2020/12/14 のログ
ラファル > 「……!おねーちゃん……ボク、尊敬、するよ……!」

 10人抜きと来た、後衛の回復薬なのに、其処迄強くなりたい、とは。幼女は、人の底知れなさを学んだ。
 尊敬度が、上がった。師匠のおいちゃんの次に尊敬できる。すごい女だ……!
 師匠を紹介しても良いのかもしれない、そんな風に思う。

 撫でてくれる手が少しずつ力を取り戻しているのが判る。おててもつやつやになって肌触りもよくなって、撫でられる感触が心地よくなる。
 かいぐりかいぐり、なでなでなでなで。こてんと転がって、お腹見せて、撫でて撫でて―とかしたくなる。
 でも、我慢だ、後で家に帰ったらいっぱいわちゃわちゃして貰うんだ!
 それに、むぎゅっと抱きしめられて、抱き着き返して、暖かな体が心地いいし。

「お姉ちゃん優しいね……!命奪わないんだ。オッケーだよ!適当にタコ殴りして、全裸で放置だね。
 ふぁっくみ―とか書いておけば、親切なエロ猿が助けてくれるよ屹度!」

 ペースト状だと歯ごたえがなーとか思う幼女。大人の考える以上の幼女だ、だって、その気になれば人肉はご飯だから。
 流石に、大人に教えちゃいけないので、教えないし食べてるところは見せてない。
 唾液とか鼻水とかよりも、ディープなキスとか、全裸にされて全身をくまなく舐められるとか、の方である。
 なので、血液ポタリなのでした。

「あらほらさっさー!」

 やーっておしまい!と言うゴーサインが出たので。
 year!と元気よくお返事、屈託のない笑顔で幼女はリング・イン。と同時に、棍棒で殴って来た女の棍棒をが知りとつかむ。
 
 ぺきょ。

 と言う可愛い音を立てて、棍棒を握りつぶす。
 先ずは一人目、手に持った棍棒を握りつぶされて、目が点になっているので、優しく殴る。
 秒間100発。殺さないように手加減しながらと言う器用な殴り方で姉以上にぼこぼこにしたうえで、綺麗に服と装備をまとめて奪い去る。

ティアフェル > 「ラファルちゃん、わたしはあなたに恥じないようにかんばるから……!」

 大口叩いた後は、芝居がかったノリで熱く熱く誓うのだ。10人といっても素人10人か玄人10人か、そこは定めてないのがミソ。
 師匠、実際遭遇したらタメイキつかないでねって感じの女。

 何故こんな女に懐いちゃってるのか摩訶不思議ではあるが、かわいがる心が通じているのだろうか。ともかく、かわいいかわいい、と愛で愛でして、ぎゅーっと修羅場だったとは思えぬ現場でハグし合って、小っちゃくてパワフルな身体を堪能し。

「そうなのわたしって優しく上品な女子なのよ! 世間はもっと認めるべき!
 ……ま、わたしも死んじゃいないしね。それがフェアな対応よ。全裸じゃなくっていいわ、下着とかまで触るのばっちいわ。
 まあ、そこまでしちゃうとちょっとうちらの品性がってなるから剥くまででいーわ」

 そういう言葉はあんまり使っちゃ、め、だよ。と人差し指を立てて今さらながら注意するが、いろいろ手遅れだった。
 
 そして、妹ちゃんが棍棒女を血祭りに上げてる内に。こっちもこっちで昏倒してる女やら、怯えて動けない女やら、何故か何もしてないのに白目を剥いてる女やらを、

「はーい、ごめんなさいよー。寝てる奴はいっか、起きてる奴をボコりまして、気絶したところを剥かせていただきまーす。有り金ももらっとくね。大丈夫、孤児院にでも寄付するわよ、わたしの品性は地に落ちちゃいない」

 ばき、とまだ覚醒状態の奴の顎に思い切り一発ぶち込み。それで首尾よく気絶してくれればそれでよし。起きてるようなら首筋に手刀を叩きこんでお眠してもらい。
 それから下着は残して衣服とお財布を巻き上げて。

