2020/06/18 のログ
■影時 > 人攫いが居る。帰ってきたものはいるけど、別人のように憔悴していた。
気持ちよくなる薬の売人が最近うようよ居る。お腹減った。
お父さんお母さんが怖い。知らないお父さんたちは“優しく”してくれた――等々。
何分、此れも子供の話である。正確を期するのであれば、裏取りをしなければ確度は上がらない。
だからとて、軽く扱っていいという道理にはならない。
煙が立たない処に火は起こらないのだ。そして、その火を見てどうするか。
「……愉しむに値するモノであれば、良いンだがな」
見物になるのか。直に手を出して、斬るのか。それとも義賊ぶって晒し者にするのか。
浮世の愉しみ方は人それぞれではあるが、性根がねじ曲がっていると思っている身となれば難しい。悩ましい。
特に心躍るような闘いというのは、貴重なものだ。
それは何よりも得難い機会である。佳い女の出会いと同じかそれ以上といっても良い。
「ある程度稼げれば、話聞きついでにどっかの館に這入るのもアリかね」
商売女たちの間で囁かれる話もまた、金を出して聞く余地がある。
諜報を生業にしていて身として、よくそれを知る。
今回の依頼を同様に請けた冒険者の手伝いに戻りつつ、撤収や帰還時の際に聞いてみようか。
具合の良い娼館の評判もまた、伝え聞いて吟味するのも参考になる事項でもある。
歩みつつ、また列を乱す者達を見遣れば――注意の上でそれを正そう。そうやって時は過ぎて往く。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」から影時さんが去りました。