2021/02/09 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/空き地」にビョルンさんが現れました。
ビョルン > 己の拳が男の水月に深く沈み込み、相手は土へ膝をついた。
そしてそのまま倒れ込んだ。

それを見て利き腕の付いた側の肩を回す。
差乍ら今更の準備運動のように。

「──で、どうすンのさ。この場合」

果し合い相手が勝てば利子もろとも借金はなかったことにするという条件だった。
負ければ証文を捨てるだけでよかったが、買ったとて金が湧き出る訳でもない。

「好きにしろってね、そーいう趣味はない訳。……誰かいない? 娘さんとか、若い嫁さんとか──…」

返済のあてもなく貸し付けたはずもない。
解決策がなければ取り立ては続くことになろう。
倒れている男のポッケや懐を探るが、金目の物は出てこない。出るのはドッグレースと賭けボクシングの負け半券くらいだ。
今日は諦めた。

「次、やるならおいで」

遠巻きの観衆へ低く声をかける。
男を心配するような視線がおおかただが、この果し合いに代理として名乗りを挙げる者はいないだろうか。

ビョルン > 名乗りが上がることはない。

「それじゃあ、真面目に働いて返せってことだ──…」

脱ぎ落していたコートを拾って身に着ける。
風呂に入りたい。帰路に就き。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/空き地」からビョルンさんが去りました。