「――風邪で済むといーね、なむなむ」

 なむなむの意味もよく知らないが、なんとなく口にして、路上に三名ほど転がし。

「そっちはどー? おっけかなー?」

 任せた方はもう終わってるかなーと振り向いた。

ラファル > 「うん!ティアお姉ちゃん……ボク、お姉ちゃんに付いてくよ!」

 熱く決める姉の言葉に、妹は目をキラキラさせるのだ。素人でも10人戦えばそれなりに疲労し疲弊する。玄人相手なら文句ない。
 たぶん、呵々大笑してくれると思う。
 あと、忍者の技術は兎も角として、色々な事を教えてくれるはずだ。そう、思う。

 撫でてくれるし、優しくしてくれるし、可愛がってくれるし。
 幼女は実はチョロゴンでした。お菓子あげればきっとついてく。

「上品……!ボク、上品は苦手……!だって、自由出来ないし……ティアおねーちゃんも上品なんだね、覚えた。
 そなんだ?目には目を歯には歯をだっけ、うん。判った。服と財産ね!
 ………あ。」

 しかし、残念なお知らせがありました。一人は既に剥き終わってました。全裸で倒れているぼこぼこの女盗賊。
 あー、あー、と幼女は倒れているそれと、姉と見比べる。

「えへ☆」

 ウインクして、舌をだし、てへぺろっ!とごまかすことにしました。あざと幼女。
 そして、戦力外通告状態の二人を丁寧に向いている姉、あっちは安心だね、と頷いてから。

「おっけー!」

 姉が弱っている二人を剥いている時。
 発狂している二人を相手する妹。
 棍棒が駄目なら、と剣を出したので、その剣をポッキーのようにポリポリ食べていく、剣先から徐々になくなって、近づく幼女はホラーである。
 それを見て戦意を失った所を、たいがーあぱーかーっと、アッパーカットを決めて意識を刈り取り、服を剥き、金目の物をすべて奪う。
 最後の一人は。逃げようとするので、足をつかんですっころばして。ストンピングで意識を刈り取る。
 その間、言わなくても良いだろう。

 姉が振りむいたときにはもう、下着だけの女性が抱きしめあった格好で縛り上げられていた。

「遊んでみた!」

ティアフェル > 「おう、わたしについてきな!」

 ついてっちゃう気なんだ、ヤバイ、と突っ込んでくれる常識人はやっぱ不在なので、調子に乗って力強く請け合う声。身の程知らずも甚だしいが、本気だ。

 現実は食べ物で釣りながら、こっちだよーと誘導するノリだけれど。

「上品は不自由ということではないわよ。ラファルちゃんはお転婆なのがかわいいけど、あんまり変な言葉は使っちゃ、め、よ。せっかくかわいいのが台無しだもの。
 そうそう、そゆこと。――お手々ちゃんと洗うのよ? ばい菌ついちゃうからね」

 あーあ、もう剥いちゃったか。しょうがない…とお茶目な所作に肩を竦めて。マジで単にばっちいと思っていたし、匂うとイヤなので触れない領域にしておいた女は、清潔を保つように注意した。

 そして、ローグ女達を始末すべくさくっと作業を行う傍ら、相変わらずどうかと思うくらいチートな妹はやっぱり今夜もチートな真似をしているので、比べたら負けよ…と思うに留め。
 自分のノルマを終えると、振り向いてみたら。アラレズぷれい。
 ぶっと若干噴き出して。

「ううわあ……そっか、うん。良かったね……。
 じゃ、いこっか。お金は孤児院のポストに入れてくよ」

 姉役として注意すべきだろうか。こんな情勢のヤバイ国だが、それでも妹として見る子にはできれば心身ともに健やかに育って欲しいものだけど……。取り敢えず血の繋がりがないという弱みで、その対応は保留。彼女の実家の人と要相談だな、そこらへんの教育はと遠慮しておく。
 そして、ぽむ、と金の頭の上に手を置いたら片手でちゃりーんと財布を押し込んだ革袋片手に告げ。
 それから手を差しだして、促した。もうここに用はねえ。

ラファル > 「あいっ!」

 憑いて逝きますどこまでも。馬鹿め!常識人は、もう死んだわ!
 シリアスさんも息をしてないので、どうしようもないのです。力強い声に感動し、ぴょこぴょこついていくのです、尻尾もぶんぶん振ります。

