2020/05/03 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にネレディスさんが現れました。
ネレディス > 貧民地区の通りを、不似合いな格好の女が歩いていく。全身に金銀や宝石でジャラジャラと飾る姿は装飾過剰なほどだが、それにも関わらず肌をほとんど隠そうとしない。肌どころか、その大きく膨らんだ乳房も、首から掛けた金の飾りで辛うじて隠れているだけで下着すらつけていない。
『裸で歩いている』と言っても間違いではないレベルである。

「うふふ、みなさん、今日もお仕事に励んでくださいね。労働は尊いものですから」

と、声を掛けて回っているのは主に娼婦たちに対してである。当の娼婦たちの反応はというと、にこやかに返事をしたり、眉をひそめて立ち去ったりと様々。
歩いていく彼女を見る男達の目も、奇異や欲望、あるいは侮蔑と様々だ。
しかし、それに気づいているのかいないのか変わらずニコニコと微笑んだまま、変な女は歩き続けている。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にリヨンさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にライヨウさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からライヨウさんが去りました。
リヨン > 「へへっ、まあ上々ってとこかなぁ」

手の平の上に乗せてポンポンと弄んでいる革袋は、ジャラジャラと景気の良さそうな音を立てる。
裕福かつ不運な通行人の懐から拝借した小遣いが詰め込んであり、しばらくは羽振りのいい暮らしが出来そうだった。
この辺りには普段常用している宿があるのだが…──

「んんっ!? マジかよあれ」

宿に向かおうと出た通りで、とんでもない人物を発見した。
この治安が悪いことで知られた貧民区のしかもこんな時間に、全身に金目のものを身につけて、しかもほとんど裸同然の恰好で歩いている女がいるではないか。
またぞろ魔族とかの悪ふざけか何かか、という疑いと好奇心に駆られて後方を少し離れてついて行く。
街角で客をとっている女たちに愛想を振りまいているだけで、何か邪悪な魔法が発動したりはしなかった。
……これは本気で犯されでもしたいのだろうか?
真剣に考え込んでしまう少年。勿論、心配したりするほどお人好しではない。
本当に襲ってしまうか、とさえ考えながらまずは小手調べをする事にした。

「──ねえ、お姉さん、いいカラダしてるね。もしかして誘ってたりする?」

丁度人通りが途切れ一人になるタイミングを見計らって、彼女の背中から抱き着こうとする。
それがかなうなら、そのまま背後から伸ばした手を前面の乳房にわっし、とかけるだろう。

ネレディス > 「……きゃっ」

当然ながら、夜の貧民地区は人通りの多いところばかりではない。『視察』と称して特に目的地もなく歩いていれば、静かで人通りのない路地のような場所を通ることもある。
そんな折りに真後ろから抱きつかれれば驚きの声をあげてしまうのも当たり前だ。けれど、

「……あら、ずいぶんないたずらっ子ですね。それとも、貴方もわたくしの寵愛を乞うのですか?」

その相手が子供であり、また性的な意図を持っていることに気づくと、責めることもなく尋ねた。責めないどころか、胸を鷲掴みにする手を避けようとも剥がそうともしない。

リヨン > 何か良からぬことを企んでいる素振りは無いと見て取ってはいたものの、こうもあっさり抱き着けてしまうとは少々呆気に取られた気分だった。
驚きの声の次は、本性を露わにして肘打ちでも放ってくるだろうか?
そんな予想もあっさり外れる。
事前に脳内でシミュレートした通り、手が相手の豊かな乳房をとらえてしまう。

「……ち、寵愛?」

しかし、飛び出して来た台詞は予想を裏切るどころか、予想不可能な代物だった。
乳房に五本と五本、合計十本の指を埋め込んだ少年は、どういう訳か一本取られた気分になり、
そうなると、もう性格的に逆襲せずにはいられない。

「うん、チョーアイ欲しいなあ。頂戴、こっちこっち。ね」

どこまでとぼけたような言動を出来るか試してやる、と、彼女の前に回り込んで、片方の手首を掴むと、更に人けの無い路地の奥に引っ張って行こうとし。

ネレディス > 「あら?」

胸を、しかも両方鷲掴みにしておきながら、一旦ピタリと動きを止めてしまった少年に、女は首をかしげる。本人としては何もおかしいことは言ったつもりはなかったのだ。

「あらあら、それなら最初から言いなさいな。何も後ろから不意打ちをしなくても、ちゃんと愛してあげますのに」

少年に手を引かれながらも、なんの疑いも警戒もなくついていく半裸の自称女王。この国にはシャイな男性も多いので、この少年も真っ向から寵愛と身体を求めるのが恥ずかしかったのだろう……と勝手に結論付けていた。