。腕すごい、僕の腰くらいありそう。
 ……うぅ、頑張って稼ぐ。あんまり怖いのはやりたくないけど。」
むしろ、薬草の採取とかのほうが得意なのでなんとも言えないが…なんだか他人事だなぁ、と思ったが他人事なので仕方ない。
結局稼ぐしかないのだ…せちがらい…。

「そういえば、イグナスくんは何か買うの?」
と、ふと気になって顔をあげ、尋ねてみる。