 でも、獣には一番それが良いのです、ご飯をくれるから仲間。
 いい子にしていればご飯をくれる理解してくれる頭があるからなおさらに。

「でも、お上品は、走り回れないんだもの……。
 変な言葉は使わないよ!……変な言葉。むむ。

 はーい!お家帰ったら石鹸でキレイキレイするよ!」

 変な言葉、とはどれの事だろう、使うなと言うなら控えるけれど、どれが。意識せずに使う幼女は、自分の言動のどれだったかな、と思い出す。
 清潔感に関しては、彼女がヒーラーだからなのだろう、回復する際に、魔法で綺麗にする前にばい菌とかを気にするのでよく聞いていた。
 ちょくちょくお風呂とか手荒いとかもするので、判った―と、元気良く手を上げる。

 そもそもが、種族がチートなのです、人の姿をしたドラゴンとかもうね。なので、比べたら負け、彼女の思う通りなのです。
 振り返った彼女にぶいと、ブイサインをする。おもちゃ完成、と言わんばかりに。

「………にひ。
 はーい、何処の孤児院にするのー?貧しい所?」

 噴き出す相手に、悪戯成功とばかりにニンマリ笑う。ちなみに、こっそり仕掛けをしておいたので、運が悪いと……あの盗賊たちは『目覚めて』しまうだろう。まあ、どうなるかは知った事じゃない。
 実家の人に会いたいのならば、言い出せばすぐに叶うだろう、案外暇である。
 手を差し出されてそれをつかむ小さな手。

「今日のご飯はなっにかなー?」

 はらぺこりーな妹は、楽しげに、姉に献立を訪ねる。

ティアフェル > 「ナイスお返事だ妹よ!
 うーん、よーしよし、おねーちゃんと一緒だよ~」

 よしよしよしよーし。甘やかす声を出して、健気についてくる、大分チョロ目な幼女を誑し込んで頭撫でて背中ぽんぽんして頬擦りすりする。
 餌付け、と世間では称してしまう好意を妹にやらかすのかという非常識。

「上品にしろとは云わないわ。でも下品はダメ。おねーちゃんの妹はカワイイの!下品しないの!かわいくしてるのー!」

 半ばただの我がままである。下品なのは弟たちでお腹一杯なので。妹はそうであってほしくない、せめてと血の滲む思いで駄々を捏ねやがった。
 変な言葉で悩まれると焦ってしまったようだ。
 そして清潔保持だけはきっちりさせてもらっていいお返事が返ってくると、良き良きと得心した顔。

「大概の孤児院は経営難がデフォだからねえ……この辺の適当にでいいわ。選んでる暇はないから」

 貧民地区にあるくらいならまあ、どこも確実に貧しいと云えるので、どこに投げ込んでも正解だ。
 下着で抱き合うローグたちは……ちょっとはぬくくて結構かも知れないと棄ておくに留める。そもそも当初ボコられた連中なんだから大っ嫌いだ。
 
「うーんとね、今日は焼肉とピクルスに野菜たっぷりの海鮮ヌードル。デザートは梨のコンポ―トだよー」

 献立を訊く妹にのほほんと笑いかけて背を向ける死屍累々とした現場。その惨状についてはもうすでに頭にない。

ラファル > 「わーい!いっぱい一緒にいるよー!纏わりつくよー!」

 ぎゅーっと、痛くない程度に抱き着いて張り付く幼女、頭なでられて、背中撫でられて。こんなに優しくしてくれて嬉しいのでもっと懐く。
 餌が無くても十分懐く幼女だった。
 放っておけばエサは自分で取って食べてるし。

「ぉぉぅ……っ。魂の、叫び……。
 判ったよ!下品ならないように、ボク頑張るよ?」

 凄い物を見た、彼女の幼女に引けを取らないレベルの我儘と言うか駄々というか。そこに眠る全力以上の、叫びを受け取った。
 血の涙さえ流すような勢いにうん、と頷く。
 でも、そんな風に言ってくれるのは、心からの言葉を伝えてくれるのは嬉しくて。頑張りたい、と幼女は思うのだった。

「じゃあ、あそこがいいんじゃないかな?」

 貧民地区にはそれなりに孤児院があり、其れのどれもが、経営難だ。
 そして、数だけは有るので、指さしてみればそこに当たるので、あそこがいいんじゃないかな、と。
 ちなみに仕掛けたいたずらは、媚薬を仕込んでいるのである、ローグの体に、ポーションのようにぶっかけたのだ。
 それもたっぷりと頭おかしいレベルで。いろいろ負けたらきっと、戻れなくなるぐらいになるのだろう。
 姉を虐めたのだ、少しぐらい罰を強くしても罰は当たらない筈だ。

