2020/09/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にロブームさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にティアさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からロブームさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からティアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」に紅刃さんが現れました。
■紅刃 > 「これまで、お世話になりました」
大衆食堂の裏手から出てきた1人の女が、店内に向かって深々と頭を下げる。そして髪を後ろでまとめていた帯を解き、絹布のような黒髪を夜風に流すと、足音少なく路地裏を歩き出した。
「明日から……」
どうしようか、という言葉は飲み込んだ。王都に来て以来、適当な仕事で宿代を得ながらその日その日を凌ぐ女は、今日、雇い止めとなった。理由は分からない。食堂の客の入りが少なくなったからかもしれないし、この女よりも安く雇える誰かを見つけたからかもしれない。
湿った風に流される髪をかき上げ、覗く肌は雪のように白い。そしてその瞳は、顔中の血が全て集まってしまったような朱色なのだった。
「なるように……ううん、ならなくても……」
構わない。どうなろうと。故郷を出て以来ずっと捨て身で、独りで生きてきた女はそう呟いた。帰る場所も役目もない。死んでいないのは、苦しい思いをしたくないから。そんな、生きながら枯れていくような暮らしを、この女は続けていた。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にグスタフさんが現れました。
■グスタフ > 都市外の任務が終わり、久しぶりに来た店で、妙に神妙な様子を見れば。
話の一つも聞きたくなるのが、男の性であった。
聞けば、ここ最近の客足で一人解雇にあったのだと聞く。
「ふぅん」
お代を置いて店を出ながら、さっきの女の様子を思い出して。
こんな大衆食堂が似合う女でもなかろうに、と唸ってしまった。
踵を向ける。今なら追いつけるか。
先ほどの女の足を追って、追いかけ、それらしい姿に声を掛けてみた。
「こんばんは。ちょっと、話いいかな?」
■紅刃 > 背後で上がった声に振り返る。逞しい身体つきの男性が目に入った。
「……私、でしょうか」
誘いの言葉に足を止める。警戒することも愛想笑いをすることもなく男へ向き直った女に何が起きたかは、特筆すべきことではないだろう。
此処は貧民地区の路地裏。ありふれた災難。衛兵は女に事情を聞くことすらなく、女も自身が受けた被害を告げるでもなく、次の日を迎えるのだ。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」から紅刃さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からグスタフさんが去りました。