「ヌードルにピクルスって会うんだ……!楽しみ!」

 おててつないで歩き始める、献立に面白いものを見出したのか目を輝かせて。
 孤児院にお金を投げる際には、一緒に猪も投げておこう、冬だし腐りはしない筈だから。

ティアフェル > 「そうしようねー。だってこんなにかわいいんだものー」

 かわいいお店に行くにもお菓子屋に行くにもカフェに行くにも素敵な場所にいく時はきっと連れて行く。
 こんなに懐いてくれる幼女は他におるまいので甘やかして遊んで無駄なまでに構う。

「お願いね……?! ラファルちゃんなら、ぜったい、きっと、大丈夫って、信じてるから…!」

 本当にもう弟とか勘弁してほしいのだ。女の子力を求めておいた。がし、とその小さな双肩をつかんで半泣きで頼み込んでいた。
 そこまで心配せずとも性根がサルの弟達とは別物なのだから大丈夫だろうが、ついつい。

「お、ちょーど良い所に。
 それでは、有効にお役立てください」

 じゃらり、と硬質な音が袋の中でぶつかり合う財布を妹が指差した、足を進める先にあった孤児院のポストに投げ込んでおく。
 明日はおいしいものでも食べておくれ。と。自分の金じゃないと全然惜しくない。

 ローグたちの末路に関しては知らずにいたことはきっと良かっただろう。
 自分の為に、妹にそんな真似をさせたと合っては落ち込む。

「えーと、ピクルスは焼肉の付け合わせとして出すよ。ヌードルには……合うかな……シェンヤンの料理はなんでも酢を掛けて食べたりもするみたいだから案外合うかなー」

 うーんと小首を傾げつつ、手を繋いで帰途を辿る幼女が猪を孤児院に投げ入れたら、どこに持ってたの?!となるのと、一夜明けてお金はともかく猪の死骸が投げ込まれてたら謎過ぎて怖いだろうから、一筆書いておこう…とフォロー入れることを決め。
 そして、修羅場から始まった夜だったが最終的にはいつも通りごはんを一緒に食べて、お風呂に入って終始いい子、素敵、かわいいといちいち甘やかしながら仲良く眠る平和な夜となるのだろう。 

ラファル > 「んに。」

 可愛いらしい、可愛いのか。幼女は少し目を瞬いてみて。甘やかしてくれるのは嬉しいし、甘える。
 ただ、お菓子屋は兎も角カフェも未だ。場所によっては、服を着るように言われるのかもしれない。
 その時に幼女の真価が試される……!

「うん、うん、ボク、頑張るから……っ!」

 圧がすごい、泥棒さんを怯えさせた幼女に対して、ぐいぐい来る圧。半泣きの女性は、両肩つかんで必死過ぎる。
 姉の期待に、圧に耐え切れずに、こくこくうんうん頷く幼女。
 下品はあまりよくないと言うのは判ったし、実家の方でも多分ダメと言われるだろうという事は想像が付いた。

「美味しいもの食べてください。」

 姉の真似をして言う幼女、猪が放り込まれている。敷地の中、ポストの裏側辺りに。
 見た目はすごいが仲はもっとすごい、ちゃんと捌かれてあり、直ぐに食べられるようにしてあるのだ。
 毛皮とかは売れるし、温かいので、冬を越す毛布代わりにもなる。
 一応幼女的にも考えての事だった。

「あ、お肉とピクルスは確かにおいしいね! うーん……今回は、ちゃんと分けて食べるよ!ティアおねーちゃんがおいしいと思って作ってくれてるんだし!
おねーちゃんの美味しいは正しい!」

 変にアレンジするのがマズ飯だと、幼女は知っている、経験則で。だから、姉の言う通りに食べる、料理上手に任せる。
 これが真理だと、学んだ。作れる側になったら、もう少し変わるのだろう。
 フォローに関しては、あいっ!と元気に返事をして。手紙を取り出してカリカリカリ。取扱説明書を作り上げて。猪に張り付ける。
 これでいいよね!と笑って一緒に帰って。
 ご飯を食べて、お風呂に入って、そして、元気にお休みするのだった。
 その間の、お姉ちゃんからの可愛い旋風に、巻き込まれて、たいそうご機嫌なチョロゴンでした。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からラファルさんが去りました。